冷酷な王の過剰な純愛

魚谷

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王の妃は(6)※

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 寝台へ横たえさせられれば、ジクムントが優しい手つきで服を一枚一枚脱がしてくれる。

 マリアは身を起こす。

「ジーク……あの、良い?」

「どうした」

「……今日は私があなたを気持ち良くしたいの」

「今日はやけに積極的なんだな」

 口ぶりはからかうようだったが、その目にともった欲情の炎は大きい。

「ジーク」

 マリアはジクムントに熱い眼差しを向ける。

「頼む」

「分かったわ」

 マリアは下衣を脱がしていけば、目の前に逞《たくま》しく盛った屹立《きつりつ》が突きつけられる。

 そこは猛々《たけだけ》しく戦慄《わなな》いていた。

(ジークは何度もこれで私を……)

 改めてこうしてまじまじと見つめると本当に自分の中に、この偉容《いよう》が収まったのかと驚きで一杯になってしまう。

ジクムントが微笑した。

 マリアは目線を上げる。

「そんなに熱心に見つめられると、こそばゆいな」

「あ、ごめんなさい……っ」

「いや、良いんだ。だが見つめられるだけだとこっちも気持ち良くない。……頼めるか」

「……うん」

 マリアはそっと手を添える。

 びくびくっとかすかな震えが伝わった。

 棹幹へちろりと舌を這《は》わせると、その戦慄きは大きくなる。

「どう?」

「あぁ、気持ちいい。もっとしてくれ」

 ジクムントを喜ばせられていることがマリアの背を押す。

 ゆっくりと舌を這わせていく、根元の方から徐々に先端部へと。

(まるで、槍みたいだわ)

 鉾先《ほこさき》は鏃《やじり》のような形になって、そこからは透明な露が滲《にじ》んでいる。

 マリアはくびれの部分に舌を這わせ、入念に刺激していく。

 陰茎全体が激しく反応する。

(何だか、おかしいわね)

 マリアは熱く湿った吐息混じりに思う。

 マリアを貫くときにはあんなにも獰猛《どうもう》であるはずなのに、今は愛らしいとすら思えてしまう。

熱心に唾液をまぶし、舌を動かす。

 と、ある一点、陰茎の裏側を舌で擦ると、ジクムントの腰全体が大きく反応し、彼の眉間《みけん》に皺《しわ》が刻まれた。

(ここが良いの?)

「マリアっ」

 ジクムントが呻き混じりに漏らした。

「ジーク、ここが良いの」

「……ああ。やばいぞ、マリア。お前、うまいな」

 褒められているのだろうけれど、マリアとしては複雑である。

 しかし同じ所ばかりではなく、先っぽの鈴口にも唾液をまぶしていく。

 体液がとろりとこぼれるのを啜り飲んだ。

「マリア、そろそろ咥えてくれ……っ」

 ジクムントが切なげな声を漏らす。

「くわえる?」

「……してくれるか」

「わ、分かった」

 マリアをおいて一体誰がこの王のこんな表情を見られるだろう。

(私、ちゃんと気持ち良く出来てるんだ)

 マリアは頬を緩めつつ、口を開けて先端を咥える。

(すごい)

