何の説明もなく異世界に飛ばされました

ルトラール大陸

エクスカリバーとトリアイナの入手にはかなりの時間を有した。
先ずどこにあるかもわからない。
1から探さなくては行けないので骨が折れる。
そんな中刹那と篠目はマカラヒト大陸にやって来ていた。
刹那の通行証は篠目と東が取りに行ってくれたのだ。
「通行証、ありがとうね」
「これくらいどうってことないって！刹那ちゃんは気にしなくていいの！」
篠目がニッカリと笑う。
「それにしても…静かだね」
「外出してる人が少ないね。やっぱり鎖国状態だからかなぁ…」
辺りに人はなく、まるでゴーストタウンの様だ。
今にもなにか出てきそうではある。
「おい、そこの2人組！」
突然声をかけてきた大柄な男性。
「何？私達忙しいんだけど」
「うるせぇ、んなの知ったこっちゃねぇ。金目のもの置いて行け！」
「はぁ…面倒くさい…」
「ンだとこのガキ」
「面倒くさいって言ったの。」
「なめてくれるじゃねぇか！」
大柄な男性がナイフをポケットから取り出すと、篠目に向けて突っ込んできた。
「ちょっと、危ないなぁ」
そんな攻撃を軽々と避ける篠目。
「このガキ…！」
「うるさいよ、おじさん」
そう言って篠目はナイフを蹴って男の手から離す。
「チッ、てめぇ…！」
男は篠目に殴りかかって来た。
「だから面倒くさいって！」
それを軽くいなすと男の鳩尾に向けて蹴りを食らわせた。
「ガッ…」
「舐めてもらっちゃ困るんだよねぇ」
篠目と男のやり取りを黙って見ていた刹那。
「…目さん、強いんだね…」
「そう？ありがと～」
いつの間にか男をフルボッコにしていた篠目。
「クソ、覚えとけよガキ共！」
そう捨て台詞を残して逃げていく男。

「ここも治安悪いし早く帰ろっか」
「うん…」
その後は特にトラブルもなく、篠目と刹那は帰路につく。
ルトラール大陸から屋敷のある独楽大陸行きの船に乗り込む。
「久しぶりに運動した気分だよ」
「あれだけ派手にドンパチしても人出てこなかったね…」
「そうだね…それ程他人に対して無関心なんだろうね」
そんな事を話していると、独楽大陸へと辿り着いた。
少し急ぎ足で屋敷に戻る篠目と刹那なのであった