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「着いたぞ。ここが俺の家だ。まぁくつろいでいきな」
譲二さんは木造の古い家に一人暮らしだった。シャワーを浴びて着替えた譲二さんは、油で汚れた年季の入ったキッチンに立ち、僕のために夕食を作りはじめる。
その間に僕もシャワーを浴びて、労働の汗を洗い流し、譲二さんに借りたブカブカのTシャツを着て居間に行くと、畳の上の低いテーブルの上に既にご馳走が沢山並べられていた。
「ほら、しっかり食べろよ。そんな細い身体じゃ心配だ」
そう言って譲二さんは新鮮なイカで作った天ぷらを大量に僕の前にドンと置く。
「わー、美味しそう! いただきます!」
僕は歓声を上げつつも、目線はイカの天ぷら、じゃなくて、譲二さんの体に注がれていた。
着替えた譲二さんは、浴衣一枚の格好だった。
下着は苦しいからつけないらしい。
畳の上に立て膝で、男らしく寛ぐ譲二さんの足の付け根の奥が見えそうで見えなくて、僕はさっきからチラチラと気になって。
譲二さんは、欠けた茶碗にコポコポと日本酒を豪快に注ぐと、もぐもぐとイカの天ぷらを食べてる僕の顔を眺めながら、酒をグイッとあおる。
「リト、お前、男の子なのに別嬪な顔してるんだな」
既に酔っているのか、機嫌良さそうに譲二さんは笑う。
「別嬪?」
「そう。美人って意味」
譲二さんに美人と言われた僕は、譲二さんの隣に移ると、日本酒の重い一升瓶を持ち上げて、「どうぞ」と譲二さんの茶碗に注ぐ。
「お、こんな別嬪に酌をしてもらって俺は幸せだな」
ますます、譲二さんはニコニコ顔になる。
「ねぇ、お兄さん……」
「ん?」
僕は目の前の獲物を驚かせないように、慎重にそろりそろりと、美味しそうな肉体に近づくと、今晩のご馳走の譲二さんの胡座の上に腰をおろし、厚い胸板にもたれかかる。
「おい、リト。重いぞ」
譲二さんは戸惑うようにして笑う。
気にせずに僕はハンサムな日焼けした譲二さんの顔を見上げて、ここぞとばかりに、
「ねぇ……、僕にキスして……」
と、うるうるとした瞳で、ねだるようにそう言うと、譲二さんはちょっとびっくりした顔をして、はっと呼吸を止める。
「おいおい、リト。何を言ってるんだ」
「ねぇ、お願い」
「リト……」
瞳を閉じて、僕の赤い唇を突き出すようにして、譲二さんに向けると、譲二さんは一瞬戸惑ってから、それから、ぼくの魅力に抗えずに、思わず僕の顎をとり、恐る恐る唇を重ねる。
「ん……んん…」
ぐにゃりとした譲二さんの舌が僕の口の中に入り込み、捕らえた僕の舌を絡めるようにして吸い取る。
「う……んっ……リト………」
「ハアッ……ハアッ……ハアッ………んんんっ………」
最初は探るようだった譲二さんのキスは、だんだんと積極的になっていった。力強い譲二さんのキスだけで、気持ちよくて、僕は快感でぼうっと気が遠くなる。
二人の唇が離れると、銀色の糸が、ツーと引いた。
「なんだか、リトとこんな事してるなんて、まるで夢みたいだな……」
「うん。これは夢だよ。だから僕のカラダに好きなコトをしていいんだよ。お兄さん……」
譲二さんのはだけた浴衣の胸元に、そっと手をのばす。眩しいくらいの厚い大胸筋をエロテイックに、ツーーッと優しく撫でると、ゴクリ……と、譲二さんの喉が鳴った。
「そうか、これは夢なのか……」
譲二さんは、トロンと酔った瞳でそう言うと、僕を畳の上にドサッと押し倒す。
古びた畳の香りが鼻を突いた。
(よし!獲物がかかったぁぁ!!!)
