SPとヤクザ

魚谷

文字の大きさ
15 / 30

過去8

しおりを挟む
 しばらく景は涼介と会うことができなかった。
 屋上に行っても(というより扉そのものが開いてなかった)、もう桜が散ってしまった校舎裏に行っても、一切、駄目だった。
 涼介と会えないと昼も放課後も、全く手持ちぶさただった。これが元々の日常のはずなのに、つまらなくてしょうがなかった。こんな気持ちになったのは初めてで、戸惑う。

(僕は、涼介君のことが)

 景は服の胸元をぎゅっと握った。

(何かあったのかな……風邪、引いたとか?)

 一度は学校の帰りに、家に寄ろうと思った。でも、そんなことをされては涼介も迷惑かもしれないと結局、寄らずに帰ってきた。
 明日はきっと会える。そう思い続けて気づけば一週間が経っていた。
 屋上や校舎裏だけではない。他にも人がいなさそうな場所は手当たり次第に覗いて見たが、どこにもいなかった。そこで脳裏を過ぎったのが、涼介が不良グループとたった一人で喧嘩をしたという話だ。

(もしかして難癖を付けられて、大けがを負ってるんじゃ……)

 景はマンションに向かった。ロビー手前の機械に部屋番号を打ち込んでみたが、応答はなかった。二度ほどやって無反応で、踵を返した。

「あら、あなた」

 そこに声をかけられた。顔を上げると、そこにはジャケットにブラウス、ミニスカートという出で立ちの涼介の母親が車から顔を出していた。

「お久しぶりです」景は頭を下げた。

 女性は、車内の誰かに言う。

「涼介のお友達なの」

 そうして後部座席から涼介の母親と別に、男性がおりてきた。その顔は忘れられるはずもない。涼介の父親だった。向こうも景の顔に気づいたらしい。

「おお、君は……」
「知り合い?」涼介の母が聞く。
「いや、それほどではない」
「景君。涼介に用?」
「あ、はい。学校で全然会えなくって、どうしたんだろうって」
「あら。あの子、学校には行ってるはずよ」
「え、でも……」
「良いわ。うちにいると思うから入って」
「じゃあな、真奈美」
「じゃあね」
「では、君もまた」
「あ、さようなら」

 景は涼介の父親を見送ると、母親と共にロビーを抜けた。
 この間は甘い香水をまとっていたが、今日は香水はつけていないようだった。

「涼介にあなたみたいなお友達が出来て、嬉しいわ。友達を家に呼ぶなんて初めてなのよ」
「そうなんですか?」
「すごく楽しそうで私の方がびっくりしたのよ。……ねえ、ここ最近、喧嘩でもした」
「いえ……」
「最近、元気がなくってね。まるで無趣味のおっさんみたいに溜息ばっかりついちゃって。あなたと喧嘩でもしたんじゃないかなって思って、早く謝りなさいよって言ったんだけど、全然反応してくれなくってねぇ」

 そうして部屋の前まで来たのだが、急に涼介の母親は足を止めて、鍵を取り出したままじっとしていた。

「どうかしたんですか?」
「私、急用を思い出しちゃった。先に入っててくれる?」
「え、でも……」
「すぐに戻るから、涼介のことよろしくねー」

 涼介の母親はきゃぴきゃぴした雰囲気をまといながら、エレベーターに乗っていく。
 鍵をゆっくりと差し、ひねる。鍵が開く感触が手に伝わる。

「……お、お邪魔します」

 小声で独りごちつつ、部屋に入った。
 奥のリビングダイニングからテレビの音が漏れていた。
 鼓動が早くなる。景は言い聞かせるように口の中で呟く。

(落ち着け。落ち着け……普通にすれば良いんだ。普通に……)

 リビングへ通じる扉を開ける。
 こちらに背中を向けてソファーにもたれかかっている涼介の背中が見えた。

「おかえり」

 なんと言えば良いのか分からず、口ごもってしまう。
 不審に思ったのか、涼介が振り返る。目があった。
 涼介は相当、驚いたのだろう、目を見開く。口を動かすが、言葉は出なかった。

「涼介君。急に、ごめん……。でも、ずっと会えなかったから、何かあったのかと心配で」

 何故か、涼介は泣き出しそうなほどに顔をくしゃくしゃにし、目を伏せる。そんな表情は今まで一度も見たことが無かった。

「げ、元気だった? 僕は元気だよ。……別に一週間しか経ってないから、いきなりそんな変わる訳ないんだけど」

 自分の言葉が上滑りしているのを自覚する。それでも何か話さないと、この時間がなかったことにされてしまうのではないか、そんな焦りとも恐怖ともつかない気持ちに急き立てられた。何でも良い。涼介と話したかった。話して貰えれば、それだけでも安心して帰れる。そんな祈りが通じたのか。