 口にすると改めて、ジクムントの牡の存在感に気圧《けお》されてしまう。

 余り深く呑《の》み込もうとしたらきっと顎《あご》が外れてしまう。

「うぅっ」

 ジクムントは顔を曇らせる。

 その目は淫靡に揺れ、かすかに肩で息をしていた。

 ジクムントを気持ち良くさせられていることが嬉しく、マリアの身体も自然と熱を帯びる。

 マリアはゆっくりと顔を前後に動かす。

「……ああ、マリア。お前がこんなに積極的にしてくれるなんて思わなかった」

 ジクムントはどこか夢見心地に呟きながら、マリアの首筋や髪を撫で上げた。

 その優しい指使いに肌が粟立つ。

「ああっ……うぅ……んっ……」

 ジクムントの腰がゆっくりと動き始める。

 マリアの口内を抉るような律動。sれでもマリアは涙目になりながら追いすがろうと頬
をへこませる。

「んちゅ……ちゅっ……ジーク……っ」

 苦しかったが、それ以上に求められることに対する嬉しさが勝る。

「マリア……出る……そのまま受け止めてくれ」

 ジクムントが泣き笑いの声をあげ、マリアの髪を激しく掻き混ぜる。

 それは彼の胸に芽生える切ない思いの発露だ。

 苦しそうな息遣い、懊悩《おうのう》に煙る眼差し――それ以上に、ジクムントの率直な快感を物語っていた。

苦しくなりながらもマリアは頬張っている逸物をあやす動きを止めない。

「うッ……」

 呻《うめ》きと共に、ジクムントが口内めがけ欲望を放つ。

 滾《たぎ》った樹液をマリアは懸命に受け止める。

 切れ切れの悶え声をジクムントは漏らし、その双眸は熱く蕩《とろ》けていた。

「マリア、良かったぞ」

 ゆっくりと抜かれると、思わずマリアは咽《む》せてしまう。

「無理をさせてしまったな。お前があまりに良かったから……自分を抑えられなかった」

「駄目、口は汚れてる、から……」

「駄目なものか。俺を包んでくれた……愛おしい唇だ」

 そのまま唇を塞がれた。

 口内の隅々《すみずみ》まで舌先でほぐされれば、身体から力が抜けていく。

 何もかも奪われてしまいそうな強引さでありながらも、全てを包み込んでくれるような包容力を持つ――互いに矛盾した気持ちを、マリアは感じた。

「今度は俺が気持ち良くする番だ」

 ジクムントは口づけをほどくと囁く。

 そうしてマリアはされるがまま俯《うつぶ》せの格好にされた。

「もっと腰を上げるんだ」

 何をされるのだろうと思ったが、マリアは従う。

(恥ずかしい……)