僕は心の中でガッッポーズを決める。
「これは…夢の…中だ……」
酔った譲二さんの右手は急くようにして、僕のブカブカのTシャツを捲り上げる。
「あん……焦らないで……」
かなり酔いのまわった譲二さんの手が乱暴に僕からTシャツを剥ぎ取ると、生まれたままの姿になった僕の体を、譲二さんはうっとりとした顔で撫で回して、恍惚の表情を浮かべる。
「本当に、この世のものとは思えないほど、別嬪だなリトは… なんだか、綺麗過ぎて怖いくらいだ」
うん。僕は人間じゃないからね。
僕がニッコリと小悪魔の笑顔で微笑むと、譲二さんは再びゴクリと生唾を飲み込む。
譲二さんは木造の古い家に一人暮らしだった。シャワーを浴びて着替えた譲二さんは、油で汚れた年季の入ったキッチンに立ち、僕のために夕食を作りはじめる。
その間に僕もシャワーを浴びて、労働の汗を洗い流し、譲二さんに借りたブカブカのTシャツを着て居間に行くと、畳の上の低いテーブルの上に既にご馳走が沢山並べられていた。
「ほら、しっかり食べろよ。そんな細い身体じゃ心配だ」
そう言って譲二さんは新鮮なイカで作った天ぷらを大量に僕の前にドンと置く。
「わー、美味しそう! いただきます!」
僕は歓声を上げつつも、目線はイカの天ぷら、じゃなくて、譲二さんの体に注がれていた。
着替えた譲二さんは、浴衣一枚の格好だった。
下着は苦しいからつけないらしい。
畳の上に立て膝で、男らしく寛ぐ譲二さんの足の付け根の奥が見えそうで見えなくて、僕はさっきからチラチラと気になって。
譲二さんは、欠けた茶碗にコポコポと日本酒を豪快に注ぐと、もぐもぐとイカの天ぷらを食べてる僕の顔を眺めながら、酒をグイッとあおる。
「リト、お前、男の子なのに別嬪な顔してるんだな」
既に酔っているのか、機嫌良さそうに譲二さんは笑う。
「別嬪?」
「そう。美人って意味」
譲二さんに美人と言われた僕は、譲二さんの隣に移ると、日本酒の重い一升瓶を持ち上げて、「どうぞ」と譲二さんの茶碗に注ぐ。
「お、こんな別嬪に酌をしてもらって俺は幸せだな」
ますます、譲二さんはニコニコ顔になる。
「ねぇ、お兄さん……」
「ん?」
僕は目の前の獲物を驚かせないように、慎重にそろりそろりと、美味しそうな肉体に近づくと、今晩のご馳走の譲二さんの胡座の上に腰をおろし、厚い胸板にもたれかかる。
「おい、リト。重いぞ」
譲二さんは戸惑うようにして笑う。
気にせずに僕はハンサムな日焼けした譲二さんの顔を見上げて、ここぞとばかりに、
「ねぇ……、僕にキスして……」
と、うるうるとした瞳で、ねだるようにそう言うと、譲二さんはちょっとびっくりした顔をして、はっと呼吸を止める。
「おいおい、リト。何を言ってるんだ」
「ねぇ、お願い」
「リト……」
瞳を閉じて、僕の赤い唇を突き出すようにして、譲二さんに向けると、譲二さんは一瞬戸惑ってから、それから、ぼくの魅力に抗えずに、思わず僕の顎をとり、恐る恐る唇を重ねる。
「ん……んん…」
ぐにゃりとした譲二さんの舌が僕の口の中に入り込み、捕らえた僕の舌を絡めるようにして吸い取る。
「う……んっ……リト………」
「ハアッ……ハアッ……ハアッ………んんんっ………」
最初は探るようだった譲二さんのキスは、だんだんと積極的になっていった。力強い譲二さんのキスだけで、気持ちよくて、僕は快感でぼうっと気が遠くなる。
二人の唇が離れると、銀色の糸が、ツーと引いた。
「なんだか、リトとこんな事してるなんて、まるで夢みたいだな……」
「うん。これは夢だよ。だから僕のカラダに好きなコトをしていいんだよ。お兄さん……」
譲二さんのはだけた浴衣の胸元に、そっと手をのばす。眩しいくらいの厚い大胸筋をエロテイックに、ツーーッと優しく撫でると、ゴクリ……と、譲二さんの喉が鳴った。
「そうか、これは夢なのか……」
譲二さんは、トロンと酔った瞳でそう言うと、僕を畳の上にドサッと押し倒す。
古びた畳の香りが鼻を突いた。
(よし!獲物がかかったぁぁ!!!)
僕は心の中でガッッポーズを決める。
「これは…夢の…中だ……」
酔った譲二さんの右手は急くようにして、僕のブカブカのTシャツを捲り上げる。
「あん……焦らないで……」
かなり酔いのまわった譲二さんの手が乱暴に僕からTシャツを剥ぎ取ると、生まれたままの姿になった僕の体を、譲二さんはうっとりとした顔で撫で回して、恍惚の表情を浮かべる。
「本当に、この世のものとは思えないほど、別嬪だなリトは… なんだか、綺麗過ぎて怖いくらいだ」
うん。僕は人間じゃないからね。
僕がニッコリと小悪魔の笑顔で微笑むと、譲二さんは再びゴクリと生唾を飲み込む。
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