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三日目
人捜し⑧
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「わかったぞ二人共!」
木製の扉を、飛んで行ってしまうんじゃないかってくらいに激しく開けて、嬉しそうな顔をした藤沢が恵那たちの方に向かってくる。
何がわかったのか、まずそこからわからなくて、恵那もリュウもキョトンとした表情に変わっていた。
ギスギスした空気を感じ取っていない藤沢は、二人が困っているのとかは関係なく、その先を言いたそうにしている。
恵那は、あまりにも藤沢が会話したそうだったので、待っているであろう言葉を口にすることにした。
「藤沢さん、一体何がわかったんですか」
「よくぞ聞いてくれたな。マルナたちが、この山小屋に接触することができた理由だよ」
「そういえば、それで頭を抱えてましたよね」
「そうなんだよ、これまでにない例だったからさ。最初はマルナだけの特殊能力だと思ってたけど、まさか二人目が現れるなんてな」
藤沢はリュウを指差して、君が二人目だよと言わんばかりにニヤついている。藤沢なりに、この問題が解決できているみたいで、変に上機嫌だ。
指を差されているリュウが、話に割って入る形で声を出す。
「ちょっと待ってください。色々話す前に、まず恵那のことをマルナって呼んでるんですか?」
「リュウ、そこはどうでもいいでしょ」
「ああ、丸井恵那だから、略してマルナだ。変かな?」
「いや、マルナって誰のことかわからなかったので。すいません、話の腰折っちゃって」
どうでもいいことに引っかかったリュウのせいで、恵那は呆れるように溜息をついた。
それでも藤沢は、気を取り直して話を続けようとしている。
テンポを狂わされても、依然として自分のペースで話ができる藤沢に、恵那は尊敬の念を抱いてしまう。
「浮遊霊にしか見えないこの山カフェが、マルナたちには見える。ということは、二人にしかない共通点があるということだ」
「まあ、そうなりますよね。私とリュウ以外は、この山小屋が見えないはずですから」
「そう……そこで俺なりに考えたんだけど、ズバリ、二人が住んでる地域が影響しているんじゃないか!?」
「……は?」
恵那とリュウは顔を見合わせて、首を傾げながら気の抜けた声を出した。
重なった二人の声が、思っていた反応とは違ったために、藤沢は逆に困惑しているみたいだ。
それだけで、的外れなことを言ってしまったと察した藤沢は、強引に笑って誤魔化した。
「ハハハ……な、なんちゃってな」
「藤沢さん、今日はいつもよりも調子が悪そうですね」
「バ、バカ野郎! もしかしたら、お前らの住んでる地域に特殊な空気が流れているかもしれないだろが!」
「そ、そんなこと言ったら、結構人住んでますよ。私たちの地域」
「ま、まあな。だから、冗談だって……」
木製の扉を、飛んで行ってしまうんじゃないかってくらいに激しく開けて、嬉しそうな顔をした藤沢が恵那たちの方に向かってくる。
何がわかったのか、まずそこからわからなくて、恵那もリュウもキョトンとした表情に変わっていた。
ギスギスした空気を感じ取っていない藤沢は、二人が困っているのとかは関係なく、その先を言いたそうにしている。
恵那は、あまりにも藤沢が会話したそうだったので、待っているであろう言葉を口にすることにした。
「藤沢さん、一体何がわかったんですか」
「よくぞ聞いてくれたな。マルナたちが、この山小屋に接触することができた理由だよ」
「そういえば、それで頭を抱えてましたよね」
「そうなんだよ、これまでにない例だったからさ。最初はマルナだけの特殊能力だと思ってたけど、まさか二人目が現れるなんてな」
藤沢はリュウを指差して、君が二人目だよと言わんばかりにニヤついている。藤沢なりに、この問題が解決できているみたいで、変に上機嫌だ。
指を差されているリュウが、話に割って入る形で声を出す。
「ちょっと待ってください。色々話す前に、まず恵那のことをマルナって呼んでるんですか?」
「リュウ、そこはどうでもいいでしょ」
「ああ、丸井恵那だから、略してマルナだ。変かな?」
「いや、マルナって誰のことかわからなかったので。すいません、話の腰折っちゃって」
どうでもいいことに引っかかったリュウのせいで、恵那は呆れるように溜息をついた。
それでも藤沢は、気を取り直して話を続けようとしている。
テンポを狂わされても、依然として自分のペースで話ができる藤沢に、恵那は尊敬の念を抱いてしまう。
「浮遊霊にしか見えないこの山カフェが、マルナたちには見える。ということは、二人にしかない共通点があるということだ」
「まあ、そうなりますよね。私とリュウ以外は、この山小屋が見えないはずですから」
「そう……そこで俺なりに考えたんだけど、ズバリ、二人が住んでる地域が影響しているんじゃないか!?」
「……は?」
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重なった二人の声が、思っていた反応とは違ったために、藤沢は逆に困惑しているみたいだ。
それだけで、的外れなことを言ってしまったと察した藤沢は、強引に笑って誤魔化した。
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