「……心配、かけたんだな」

 話してくれた。安堵の余り、景は尻もちをついてしまう。

「景!? 大丈夫か!?」

 涼介が駆け寄り、抱き起こされる。

「あはは。ご、ごめん。安心したら力が抜けちゃって……」
「ばか……」

 ぽつりと涼介が呟く。
 と、景との距離が今にも唇がくっついてしまいそうなほどに近づいていた。
 彼の体温をシャツごしに感じた。鼓動が早鐘を打つ。
 彼の目が揺らぐ。だが目は逸らされなかった。

「俺のことを心配して、わざわざ来てくれたのか」
「……うんっ」
「お前、本当良い奴だけどさ、……ひどい奴だよ。人が折角、こらえようとしているのに」

 涼介の手が、景の頬を優しく撫でる。ぞくっとした。

「何か困ったことがあるなら、相談にのるよ。僕で、どんな力になれるか分からないけど……でも、もし困ってるならっ……」
「どんなことでも良いのか?」
「もちろんだよ。でも、喧嘩とかは、自信……ないかな」

 涼介は苦笑した。

「ちげえよ。そんなことよりもっと重大だ」

 涼介がこれほどに悩んでいる問題、一体どんなことなのか。

「お前が好きなんだよ」

 涼介は切なげに濡らした眼差しで、景を見る。その眼差しには覚えがあった。景の家で、つい眠ってしまった景が起きたあの時。自分を覗き込む涼介の眼差しがまさに、それだった。

「どうだ。喧嘩何かよりもずっと重たいだろう。……気持ち悪いよな、こんなの。ごめん」

 自嘲を漏らした涼介は立ち上がろうとする。景は「待って」と自分でもびっくりするような力で彼の腕を掴んでいた。
 涼介がびっくりしたように動きを止めた。

「お前は優しいな。残酷なくらいに」
「話を聞いてっ」

 景の大きな声に、涼介は面食らった顔をする。

「好きって、僕のことが? 友達とかそういう意味じゃなくって……。一人の男として、その……愛してるとか、そういうこと、なの……?」
「……そうだ」

 景の右目から悲しくもないのに、涙が撫でるように伝う。

「違うんだ。お前を傷つけるつもりじゃなかったんだっ! ごめん、ごめん……! だから、泣かないでくれっ……謝る。今のは嘘だ、冗談、だから……!」

 涼介はこれまで聞いたことがないくらい切なげな声を上げた。
 しかし景は別に悲しくもないし落ち着いてもいる。

「涼介君、違うんだ。僕も一緒、だったから」

 頬がみるみる火照っていくのを感じながら一気に捲し立てた。

「……僕も、涼介君のこと……好きだよ。だからこうして……あ、会いに来たんだよ!」

 涼介と会えて世界が変わった。怖かった、人との深い触れあいを求める心が募った。
 ずっと押し殺していた触れあいたいという気持ちがとめどもなく、溢れた。
 思えば、初めて会った時から景は自分には余りにも不釣り合いな積極性で彼に接していた。
 吸い寄せられるように涼介を抱きしめた。彼は、はっとしながらも、その想いに応えるように背中に腕を回し、力を込めてくれた。
 唇が近づく。景は顔を上げた。唇が触れあう。少しかさついた彼の唇の感触を感じながら、舌を絡める。
 凍った心が解けていくように、湿った息遣いを交え、景は唇を求めた。
 涼介に押し倒される。彼の重みを感じる。それがとても嬉しかった。
 長い長い口づけを終える。唾液が糸を引いて、切れた。荒い息遣いで再び唇を重ねた。
 このまま彼の熱で溶けてしまいそうだった。
 涼介に身体が持ち上げられた。お嬢様だっこはさすがに恥ずかしい。
 しかし幾ら身動いでも涼介は許してはくれない。
 そのままソファーの背もたれを倒すと、そこへ優しく景を下ろしてくれた。

