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第六章 悪女
旬果、皇帝(おとうと)に詰め寄る
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皇帝の私室に近づく旬果たちの姿を認めるなり、女官が前を遮《さえぎ》る。
「いけません。ただいま、陛下は思案の時間でございます」
旬果はうんざりしてしまう。
「ただの昼寝でしょう。どきなさいよ」
「いえ。お通しできませんっ」
「どきなさいって言ってるのよっ!」
旬果が凄めば、気圧された女官はたじろぐ。
旬果たちが瑛景の私室に進めば、扉を思いっきり開く。
瑛景の周りには五人の女官が侍り、その一人が瑛景に膝枕をしていた。
女官たちは、はっとして驚く。
「陛下のお許しがあって、入って来ているのですか!?」
「ここは陛下の私室です。お下がりあれっ!」
旬果は全部、無視した。
どうせここに来てからこっち、旬果に関してろくな噂が流れていないのだ。
(どうせ、悪女になるんだから、どうでも良いわよっ!)
「黙りなさい。すぐに陛下と二人きりにして!」
「なりません」
女官たちがぴーちくぱーちくうるさいが、旬果は無視して瑛景の元まで行くや、その耳をぎゅーっとねじった。
瑛景が、飛び起きた。
「痛ぁっ!」
女官が騒ぐ。
「だ、誰かぁっ! 衛兵を! 賊が陛下に乱暴をぉ!」
旬果は肩をすくめる。
「大袈裟ね。ただ起こしただけじゃない」
女官たちは、悲鳴混じりに訴え続ける。
「陛下が賊に殺されてぇええ――」
出入り口へ走る女官を、泰風が遮る。
「それまでだ」
「ひいいいい!」
女官が尻もちをつく。
そんなやりとりを尻目に、旬果は涙目になって身を起こす瑛景を見る。
「……しゅ、旬果? 今は思案の――」
「話があるの。皆を下がらせなさい」
少し赤くなった耳を押さえ、さすがに動揺したらしい瑛景は、うるさく騒ぎ回る女官たちに退出を促す。
女官たちは、「し、しかし、陛下!」と声を上げるが、瑛景はそれを宥める。
「下がれと申している。朕は大丈夫だ」
そうして女官たちが退出する。誰もが旬果を睨みながら。
(こうしてまたとんでもない噂が捏造されて、流されていくのね。……まあ、今日のことは仕方ないけどね)
身を起こした瑛景は、眉をひそめる。
「姉上。皆の前で、あまりにご無体な真似はお控え下さいませ」
旬果は腰に手を当てた。
「ご無体? あんた、耳をつねられる覚えがあるんじゃない?」
「まさか」
「じゃあ、私に隠してることがあるんじゃないの?」
「ある訳がございません。姉上に隠し事など――」
「洪周と洪将軍の件……そう言えば、思い当たることは?」
瑛景は苦笑する。
「……あぁ、それですか」
「何が、“あぁ、それですか”、よっ! ふざけるんじゃないわよ。あんたが将軍に命じたのは分かってるのよ! 私を姉とか全然思ってないでしょう。それとも、何? 私はあんたの計画が失敗した時の供えだった訳!?」
「そんな訳ありません」
旬果は腕組みをした。
「そうは思えないんだけど?」
「これも全て、姉上を皇后にする為の手段にございます」
「私を殺せと命じたくせによく言うわねっ!」
「姉上、落ち着いて下さい。姉上が疑心暗鬼になるのは分かります。しかしここは宮廷。幾つもの策を張り巡らさなければ、大事はなせないのです」
「あーそう。で?」
今なら何の良心の呵責もなく、瑛景を殴れる自信がある。
瑛景は言う。
「何の為に姉上のお側に、泰風をつけたと? 泰風ほどの腕前の兵士はそういません。姉上への忠節も十分です。泰風がいれば洪将軍から姉上をきっと救って下さる、そう信じていたんです。想像と違って、誰一人として死んではいませんでしたが……」
「は?」
「他の者たちは、死んでくれて良かったのですが……」
