物語！

迷惑だ！

ある村に一人の男がいた。

その男はよくとてもイライラしていた。

あいつが迷惑をかける。こいつがこんなことをしてくる。

そんなことをいつも考えていた。

男は、ある時は、迷惑をかけてきた相手に対し、大きな声で怒鳴った。

そして、またあるときは、気分が悪そうに他人を睨んで嫌がらせをする。

何人からかは嫌われていたが、全員ではなく、大きな不自由はなく暮らしていた。


そんなある日のこと、男の元に一人訪ねてくる。

「なんだお前は？」

「僕はあなたを助けにきました。」

「何をしてくれると言うんだ。」

「迷惑をかけてくるものを消してしまう。そんな方法です。」

「聞かせてくれ。」

「服に紙を貼るんです。そこには悪いことをするななど。それを書けば大丈夫でしょう。」

「迷惑をかけるものは居なくなります。」

「そんなので本当に居なくなるのか？」

「今までのことを考えてみてください。」

「あなたはそうならないための対策を、何もせずに迷惑をかけられてきたんですよね。」
　
「言われてみればそうだったかもしれない。」
　
「それなら、これをすれば解決するでしょう。」

男はその日から、紙に　俺に迷惑をかけるな　と書いて、背中に貼ることにした。

数日後‥。

男はまたあの教えたものにあった。

「効果あったぞ。迷惑をかけてくるやつが少なくなった。」

男は大きく笑って言う。

「それは良かった。」

しかし、心の中で思う。

まだまだ迷惑をかけてくるやつらが沢山いるからな。

もっと追加で色々書いて迷惑かけるのを辞めさせないとな。


それから、男はいつの日にか孤立した。

────────

二人の男が話していた。

「迷惑をかけないで欲しい。その先に待つものは何か、分かりますか？」

「分かりません。」

「そうですか。これは僕の一つの答えですが、孤立です。」

「孤立とは‥？」

「誰かに迷惑をかけられたくない。それなら、人と関わらなければいい。

分かりやすい話でしょう。」

「なるほど‥。」

「人と関われば、自分、もしくは相手が必ず一方に迷惑をかけることになる。だからこそ、その原因となる人と関わらなければいいんです。」

「彼はそれを望んだ。それが本当に望ましいことかどうか‥彼が実際にそのみを持って体験していることでしょう。」