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第4章
実行
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「やっと決行する気になったんだね。殺す前に感謝してほしいな」
「感謝?」
忍は、怪訝な表情をしながら、銃を取り出し私に向ける。
「だって、そうじゃない?5年もかかってるのに、証拠がないからって言って、私を殺そうとしない。捏造することもない。それを聞いたとき、自分を殺すのは、いつになるんだろうって思ったよ。だから、私から行動して梨香を殺した。婚約者を殺せば、そのまま怒りで殺してくれるかと思ってね。予想通り今から殺す気になったでしょ。やっと復讐が果たせるね。だから、感謝してほしいなと思った」
「・・・・・そうだな。それは感謝しよう」
そう言って、忍は銃の引き金を引いた。そのまま何度も引き金を引く。銃弾が切れるまで撃ち続けるのか。今までの銃弾は、腕、足、お腹などに当たっている。残り1発のときに撃つのを止めた。
「おい、なんで反撃しない?」
「逆に・・なんでするの?私を・・・殺したいんでしょ?反撃されて・・・・・怪我を負うか・・最悪死ぬよ?」
「もういい、最後に言い残すことは?」
「・・・へえ。復讐の相手に・・・そんな優しい言葉・・・・かけてくれるだね。前から思ってたけど・・・・・忍って優しい」
「・・・早く言え」
私のことが憎いくせに、最後まで優しい。
優しいことはいいことだろうけど、それに押しつぶされないないようにね。
私の思う最後にならないでほしいな。
「・・・自暴自棄・・に・・・ならないように」
その言葉を聞いた忍は困惑していたが、そのまま引き金を引いた。最後の銃弾は、胸に当たり私は倒れた。
***
俺は、また知らないメールアドレスから廃工場に呼び出された。差出人は矢口麻衣だ。
添付ファイルに婚約者の梨香が、拘束されている写真も付いている。
俺は、婚約者の無事を祈りながら、廃工場に向かった。
矢口麻衣。今度は何をするつもりだ。
廃工場に着くと、拘束されているだけで、怪我はしてない梨香を見てホッとした。
矢口麻衣は、俺達が婚約者同士なのを知っていた。そして、俺と梨香は幸せか?本当に愛はあるのか?と聞いた。
突然何を聞いてるんだと思った。俺と梨香はお互い愛はあると答えると、銃を取り出し、梨香の頭に向けた。そして、梨香の犯罪を口にして証拠を提示した。
正直信じられなかったが、梨香は、言い逃れできないと思ったようで罪を認めた。
梨香との時間が嘘だと思いたくない。
でも、そう思っているのは俺だけで、梨香は、犯罪がバレたとしか思ってない。今まで見せてた梨香の可愛らしい姿はどこにもなかった。
そのとき、矢口麻衣は、梨香がこの女を睨んで叫んでいる言葉の後に、「それが最後の言葉でいいよね」と言って梨香を殺した。
俺は、しばらく呆然としていたが、我に返り、梨香に駆け寄り名前を呼んだが反応はない。当たり前だ。死んでいるのだから。頭では分かっていても、涙がすぐには止まらなかった。
顔を上げ、矢口麻衣を見ると不思議そうな顔をしている。
そして、兄のときと同じように泣くんだなと言われる。
この女は、大切な人を失ったことがないんだろう。
イカれた女だ。
しかし、この女を殺すことができる状態になった。
女に銃弾を撃ち続けたが、反撃は何もしてこない。
それに最後に言い残すことは?と聞くと優しいと言われ、自暴自棄にならないようにと言った。
その言葉が、矢口麻衣の最後の言葉だ。
結局、この女が考えていることを理解することはできなかった。
やっと敵討ちができた。それだけで満足だ。
動かない矢口麻衣の遺体を見て、高揚感に浸る。
「本当に実行したんだな」
後ろから声が聞こえ、振り向くと知らない男が立っている。
男は、矢口麻衣の遺体を悲しそうに見た後、俺を睨みつけた。
この男は誰だ?