 お尻に視線を感じて身をもじつかせた。

 と、お尻の谷間に吐息を感じた次の瞬間、舌が秘処に触れてきた。

「じ、ジーク!?」

 思わず声をあげてお尻を揺らすが、腰をがっちりとつかまれて身動《みじろ》ぎも出来ないまま、秘処を舐《ねぶ》られ続けた。

「マリア。お前、俺のをしゃぶりながら感じていたんだな」

「言わないで……」

 秘花は熱く潤んでいたが、マリアはずっとそれを意識するまいとしていたことだ。

 目が届かないからこそ、愉悦がマリアを翻弄する。

「ぁあああんっ、ジーク、やめてぇっ」

「何故だ。こんなにも蜜をこぼしているんだ。綺麗にしてやらないとな」

 笑みを含んだ声で応じるジクムントはさらに、指先で陰核へ軽く触れてきた。

「あああん」

 過敏な性感帯への愛撫に膝がガクガクと震えてしまうが、ジクムントの支えのお陰か体勢を崩さないまま、足が敷布をぐちゃぐちゃにする。

 そのままたやすく秘裂内に舌の侵入を許してしまう。

 温かな異物感にマリアは柳眉をひそめ、呼気を震えさせる。

「いやぁっ、やぁっ……」

 嬌声《きょうせい》が口を突き、髪を振り乱した。

 秘芽と膣内とを同時に愛撫されてしまえばマリアはただ身悶える他ない。

 そしてジクムントはわざとらしく大きな音をたてて、こぼれる淫蜜を啜《すす》るのだ。

「ジーク、だめ。そんなに大きな音をたてないでぇっ……やぁあん!」

「それは無理だな。こうも溢れさせられてしまうと、ちゃんと舐めてやらないと」

 ジクムントはそうして舌で媚壁を擦り、愛液を掻き出す。

「だめ。少し、ゆるめて。そんなに激しくされちゃったらおかしくなるわっ」

「なれよ。俺一人だけが気持ち良くなるのは不公平だからな」

 秘部は刺激にさらされるたびに収縮して、王の奔放で意地の悪い舌を悩ましく締め付ける。

「あっ、やぁ、はぁん……だっ、駄目っ……あぁああ……っ」

 マリアはそのまま上体を伸び上がらせ気をやってしまうと、身体を支えていた両腕の力がなくなって突っ伏してしまう。

マリアは涙目で、ジクムントをかえりみた。

「ひどい。だ、駄目って言ったのに……」

「そうか? 聞こえなかった」

 ジクムントが昂奮《こうふん》のあまり首筋まで赤みの差しているマリアの顔を覗《のぞ》き込んでくる。

「ひっ、ひどい……んっ」

 マリアは肩で息をしながら呟く。

「そうか。もっともっとと、急かされているとばっかり思っていたぞ。あれは、心の声かな」

「……そうよ」

「これでも?」

 ジクムントは手を見せてくる。

 そこはてらてらと淫らに照っていた。

「お前がここまで濡らしていたんだぞ。ほら。こんなにも糸を引いている」

「ジーク、意地悪よ、あなたっ」

 心臓が痛いくらい高鳴って、マリアはこのまま気を失いそうだった。

「……少し休ませて」

 そう言いつつも、ジクムントによって淫らに開発された肉体に一度、灯《とも》った欲情の火はそう簡単に消えることがない。

 むしろ何もしていないことがさらなる疼きを生みだし、心はさらに掻き乱されてしまう始末だった。

「無理だ。お前が乱れてる姿をこんなにも間近で見て、いつまでもまともでいられる訳がないだろ」

 言うや、ジクムントは立ち上がるとマリアの腰をつかんだ。

「ジーク!? 何してるのっ」

 突然の行動に、マリアは困惑してしまう。

「このままするんだ」

「い、いや。こんなの……動物みたいな」

「きっとマリアも気に入るさ」

 マリアは逃げようと腰を揺らすが、無駄な足?《あが》きだった。

 そのままジクムントの肉幹が、散々彼の前戯によってほぐされた秘壺へ押し入ってきたのだ。

「ああああんっ!」

 マリアは腰を大きく掲《かか》げた格好のまま貫かれ、敷布をぎゅっと握りしめて、牡《おす》の圧力に耐える。

 力強く胎内を広げられ、そのまま全てを受け容れる。

 ジクムントの逞しい腰によってお尻がぎゅっと圧迫されてしまう。

「……じ、ジーク……」

「マリアッ!」

 ジクムントはぐっと身を乗り出してくるとマリアの背にのしかかるような格好になり、そのまま両手を胸に伸ばしてくる。

乳肌に指を食い込まされて、痛いくらい尖《とが》った乳頭を抓《つま》まれる。

「ぁあん!」

 さらに腰を叩きつけられる。

 臀部《でんぶ》を叩かれると、乾いた打擲《ちょうちゃく》音が響く。

 それがマリアに犯されているのだという実感を強く与える。

「ぁあっ、ンンッ……あん!」

 逞《たくま》しい肉茎に蹂躙《じゅうりん》され、行き止まりを力強く突かれた。
 
 恥ずかしいのに、いやらしく喘ぐのをこらえられない。

「ジーク。嫌よ。こんな格好で、ああああん……あ、あなたの顔が見たいの……っ」

 受け容れているのはジクムントだというのは頭では分かるものの、これまで向かい合ってすることへの安心感しか知らなかったマリアは不安に駆られてしまう。

「嬉しいとお前の肉体は言っているのに、素直じゃないんだな。お前の身体はこんなにも破廉恥に俺を締め付けているのに」

「そんな。私は……」

 顎を掴まれて振り向かされると口づけを受ける。

少しでも彼の顔を見ていたい。

 マリアは舌を深く絡め、熱く湿った吐息を交わす。

 ジクムントもまた汗を滲ませたまま貪るように唇を吸う。

「んっ、んふっ、んん……!」

 ジクムントはマリアの弱いところを把握している。

 逞しい逸物に突き上げられ、マリアは口づけをほどく。

「ぁあっ、はあっ、ぁあんっ」

 ジクムントの腰遣いが加速する。息も吐かせぬ抽送にマリアはさらに乱れさせられてしまう。

 腰をつかんでいる若き王の指先に力がこもる。

「何だ、足が開いてきているぞ。もっと深くまで俺と一つになりたいのか」

 ジクムントの指摘に鳥肌が立つ。

「ああ、ごめんなさい! 許してぇっ!」

 もう自分で自分が分からなくなる。

 こんな格好ですることは、たとえそれが愛しい人からされることでも辱めそのものであるはずなのに恍惚を覚えてしまう。

 そうなのだ。ジクムントの言う通り、足を開き、発情した媚身《びしん》は恥じらいを忘れてねだってしまうのだ。

「――お前がそれほどにねだるから、俺は……」

 ジクムントが苦しげに呻くと、肉杭を一層力強く叩きつけてくる。

「あああん!」

「加減が出来なくなるだろっ」

 ジクムントは腰を荒々しく前後に振った。

 寝台が激しくギシギシと軋んだ。

(動物のように交わって、蕩けてしまうだなんて……あぁ、なんてこと……でも、ジークにされると、頭がおかしくなっちゃうッ)

「マリア、出すぞっ」

「き、きてえ、ジーク!」

 マリアは突っ伏したまま理性を蕩けさせる甘美に涕泣《ていきゅう》した。

 腰遣《こしづか》いの角度が変わる。さっきよりもずっと余裕がなく、叩きつけるような乱暴さに変わる。

 だがそれが果てが間近であることを強く意識させる。

 花肉が痙攣まじりに伸縮し、ジクムントを搾《しぼ》り上げた。

「っく!」

 そのままジクムントが精を吐く。

 一度や二度ではない。何度となく激しい脈動が膣内に伝わる。

 勢い良く注ぎ込まれる熱い樹液に、マリアの意識までも白く塗り潰されて、あられもなく昇り詰めさせられてしまう。

 マリアはぐったりして倒れた。

 頭がぼんやりする。

 ジクムントが顔を寄せてくる。

「……マリア、気持ち良かった」

「わ、私も……っ」

 啄《ついば》むような口づけを繰り返して当然としながら、絶頂を迎えた後の気怠《けだる》さの中を漂うのだった。
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