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18 良薬口に苦し
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私たちは時が経つのも忘れて調香を繰り返した。
調香をしながら、私たちは互いの国の伝統や文化、流行のものについて語り合った。
アビディマ様はよく悪くも最初の壁さえ突破してしまえばとても友好的で、話しやすい。
こういうのは王族にはよく見られる。
警戒心を解くのは大変だけれど、その人のつぼを刺激して壁を突破すれば、驚くほど親しくなれる。
良くも悪くも温室育ちゆえ、だ。
これと比べると、一般人のほうが余程、懐柔するのが大変だ。
気付くと、夕方。
《そろそろ日が暮れますね》
《オリヴィエ、明日も来なさい》
《もちろんでございます。ですが、殿下、今日は仕方ありませんが、明日以降も殿下のための催しが目白押しでございます。どうか、首長国の来訪のために準備してきた王国の人々の善意を汲んで頂けませんでしょうか》
《……しょうがないわね。いいわ。昨日のことはなかったことにしてあげる。でも明日からあなたが私のそばにつきなさい。じゃなきゃ引きこもるから》
《もちろんでございます。では失礼します》
《待ちなさい。あなたを暇つぶしに付き合わせた礼がまだだったわよね?》
《お気を使わずとも》
《いいから受け取りなさい》
傍仕えしていた女官が、両手で持てるくらいの美しい模様の入った箱を差し出してくる。
《ディマン細工……見事ですね。とても一般の市場ではお目にかかれない出来映え……あぁ、すごいわ! これは首長国の国宝級の商人による作ですよね!? 絶対市場には絶対ない品だわ……》
《ふふ、あなた、本当に貴族? まるで商人とでも話しているような気持ちになってくるわ》
《そ、そうですか?》
《開けてみなさい。見る目のあるあなたなら、もっと気に入るはずよ》
言われた通り開けてみれば、中にはクッションが敷かれ、そこに一粒、ピンクがかった真珠が収められていた。
《アビディア・ピンク!! こんな稀少なものを頂けるのですか!?》
《さすが、オリヴィエね。そんなことまで知っているなんて。ふふ、今日のお礼よ》
《感謝いたします。これほど素晴らしいものを……》
我慢しきれなかった私はハンカチで大粒の真珠をつまみ、窓から差し込んでくる夕日の光にかざす。
アビディア・ピンクとは王族に献上される、選りすぐりの真珠。
それは採取される真珠のうち、千粒のうちの数個と言われている。
そのピンクがかった真珠は、現首長がアビディア様の誕生を祝い、そのように呼ぶよう全国に触れを出したのだ。
王族のためだけに献上され、他国への献上品に選ばれるため、市場に出ないことから値段のつけようがない。
《このようなものを頂けたのは光栄でございます。家宝にいたします》
《アハハ、そうなさい! 明日以降も、楽しみにしているわね!》
《おやすみなさい、アビディア様》
深々と頭を下げると、離宮を下がった。
こんな素晴らしいものをもらえたなんて夢みたい。
ロイドはなんて言うかしら。
きっとあの偏屈のへそ曲がりも、さすがに目を瞠って、絶句するはず。
一度でもいいから、最高峰のアビディア・ピンクを見たいって常々言っていたから。
これはその時まで取っておこう。
「オリヴィエ?」
私はその声に振り返った。
「殿下。ごきげんよう。ソウル様も」
「王女殿下に会っていたのか?」
「左様でございます」
「ご機嫌は?」
「無事、直られました。明日以降の行事にはしっかり出席すると確約も頂けました。ただ私も一緒にとの条件付きですが」
「それは良かった。さすがはオリヴィエだ。君ならうまくやってくれると信じていた」
「王妃様から、殿下が私を推薦されたとお伺いしました。どうして私を……?」
「本で様々な国の文化や言葉を習っている君ならば、やってくれると思ったんだ」
「ただそれだけで?」
「そうだ」
そんな風に信頼してもらえることが恥ずかしく、むずがゆくなる。
「……これから帰るのだろう。ソウル、馬車まで送ってくれ」
「かしこまりました。さあ、オリヴィエ嬢、参りましょう」
殿下の顔色が悪いわ。