「感謝?」
忍は、怪訝な表情をしながら、銃を取り出し私に向ける。
「だって、そうじゃない?5年もかかってるのに、証拠がないからって言って、私を殺そうとしない。捏造することもない。それを聞いたとき、自分を殺すのは、いつになるんだろうって思ったよ。だから、私から行動して梨香を殺した。婚約者を殺せば、そのまま怒りで殺してくれるかと思ってね。予想通り今から殺す気になったでしょ。やっと復讐が果たせるね。だから、感謝してほしいなと思った」
「・・・・・そうだな。それは感謝しよう」
そう言って、忍は銃の引き金を引いた。そのまま何度も引き金を引く。銃弾が切れるまで撃ち続けるのか。今までの銃弾は、腕、足、お腹などに当たっている。残り1発のときに撃つのを止めた。
「おい、なんで反撃しない?」
「逆に・・なんでするの?私を・・・殺したいんでしょ?反撃されて・・・・・怪我を負うか・・最悪死ぬよ?」
「もういい、最後に言い残すことは?」
「・・・へえ。復讐の相手に・・・そんな優しい言葉・・・・かけてくれるだね。前から思ってたけど・・・・・忍って優しい」
「・・・早く言え」
私のことが憎いくせに、最後まで優しい。
優しいことはいいことだろうけど、それに押しつぶされないないようにね。
私の思う最後にならないでほしいな。
「・・・自暴自棄・・に・・・ならないように」
その言葉を聞いた忍は困惑していたが、そのまま引き金を引いた。最後の銃弾は、胸に当たり私は倒れた。
***
俺は、また知らないメールアドレスから廃工場に呼び出された。差出人は矢口麻衣だ。
添付ファイルに婚約者の梨香が、拘束されている写真も付いている。
俺は、婚約者の無事を祈りながら、廃工場に向かった。
矢口麻衣。今度は何をするつもりだ。
廃工場に着くと、拘束されているだけで、怪我はしてない梨香を見てホッとした。
矢口麻衣は、俺達が婚約者同士なのを知っていた。そして、俺と梨香は幸せか?本当に愛はあるのか?と聞いた。
突然何を聞いてるんだと思った。俺と梨香はお互い愛はあると答えると、銃を取り出し、梨香の頭に向けた。そして、梨香の犯罪を口にして証拠を提示した。
正直信じられなかったが、梨香は、言い逃れできないと思ったようで罪を認めた。
梨香との時間が嘘だと思いたくない。
でも、そう思っているのは俺だけで、梨香は、犯罪がバレたとしか思ってない。今まで見せてた梨香の可愛らしい姿はどこにもなかった。
そのとき、矢口麻衣は、梨香がこの女を睨んで叫んでいる言葉の後に、「それが最後の言葉でいいよね」と言って梨香を殺した。
俺は、しばらく呆然としていたが、我に返り、梨香に駆け寄り名前を呼んだが反応はない。当たり前だ。死んでいるのだから。頭では分かっていても、涙がすぐには止まらなかった。
顔を上げ、矢口麻衣を見ると不思議そうな顔をしている。
そして、兄のときと同じように泣くんだなと言われる。
この女は、大切な人を失ったことがないんだろう。
イカれた女だ。
しかし、この女を殺すことができる状態になった。
女に銃弾を撃ち続けたが、反撃は何もしてこない。
それに最後に言い残すことは?と聞くと優しいと言われ、自暴自棄にならないようにと言った。
その言葉が、矢口麻衣の最後の言葉だ。
結局、この女が考えていることを理解することはできなかった。
やっと敵討ちができた。それだけで満足だ。
動かない矢口麻衣の遺体を見て、高揚感に浸る。
「本当に実行したんだな」
後ろから声が聞こえ、振り向くと知らない男が立っている。
男は、矢口麻衣の遺体を悲しそうに見た後、俺を睨みつけた。
この男は誰だ?
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