何の説明もなく異世界に飛ばされました

能力

「私は五ヶ瀬川刹那。よろしくね。」
そう言って明日夢と刹那は握手の交わす。
「マスターとそこの人間の飯を作ってきます。」
ルシフェルがそう言って厨房に向かっていく。
どうやらここは大きな屋敷のようで、明日夢はそこの主人らしい。
「久しぶりに人間と話すよ。たのしいな」
「…そうなの？」
「あぁ。最近はルシフェルとしか喋って無かったからな」
「そっか」
しばらくするとルシフェルが厨房から料理を持ってきた。
どうやらカレーの様なもののようだ。
「これは…カレー？」
「みたいなものだ。」
「いただきます」
そう言って2人はカレーを食べ始める。
「…美味しい」
ぽつりと刹那が呟く。
「当たり前だ。この私が作ったのだからな」
そうドヤ顔で言うルシフェル。
しばらくゆったりとした時間を過ごすと、ルシフェルが口を開く。
「人間、お前の能力は何だ？」
「能力？」
刹那が首を傾げる。
「そうだ。お前から魔力を感じるからな。何かしらの能力を持っているのだろう？」
「私の能力は…その…色んな武器が出てくるというか…」
「武具が出せる能力…？聞いたことないな」
明日夢が腕を組んで考え込む。
「こうとか…」
そう言って刹那が出した武器は天叢雲。
「天叢雲！？神級の武器だぞ！？」
伝説上の武器が出てきて驚く明日夢とルシフェル。
「なるほど、お前の能力は神級の武具を出せるのか…珍しいな」
ルシフェルが刹那を見やる。
「な、何？」
「いや、ただの凡人がそんな貴重な能力を持っているとは思わなくてな。」
「凡人って…否定はしないけど…」
その後もいくつかルシフェルの質問に答える刹那。
「お前の能力がわかったぞ。擬似的な神降ろしだな」
「神降ろし…？」
「そうだ。神級の武器や伝説上の武具が出せるのはそれが原因だ」
自分の能力がわかり、刹那は安堵のため息をつく。
「良かった…」
「お前は能力のせいで元の世界でも苦労したのだろう。」
「うん。他人を傷付けたりもしちゃって…」
「この世界なら大丈夫だ、心配する必要は無いぞ」
刹那を安心させるように優しく声をかける明日夢。
2人からの質問攻めは終わりそうにはなかったが、淡々と答える刹那。
「君達、元気にしてるかい？」
その時、どこからともなく現れた少女の様な人物の姿を現した。
この少女は一体何者なのだろうか。