よく眠れていないのかしら。
ここでミリエルがしくじったことは殿下にとって都合が悪いのでしょうね。
不安に思われるのは当然だわ。
ミリエルのことはどうでもいいけれど──。
「殿下。これからご公務は?」
「今日はこれからいくつか執務がある。それが?」
「でしたら、少し私にお時間を頂けませんか?」
「構わないが……?」
「でしたら、お部屋でお待ち下さい」
私は宮廷医の元へ顔を出すと、常備されている薬草を見せてもらう。
さすがは王室。稀少な薬草でしっかり蓄えられているわね。
私はいくつかの薬草をもらうと厨房で準備をしてから、殿下の元へ向かう。
「お待たせいたしました」
「……一体何をしていたんだ」
「お茶を準備しておりました」
「お茶ならそこに」
「そうではなく、薬草茶です」
「初耳だ」
「東大陸の文化です。あちらでは乾燥させた植物を煮出し、その汁を飲むことで内側から病を治すという考えがあるんです」
「……それも本か」
「左様です。美味しいとは言えませんが、体にはいいのです。殿下はお疲れのようですから、リラックス効果のある薬草茶を準備しました。どうぞ、お飲み下さい」
カップに注ぐ。
殿下はカップを手に取ると、鼻を近づける。
「あまり好ましい香りではないな」
「殿下、毒味を」
殿下は「必要ない」と首を横に振った。
「オリヴィエが淹れたものだ。毒を入れるとでも?」
「まさか。これは手順で……」
「必要ない」
殿下はカップに口をつけるなり、すぐに顔を顰めた。
「良薬口に苦し、と東大陸のほうでは言うそうです。美味しいものではありませんが」
「大丈夫だ。飲み慣れないだけで……」
殿下はぐっと一気に飲み干す。
「体が温まり、眠りが深くなると思います。ですから、決してご無理はなさらないでくださいね。皆が心配します」
「……君もか、オリヴィエ」
「当然です。では失礼いたします。あ、ソウル様の見送りは必要ありませんので。失礼いたします」
部屋を出る。
生まれた時から決められた政略結婚。
私たちの間に愛情はない。
けれど殿下が私に愛想を尽かせ、ミリエルを愛するようになった原因は、間違いなく回帰前の私の愚かさにある。
殿下はする必要もない苦労をしたし、精神的な疲労もあっただろう。
あれが少しでもお詫びになれば良いのだけど。
調香をしながら、私たちは互いの国の伝統や文化、流行のものについて語り合った。
アビディマ様はよく悪くも最初の壁さえ突破してしまえばとても友好的で、話しやすい。
こういうのは王族にはよく見られる。
警戒心を解くのは大変だけれど、その人のつぼを刺激して壁を突破すれば、驚くほど親しくなれる。
良くも悪くも温室育ちゆえ、だ。
これと比べると、一般人のほうが余程、懐柔するのが大変だ。
気付くと、夕方。
《そろそろ日が暮れますね》
《オリヴィエ、明日も来なさい》
《もちろんでございます。ですが、殿下、今日は仕方ありませんが、明日以降も殿下のための催しが目白押しでございます。どうか、首長国の来訪のために準備してきた王国の人々の善意を汲んで頂けませんでしょうか》
《……しょうがないわね。いいわ。昨日のことはなかったことにしてあげる。でも明日からあなたが私のそばにつきなさい。じゃなきゃ引きこもるから》
《もちろんでございます。では失礼します》
《待ちなさい。あなたを暇つぶしに付き合わせた礼がまだだったわよね?》
《お気を使わずとも》
《いいから受け取りなさい》
傍仕えしていた女官が、両手で持てるくらいの美しい模様の入った箱を差し出してくる。
《ディマン細工……見事ですね。とても一般の市場ではお目にかかれない出来映え……あぁ、すごいわ! これは首長国の国宝級の商人による作ですよね!? 絶対市場には絶対ない品だわ……》
《ふふ、あなた、本当に貴族? まるで商人とでも話しているような気持ちになってくるわ》
《そ、そうですか?》
《開けてみなさい。見る目のあるあなたなら、もっと気に入るはずよ》
言われた通り開けてみれば、中にはクッションが敷かれ、そこに一粒、ピンクがかった真珠が収められていた。
《アビディア・ピンク!! こんな稀少なものを頂けるのですか!?》
《さすが、オリヴィエね。そんなことまで知っているなんて。ふふ、今日のお礼よ》