「何て言うことを言うのよ!」
瑛景はきょとんとする。
「姉上がそこまで彼女たちと仲を深めていたとは、知りませんでした」
「あいつらは心の底から嫌な奴。だからって死んで良いなんて思わないわよっ!」
「彼女たちが死ねば、姉上を容易に皇后に冊立できますし、彼女たちの背後にいる貴族集団の妨害も少なくて済んだはずです」
「……あんた、最低ね」
心の底から血を分けた肉親を軽蔑する日が来る何て、思いもしなかった。
すると、瑛景はいつものちゃらついた笑みを引っ込めた。
「では姉上は、私に愛想を尽かせて、村に帰られるのですか?」
「どうしてそういう話に……」
「姉上は、貴族どもがどれほど下劣であるかを知らないのです。あの娘たちですら嫌な奴です。その親や親族連中はそれに輪をかけた嫌な奴です。そして権力を掌握しているのです。やろうと思えば、皇帝の首すら容易にすげ替えられる……。姉上。我々はそういう連中と勝負をしようとしているんですよ? どちらが最期まで立っていられるか……。この程度のことで嫌気がさすのであれば、お帰りになられるべきです」
「あ、あんたはどうするのよ……」
「私は皇帝です。一人で何とかします」
捲《まく》し立てられ、旬果はさっきまであった怒りの矛先が鈍る。
「……悪かったわ。確かに私は宮廷《ここ》を甘く見てた……。ただ私が言いたいのは、こんな騙し討ちみたいなことはやめて欲しいってこと。私を信頼して全てを話して。……姉弟なんだから」
「申し訳ありません。しかし姉上に話せば、他の皇后候補を傷つけることは決して了解して頂けないと思ったのです」
「当然じゃない。どうにかしなきゃいけないのは皇后候補じゃなくって、その周囲にいる貴族連中なんでしょ?」
「確かにその通りです……。これからは姉上に事前にお伝えします」
「そうして。二人で話し合えば、もっと良い計画が思いつけるかもしれないし」
瑛景は微笑んだ。
「そうですね」
「……で、瑛景。早速なんだけど洪周と将軍を助けて欲しいの。二人をそそのかしたのはあなたよ。このまま見捨てるなんて。私には出来ない」
瑛景は微笑んだ。
「姉上ならきっとそう仰るだろうと思いました。姉上の存在を印象づけ、洪家兄妹を救える良き方法が、ございます」
「本当に!?」
「しかしこれを無事に運ぶには、姉上に嫌な役回りをしてもらわねばなりません」
「……悪女ね。元より覚悟してるわ」
「良かった」
瑛景は微笑み、紙の束を渡した。
「これ、何?」
「台本です。姉上に最初から完璧な悪女の振る舞いを求めるのは、無理でしょう。私が後宮の者たちを見て、考えて起きました」
「……こ、こんなに?」かなり分厚い紙面をぱらぱらと捲る。「でも、洪周たちを助けることに繋がるのよね……?」
「そうです」
「分かったわ」
旬果はうなずく。
瑛景は微笑み、泰風を見る。
「泰風」
泰風は、その場で拝礼する。
「はっ」
「このたびは姉上をよく助けてくれた。大儀であった」
「当然の務めを果たしたまででございます!」
「引き続き姉上の身辺を守ってくれ」
「はっ」
泰風は力強く返事をした。
「いけません。ただいま、陛下は思案の時間でございます」
旬果はうんざりしてしまう。
「ただの昼寝でしょう。どきなさいよ」
「いえ。お通しできませんっ」
「どきなさいって言ってるのよっ!」
旬果が凄めば、気圧された女官はたじろぐ。
旬果たちが瑛景の私室に進めば、扉を思いっきり開く。
瑛景の周りには五人の女官が侍り、その一人が瑛景に膝枕をしていた。
女官たちは、はっとして驚く。
「陛下のお許しがあって、入って来ているのですか!?」
「ここは陛下の私室です。お下がりあれっ!」
旬果は全部、無視した。
どうせここに来てからこっち、旬果に関してろくな噂が流れていないのだ。
(どうせ、悪女になるんだから、どうでも良いわよっ!)