「フローリングだと背中が痛いだろ」

 そう囁いた涼介の手が、ベルトにかかった瞬間、びくっと反応する。

「……怖いか?」

 景は首を横に振った。彼が求めてくれるなら。そう言う想いが強かった。実際、反応しているのだ。

「優しくする」
「涼介は経験あるの?」
「……あるやつが、あんな情けない声、出すと思うか」
「そうだね」その言い様に、景は思わず吹きだしてしまう。
「笑うなよ。自分でも情けないと思ってるんだ」
「……秘密にしておく。二人だけの秘密」
「そうしてくれ」涼介は微笑む。

 そうしてお互い、一糸纏わぬ姿になる。涼介の身体は景からすると恥じいってしまうくらい、男らしく引き締まり、筋肉がはちきれんばかり。
 涼介が唇を重ねてくる。そのまま身体を股の間にねじいれ、その漲ったものを景の小さな穴にあてがい、そして身体を進めてきた。
 受け容れたのは初めてのはずなのに、痛みはなかった。

「りょ、涼介君っ!」

 お腹を押し上げる存在感に戸惑い、震える景は、涼介の唇に縋った。
 身体を熱いものが行き来する。まるで身体の中を食い破られてしまうような衝撃だった。
 しかしその衝撃に比べて、恐怖感はない。それは相手が涼介だからだ。

「うぅっ……」

 声を漏らす。痛みはなかったが、息苦しさはある。しかし引かれることで生まれる背筋がゾクゾクさは痛みとは正反対――悦びだった。
 涼介は声を辛さと勘違いし、「悪い。いきなり過ぎたな」と抜こうとする。

「待ってっ! 大丈夫……だから」
「だけど」
「僕……気持ち良くなってるんだ……。涼介君」
「こんな時に君付けなんてやめろよ」
「……りょ、涼介」
 呼び方を変えただけで腰の奥から弾けた熱気が全身へ広がっていくようだった。

 何度でも彼の名前を呼びたいと思った。

「……涼介も、気持ち良くなって欲しい。だから最後まで……」

 涼介は躊躇いながらも、うなずく。

「分かった。でも本当に辛かったら我慢するなよ」
「うんっ」

 涼介が腰を突き出してくる。打ち付け合うたび、乾いた音が弾けた。
 雄々しいものが身体の深い部分に達し、尚も深い場所へゆこうとする気配を強く感じた。
 それが嬉しかった。涼介が自分の身体をこうして貫いてくれることが。
 声を出そうという意識するよりも前に、声が出た。いや、出ると言うよりも溢れたと言った方が正しいかもしれない。しがみついている涼介の身体が汗ばんでいく。彼の香りが強くなる。それがとても愛おしい。さらに彼のものを締め付ける。急速に自分の肉体がいやらしく華やいでいくのを実感した。

「誤解しないで。本当に、僕は涼介が初めてなんだ。なのに、こんな……自分でも、こんなに、自分がいやらしいなんて知らなかったっ!」

 涼介の眉間に皺が寄る。

「そんなことを疑っちゃいないさ。この感触は俺だけのものだ。そうだろ?」
「う、んっ!」

 涼介の舌の動きや、息遣いが浅く早くかわる。
 彼の鼓動が重なり合う胸板ごしに伝わってきた。
 涼介が激しく全身を動かす。

「景っ……」

 彼のものが震える。景にはそれが果てる兆しなのだと分かった。

「涼介! そのまま……きてっ!」
「くっ……」

 景が切なげに叫んだ次の瞬間、熱いものが腹奥に向けて飛び散った。
 涼介の肉塊がビクンビクンと弾ける感触が重々しく伝わる。

「あぁぁ……りょ、涼介……っ」

 同時に、景もまた昇り詰める。肉棒が戦慄きながら体液をこぼす。

「景」

 汗だくになった涼介が身体を重ねてくる。息は乱れ、汗に濡れた身体はびっくりするくらい熱かった。心地よい疲労感を覚えた景は涼介の身体に触れる。早い鼓動が伝わる。

「……景、気持ち良かった」
「うん。僕も、気持ち良かった。涼介におかしくされちゃった……っ」
「おかしくするためにしたんだ。でも結局、俺の方がおかしくなっちまったのかもな。風呂、入ろう。このままじゃあな」
「うん」
「二人で……」

 離れがたい磁力のようなものをお互いに深く感じ、再び絡み合う。
 景と何度も口づけを深め、彼の汗の味をいっぱいにあじわった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺の幼馴染が陽キャのくせに重すぎる!

