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大祓英輝
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今回は少し時が遡ります。ついでに人称がナレーターに変わるから。
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某社山梨工場
「あぁあぁあぁ!また失敗したのか大祓ぁ!だいたいお前みたいな三十路すぎた中卒の低学歴を雇ってやること自体、損害しか生まないんだよ!それでも雇ってやってるんだぞ?お前は何回コンベア止めれば気がすむんだよ?いい加減にしろ!
おら!お前ら、連帯責任だ!製造第八班!社員寮の掃除!」
明らかに不機嫌な工場長は散々に大祓を怒鳴り散らした後、近くにあったロッカーから矢川の私物を取り上げ、廃棄物入れに投げた。周りからは睨みつけられ、唾を吐きかけられる。もうこんな仕事やめてしまいたい、大祓はいくどとなくその意を抱いていた。だが世の中はシナリオ通りにはいかないことばかりだ。学歴、生まれや育ち、生活環境。彼は全てにおいてどん底だった。唯一働ける工場がここだ。
そもそも彼は長野の高等学校もない小さな限界集落で育ち、頼りにしていた祖父母の死後は、しばらく山梨の親戚の家で暮らしていた。沢山の人に迷惑を掛けてしまった、だからこそ、この仕事を手放したくない、そう思って彼はこの仕事を続ける。
だが もう限界だ。
「あと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少しあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少」
ついに、彼は死者と同じになった。自分が死んだのだ。工場の上層部は、責任など微塵も感じていない。むしろ、微笑んでいる。
「おいおい。壊れちまったよ?どうしよう?」
「快楽荘送り…だな。」
快楽荘、富士山五合目に佇む潰れた山荘の跡地。自殺志願者達の集い場。室内の小さなブラウン管には死を促す映像が流れ続け、急な崖から青木ヶ原樹海直接行くことができる、死への近道。かつては地元民達も封鎖を試みた。するとどうなっただろう。封鎖関係者65人、全員死亡だ。上の方から落石があったのだ。生存者なしの大事故だった。この事故から快楽荘の自殺対策はあとを絶たれた。行方不明者を捜索しにいった隊員も自殺するほどの殺傷力、よほど心が壊れるのだろうか?それとも殺されたのか?情報は未だに入ってこない。入ってくるはずがないのだ。
なぜならここは、コンパスも携帯も通じない
死ぬために作られた森だから
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某社山梨工場
「あぁあぁあぁ!また失敗したのか大祓ぁ!だいたいお前みたいな三十路すぎた中卒の低学歴を雇ってやること自体、損害しか生まないんだよ!それでも雇ってやってるんだぞ?お前は何回コンベア止めれば気がすむんだよ?いい加減にしろ!
おら!お前ら、連帯責任だ!製造第八班!社員寮の掃除!」
明らかに不機嫌な工場長は散々に大祓を怒鳴り散らした後、近くにあったロッカーから矢川の私物を取り上げ、廃棄物入れに投げた。周りからは睨みつけられ、唾を吐きかけられる。もうこんな仕事やめてしまいたい、大祓はいくどとなくその意を抱いていた。だが世の中はシナリオ通りにはいかないことばかりだ。学歴、生まれや育ち、生活環境。彼は全てにおいてどん底だった。唯一働ける工場がここだ。
そもそも彼は長野の高等学校もない小さな限界集落で育ち、頼りにしていた祖父母の死後は、しばらく山梨の親戚の家で暮らしていた。沢山の人に迷惑を掛けてしまった、だからこそ、この仕事を手放したくない、そう思って彼はこの仕事を続ける。
だが もう限界だ。
「あと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少しあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少し頑張ればあと少」
ついに、彼は死者と同じになった。自分が死んだのだ。工場の上層部は、責任など微塵も感じていない。むしろ、微笑んでいる。
「おいおい。壊れちまったよ?どうしよう?」
「快楽荘送り…だな。」
快楽荘、富士山五合目に佇む潰れた山荘の跡地。自殺志願者達の集い場。室内の小さなブラウン管には死を促す映像が流れ続け、急な崖から青木ヶ原樹海直接行くことができる、死への近道。かつては地元民達も封鎖を試みた。するとどうなっただろう。封鎖関係者65人、全員死亡だ。上の方から落石があったのだ。生存者なしの大事故だった。この事故から快楽荘の自殺対策はあとを絶たれた。行方不明者を捜索しにいった隊員も自殺するほどの殺傷力、よほど心が壊れるのだろうか?それとも殺されたのか?情報は未だに入ってこない。入ってくるはずがないのだ。
なぜならここは、コンパスも携帯も通じない
死ぬために作られた森だから
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