《感謝いたします。これほど素晴らしいものを……》
我慢しきれなかった私はハンカチで大粒の真珠をつまみ、窓から差し込んでくる夕日の光にかざす。
アビディア・ピンクとは王族に献上される、選りすぐりの真珠。
それは採取される真珠のうち、千粒のうちの数個と言われている。
そのピンクがかった真珠は、現首長がアビディア様の誕生を祝い、そのように呼ぶよう全国に触れを出したのだ。
王族のためだけに献上され、他国への献上品に選ばれるため、市場に出ないことから値段のつけようがない。
《このようなものを頂けたのは光栄でございます。家宝にいたします》
《アハハ、そうなさい! 明日以降も、楽しみにしているわね!》
《おやすみなさい、アビディア様》
深々と頭を下げると、離宮を下がった。
こんな素晴らしいものをもらえたなんて夢みたい。
ロイドはなんて言うかしら。
きっとあの偏屈のへそ曲がりも、さすがに目を瞠って、絶句するはず。
一度でもいいから、最高峰のアビディア・ピンクを見たいって常々言っていたから。
これはその時まで取っておこう。
「オリヴィエ?」
私はその声に振り返った。
「殿下。ごきげんよう。ソウル様も」
「王女殿下に会っていたのか?」
「左様でございます」
「ご機嫌は?」
「無事、直られました。明日以降の行事にはしっかり出席すると確約も頂けました。ただ私も一緒にとの条件付きですが」
「それは良かった。さすがはオリヴィエだ。君ならうまくやってくれると信じていた」
「王妃様から、殿下が私を推薦されたとお伺いしました。どうして私を……?」
「本で様々な国の文化や言葉を習っている君ならば、やってくれると思ったんだ」
「ただそれだけで?」
「そうだ」
そんな風に信頼してもらえることが恥ずかしく、むずがゆくなる。
「……これから帰るのだろう。ソウル、馬車まで送ってくれ」
「かしこまりました。さあ、オリヴィエ嬢、参りましょう」
殿下の顔色が悪いわ。
よく眠れていないのかしら。
ここでミリエルがしくじったことは殿下にとって都合が悪いのでしょうね。
不安に思われるのは当然だわ。
ミリエルのことはどうでもいいけれど──。
「殿下。これからご公務は?」
「今日はこれからいくつか執務がある。それが?」
「でしたら、少し私にお時間を頂けませんか?」
「構わないが……?」
「でしたら、お部屋でお待ち下さい」
私は宮廷医の元へ顔を出すと、常備されている薬草を見せてもらう。
さすがは王室。稀少な薬草でしっかり蓄えられているわね。
私はいくつかの薬草をもらうと厨房で準備をしてから、殿下の元へ向かう。
「お待たせいたしました」
「……一体何をしていたんだ」
「お茶を準備しておりました」
「お茶ならそこに」
「そうではなく、薬草茶です」
「初耳だ」
「東大陸の文化です。あちらでは乾燥させた植物を煮出し、その汁を飲むことで内側から病を治すという考えがあるんです」
「……それも本か」
「左様です。美味しいとは言えませんが、体にはいいのです。殿下はお疲れのようですから、リラックス効果のある薬草茶を準備しました。どうぞ、お飲み下さい」
カップに注ぐ。
殿下はカップを手に取ると、鼻を近づける。
「あまり好ましい香りではないな」
「殿下、毒味を」
殿下は「必要ない」と首を横に振った。
「オリヴィエが淹れたものだ。毒を入れるとでも?」
「まさか。これは手順で……」
「必要ない」
殿下はカップに口をつけるなり、すぐに顔を顰めた。
「良薬口に苦し、と東大陸のほうでは言うそうです。美味しいものではありませんが」
「大丈夫だ。飲み慣れないだけで……」
殿下はぐっと一気に飲み干す。
「体が温まり、眠りが深くなると思います。ですから、決してご無理はなさらないでくださいね。皆が心配します」
「……君もか、オリヴィエ」
「当然です。では失礼いたします。あ、ソウル様の見送りは必要ありませんので。失礼いたします」
部屋を出る。
生まれた時から決められた政略結婚。
私たちの間に愛情はない。
けれど殿下が私に愛想を尽かせ、ミリエルを愛するようになった原因は、間違いなく回帰前の私の愚かさにある。
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