佐倉海斗
BL
 十七歳の高校三年生の春、少年、葉山葵は恋をしていた。  相手は幼馴染の杉田律だ。  ……この恋は障害が多すぎる。  律は高校で一番の人気者だった。その為、今日も律の周りには大勢の生徒が集まっている。人見知りで人混みが苦手な葵は、幼馴染だからとその中に入っていくことができず、友人二人と昨日見たばかりのアニメの話で盛り上がっていた。 ※三人称の全年齢BLです※

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

義兄が溺愛してきます

ゆう
BL
桜木恋(16)は交通事故に遭う。 その翌日からだ。 義兄である桜木翔(17)が過保護になったのは。 翔は恋に好意を寄せているのだった。 本人はその事を知るよしもない。 その様子を見ていた友人の凛から告白され、戸惑う恋。 成り行きで惚れさせる宣言をした凛と一週間付き合う(仮)になった。 翔は色々と思う所があり、距離を置こうと彼女(偽)をつくる。 すれ違う思いは交わるのか─────。

同居人の距離感がなんかおかしい

さくら優
BL
ひょんなことから会社の同期の家に居候することになった昂輝。でも待って!こいつなんか、距離感がおかしい!

ただの雑兵が、年上武士に溺愛された結果。

みどりのおおかみ
BL
「強情だな」 忠頼はぽつりと呟く。 「ならば、体に証を残す。どうしても嫌なら、自分の力で、逃げてみろ」  滅茶苦茶なことを言われているはずなのに、俺はぼんやりした頭で、全然別のことを思っていた。 ――俺は、この声が、嫌いじゃねえ。 *******  雑兵の弥次郎は、なぜか急に、有力武士である、忠頼の寝所に呼ばれる。嫌々寝所に行く弥次郎だったが、なぜか忠頼は弥次郎を抱こうとはしなくて――。  やんちゃ系雑兵・弥次郎17歳と、不愛想&無口だがハイスぺ武士の忠頼28歳。  身分差を越えて、二人は惹かれ合う。  けれど二人は、どうしても避けられない、戦乱の濁流の中に、追い込まれていく。 ※南北朝時代の話をベースにした、和風世界が舞台です。 ※pixivに、作品のキャライラストを置いています。宜しければそちらもご覧ください。 https://www.pixiv.net/users/4499660 【キャラクター紹介】 ●弥次郎  「戦場では武士も雑兵も、命の価値は皆平等なんじゃ、なかったのかよ? なんで命令一つで、寝所に連れてこられなきゃならねえんだ! 他人に思うようにされるくらいなら、死ぬほうがましだ!」 ・十八歳。 ・忠頼と共に、南波軍の雑兵として、既存権力に反旗を翻す。 ・吊り目。髪も目も焦げ茶に近い。目鼻立ちははっきりしている。 ・細身だが、すばしこい。槍を武器にしている。 ・はねっかえりだが、本質は割と素直。 ●忠頼  忠頼は、俺の耳元に、そっと唇を寄せる。 「お前がいなくなったら、どこまででも、捜しに行く」  地獄へでもな、と囁く声に、俺の全身が、ぞくりと震えた。 ・二十八歳。 ・父や祖父の代から、南波とは村ぐるみで深いかかわりがあったため、南波とともに戦うことを承諾。 ・弓の名手。才能より、弛まぬ鍛錬によるところが大きい。 ・感情の起伏が少なく、あまり笑わない。 ・派手な顔立ちではないが、端正な配置の塩顔。 ●南波 ・弥次郎たちの頭。帝を戴き、帝を排除しようとする武士を退けさせ、帝の地位と安全を守ることを目指す。策士で、かつ人格者。 ●源太 ・医療兵として南波軍に従軍。弥次郎が、一番信頼する友。 ●五郎兵衛 ・雑兵。弥次郎の仲間。体が大きく、力も強い。 ●孝太郎 ・雑兵。弥次郎の仲間。頭がいい。 ●庄吉 ・雑兵。弥次郎の仲間。色白で、小さい。物腰が柔らかい。

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

五右衛門
BL
 月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。  しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

イケメンに惚れられた俺の話

モブです(病み期)
BL
歌うことが好きな俺三嶋裕人(みしまゆうと)は、匿名動画投稿サイトでユートとして活躍していた。 こんな俺を芸能事務所のお偉いさんがみつけてくれて俺はさらに活動の幅がひろがった。 そんなある日、最近人気の歌い手である大斗(だいと)とユニットを組んでみないかと社長に言われる。 どんなやつかと思い、会ってみると……

処理中です...