全てはあの日から

来栖瑠樺

文字の大きさ
5 / 13
第3章

ルール

しおりを挟む
 「selfish person。頼みがある」
突然freedomが、1人の男を連れてやって来た。
「なんだ」
freedomの後ろにいる男が、1枚の写真を見せる。
「この女について調べろ。名前は志津川ナミエ。俺が、次のターゲットとして殺す女だ」
威圧的な態度で、私を見下ろす男。この男が殺し屋のNo.5のbig attitudeか。
「情報なら、そこにいる男でも調べられるだろ」
私は、freedomを見て言った。
「この男に言ったら、着いてこいって言われてここに来た。いいから調べろ」
なかなか調べない私に、苛立ちを感じているbig attitude。
freedomは何を考えている。私と、わざと目を合わせない。
私は、志津川ナミエをPCで調べ始めた。調べ終えた後、手を止める。
「情報を教えろ」
big attitudeは、すぐに聞いてきた。
「big attitude、お前に志津川ナミエの情報は渡さない」
「は?」
big attitudeは、意味が分からない様子で一瞬間抜けな顔をしていたが、その後怒りの顔に変わる。
「ふざけるな!お前、情報屋でもあるだろ!なんだ、金か!?金が欲しいなら言えよ、希望額渡してやる!!」
「お金はいらない」
「だったら、何を渡せば情報をくれるんだよ!」
「何もいらない。私からは情報を渡さない」
「ふざけるな!freedom!お前が着いてこいって言ったから来たのに、無駄足だったじゃないか!お前が無理な案件かと思って来たのに!」
火の粉はfreedomに向く。その状態でも、freedomは平然としていた。
「俺、無理な案件なんて言ってねえぞ」
freedomなら、簡単に調べられる内容なのに、なんで、わざわざここに来た。
「くそ!おい、そこのアマ!PC見せろ!」
big attitudeの手がPCに伸びて来るのを止めた。そして、奴の手首を握りしめると顔を歪めている。
私は、そのまま話をする。
「情報は渡さないって言っただろう。私にも、情報を渡すか渡さないかの権利はある。ターゲットの情報を知りたいなら、他を当たるんだな」
そして、奴の手首を離した。
すると奴は鼻で笑った。
「どうせ、情報が分からなかったんだろ。なぜNo.1と言われてるか理解できない」
私は、それを聞いて同じように鼻で笑った。
「どう思ってもらってもかまわないが、お前、ずいぶん態度がデカいな。自分が今いる地位のせいか。殺し屋のNo.5は捏造のくせに。笑えるな。本当は殺し屋のレベルは低いのに、お金を積んで今の地位にいるだろ」
それを聞いたbig attitudeは、顔が青くなる。
「な、なぜそれを?!頼む!言わないでくれ!!!」
big attitudeは頭を下げた。私は、冷たい目で見た後にこう言った。
「もう帰れ。ここには、もう来るな」
big attitudeは、急いで帰っていった。
それをfreedomは、笑いながら見ていた。
「あ~、これが顔を青くして帰っていくのか。リアルで見たが、良いものだな」
私は、freedomを一瞥する。
「なぜ、奴を連れて来た」
「あ~、アイツ態度がデカかっただろ。大人気ないけどムカついちまったからよ、お前のところに連れて来た」
「迷惑だ」
「悪かったよ。それより、selfish personは、誰の情報でも渡すわけじゃないんだな。基準はなんだよ」
「・・・・・殺し屋でも情報屋でも自分の中でルールがある。それに反することはしない」
freedomは不思議そうな顔をする。
「どんなルールだ?」
「そこまで言う必要はない。freedomも、もう帰れ」
「ああ。お前のことが1つ分かって嬉しいよ」
そう言って帰っていった。 

 freedomが帰った後、big attitudeが、不正で今の地位にいることを本部に報告した。今後のアイツは、本来の地位になるだろう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

二十年以上無視してきた夫が、今さら文通を申し込んできました

小豆缶
恋愛
「お願いです。文通から始めてもらえませんか?」 二十年以上会話もなかった夫――この国の王が、ある日突然そう言ってきた。 第一王妃マリアは、公爵家出身の正妃。だが夫はかつて、寵愛する第三王妃の話のみを信じ、彼女を殴ったことがある。その事件が原因で、マリアは男性恐怖症が悪化して、夫と二人きりでは会話すらできなくなっていた。 それから二十年。 第三王妃はとある事故で亡くなり、夫は反省したらしい。だからといって――今さら夫婦関係をやり直したいと言われても遅すぎる。 なのに王は諦めない。毎日の手紙。花を一輪。夜食の差し入れ。 不器用すぎる求愛に振り回されるうち、マリアの中で止まっていた感情が少しずつ動き始める。 これは、冷えきった政略夫婦が「文通」からやり直す恋の話。 ※本作は「存在されていないことにされていた管理ギフトの少女王宮で真の家族に出会う」のスピンオフですが、単体で読めます。

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

王子様への置き手紙

あおき華
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯ 小説家になろうにも掲載しています。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

処理中です...