「黙りなさい。すぐに陛下と二人きりにして!」
「なりません」
女官たちがぴーちくぱーちくうるさいが、旬果は無視して瑛景の元まで行くや、その耳をぎゅーっとねじった。
瑛景が、飛び起きた。
「痛ぁっ!」
女官が騒ぐ。
「だ、誰かぁっ! 衛兵を! 賊が陛下に乱暴をぉ!」
旬果は肩をすくめる。
「大袈裟ね。ただ起こしただけじゃない」
女官たちは、悲鳴混じりに訴え続ける。
「陛下が賊に殺されてぇええ――」
出入り口へ走る女官を、泰風が遮る。
「それまでだ」
「ひいいいい!」
女官が尻もちをつく。
そんなやりとりを尻目に、旬果は涙目になって身を起こす瑛景を見る。
「……しゅ、旬果? 今は思案の――」
「話があるの。皆を下がらせなさい」
少し赤くなった耳を押さえ、さすがに動揺したらしい瑛景は、うるさく騒ぎ回る女官たちに退出を促す。
女官たちは、「し、しかし、陛下!」と声を上げるが、瑛景はそれを宥める。
「下がれと申している。朕は大丈夫だ」
そうして女官たちが退出する。誰もが旬果を睨みながら。
(こうしてまたとんでもない噂が捏造されて、流されていくのね。……まあ、今日のことは仕方ないけどね)
身を起こした瑛景は、眉をひそめる。
「姉上。皆の前で、あまりにご無体な真似はお控え下さいませ」
旬果は腰に手を当てた。
「ご無体? あんた、耳をつねられる覚えがあるんじゃない?」
「まさか」
「じゃあ、私に隠してることがあるんじゃないの?」
「ある訳がございません。姉上に隠し事など――」
「洪周と洪将軍の件……そう言えば、思い当たることは?」
瑛景は苦笑する。
「……あぁ、それですか」
「何が、“あぁ、それですか”、よっ! ふざけるんじゃないわよ。あんたが将軍に命じたのは分かってるのよ! 私を姉とか全然思ってないでしょう。それとも、何? 私はあんたの計画が失敗した時の供えだった訳!?」
「そんな訳ありません」
旬果は腕組みをした。
「そうは思えないんだけど?」
「これも全て、姉上を皇后にする為の手段にございます」
「私を殺せと命じたくせによく言うわねっ!」
「姉上、落ち着いて下さい。姉上が疑心暗鬼になるのは分かります。しかしここは宮廷。幾つもの策を張り巡らさなければ、大事はなせないのです」
「あーそう。で?」
今なら何の良心の呵責もなく、瑛景を殴れる自信がある。
瑛景は言う。
「何の為に姉上のお側に、泰風をつけたと? 泰風ほどの腕前の兵士はそういません。姉上への忠節も十分です。泰風がいれば洪将軍から姉上をきっと救って下さる、そう信じていたんです。想像と違って、誰一人として死んではいませんでしたが……」
「は?」
「他の者たちは、死んでくれて良かったのですが……」
「何て言うことを言うのよ!」
瑛景はきょとんとする。
「姉上がそこまで彼女たちと仲を深めていたとは、知りませんでした」
「あいつらは心の底から嫌な奴。だからって死んで良いなんて思わないわよっ!」
「彼女たちが死ねば、姉上を容易に皇后に冊立できますし、彼女たちの背後にいる貴族集団の妨害も少なくて済んだはずです」
「……あんた、最低ね」
心の底から血を分けた肉親を軽蔑する日が来る何て、思いもしなかった。
すると、瑛景はいつものちゃらついた笑みを引っ込めた。
「では姉上は、私に愛想を尽かせて、村に帰られるのですか?」
「どうしてそういう話に……」
「姉上は、貴族どもがどれほど下劣であるかを知らないのです。あの娘たちですら嫌な奴です。その親や親族連中はそれに輪をかけた嫌な奴です。そして権力を掌握しているのです。やろうと思えば、皇帝の首すら容易にすげ替えられる……。姉上。我々はそういう連中と勝負をしようとしているんですよ? どちらが最期まで立っていられるか……。この程度のことで嫌気がさすのであれば、お帰りになられるべきです」
「あ、あんたはどうするのよ……」
「私は皇帝です。一人で何とかします」
捲《まく》し立てられ、旬果はさっきまであった怒りの矛先が鈍る。
「……悪かったわ。確かに私は宮廷《ここ》を甘く見てた……。ただ私が言いたいのは、こんな騙し討ちみたいなことはやめて欲しいってこと。私を信頼して全てを話して。……姉弟なんだから」
「申し訳ありません。しかし姉上に話せば、他の皇后候補を傷つけることは決して了解して頂けないと思ったのです」
「当然じゃない。どうにかしなきゃいけないのは皇后候補じゃなくって、その周囲にいる貴族連中なんでしょ?」
「確かにその通りです……。これからは姉上に事前にお伝えします」
「そうして。二人で話し合えば、もっと良い計画が思いつけるかもしれないし」
瑛景は微笑んだ。
「そうですね」
「……で、瑛景。早速なんだけど洪周と将軍を助けて欲しいの。二人をそそのかしたのはあなたよ。このまま見捨てるなんて。私には出来ない」
瑛景は微笑んだ。
「姉上ならきっとそう仰るだろうと思いました。姉上の存在を印象づけ、洪家兄妹を救える良き方法が、ございます」
「本当に!?」
「しかしこれを無事に運ぶには、姉上に嫌な役回りをしてもらわねばなりません」
「……悪女ね。元より覚悟してるわ」
「良かった」
瑛景は微笑み、紙の束を渡した。
「これ、何?」
「台本です。姉上に最初から完璧な悪女の振る舞いを求めるのは、無理でしょう。私が後宮の者たちを見て、考えて起きました」
「……こ、こんなに?」かなり分厚い紙面をぱらぱらと捲る。「でも、洪周たちを助けることに繋がるのよね……?」
「そうです」
「分かったわ」
旬果はうなずく。
瑛景は微笑み、泰風を見る。
「泰風」
泰風は、その場で拝礼する。
「はっ」
「このたびは姉上をよく助けてくれた。大儀であった」
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