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星影のセレナーデ
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翌日、ずくずくと痛む体が、昨日の夜の出来事が事実だったと、美雨は思い知らされていた。
先輩のいない空のベッドを眺めていると、次々と涙があふれて来る。
どうやったら、先輩と過ごした、あの楽しかった日々に戻れるのか、考えても考えても答えは出なかった。
あんな酷い事をされても、先輩の事はキライになれなかった。
ーー「美雨」と優しく僕の名前を呼ぶ先輩の声は、まだ僕の心の中で甘く響いてる……
その日も先輩は部屋に帰って来なかった。まるで見捨てられた捨て猫のように惨めな気分で、先輩が隣りにいないベッドは、悲しくて、冷たくて……
いっそのこと、荷物をまとめて自室に戻ろうかと、そう考えもしたけれど、それをしたら、先輩とは永遠にお別れになってしまう気がして、美雨はぐずぐずと先輩の部屋にしがみつくように居座った。
結局、あの日から三日経って、ようやく先輩は部屋に戻ってきた。
部屋にいた美雨の顔を見ると、先輩はとても驚いたような顔をしたから、(やっぱり出て行った方が良かったのかな… )と美雨は少し後悔したけれど、"出ていけ" と言われるまで居座ってやる!と急に気を大きくして、何事も無かったように、先輩の前で振る舞った。
机の上にいつものように勉強道具を広げると、
「美雨、今日は勉強は自分でしなさい。解らないところがあれば、教えてあげるから」
そう言って、先輩は美雨から少し離れたところに座って本を読み始める。
『美雨とはもう距離を置く』
視線すら合わせない先輩の全身が、そう物語っていた。
「はい……」
涙が出そうだったけれど、それでも先輩と同じ空間にいられるだけでも幸せだと、自分に言い聞かせて、勉強を始める。
夜、寝るときは、同じ部屋の別々のベッドに分かれて眠った。
勇気を出して、
「先輩、お休みなさい」
と部屋の向こう側のベッドにいる先輩の背中に声をかけると、
「お休み、美雨」
昔みたいに優しい先輩の声が返ってきて、その声を聞くと、美雨は胸がいっぱいになって、
タオルケットを頭から被って声も出さずに泣いた。
先輩の体はすぐ近くにあるのに、今は心は遠く離れてる。でも、まだどこかに希望の欠片があるような気がして、美雨は手探りでそれを必死に探り求めた。
次の日の夕方、図書館と本館の間の渡り廊下を歩いていた美雨は、中庭の奥の林に、ふと、見覚えのある人影を見つけた。
窓から目を凝らすと、それは先輩と、寮長の篠山先輩……?
二人は何やら真剣な顔で話し合っていたけど、やがて先輩は少し怒ったような顔をして、篠山先輩の顔に手を伸ばし、顔を寄せてキスをした。
「!!!!!!」
それを見ていた美雨は驚いて駆け出す。
あの二人はカップルで、僕はお邪魔虫だったんだ!
全てを悟った気がした。
部屋に駆け込むと、美雨はタオルケットを被ってベッドの上でシクシクと泣き出す。
もう何もかもが元に戻らない……
先輩の気持ちなんて、最初から僕には無かったんだ!
探し求めていた希望の欠片は粉々に砕け散って、何処かへと飛んでいって、消えた。
気がつくと、いつの間にか、泣きつかれて眠ってしまっていたらしい。
夜に帰ってきた先輩が部屋のドアをバタンと開ける音で、美雨は目を覚ました。
先輩はシャワーを浴びると、トランクス一枚で向こうのベッドに横になる。
月の光に照らされた部屋には、先輩がいつも使うシャワージェルのシトラスの大人の香りで満ちた。
「美雨、起きてる?」
「……はい」
「明日、自分の部屋に帰りなさい」
その言葉を聞いた瞬間、
「やだ!」
と大きな声で美雨は叫んでいた。
「やだ! やだ! 先輩と離れるのはやだ!」
泣きながら、先輩のベッドに駆け寄ると、
ガバッと先輩の体の上に覆い被さる。
「美雨?! こら、降りなさい!」
「やだ!」
美雨は叫ぶと、先輩のトランクスをずり落ろして、大きな陰茎を引きずり出すと、口のなかにパクリと咥えこむ。
「美雨! 何してるんだ!」
先輩の抗議など耳に入れずに、じゅぶっじゅぶっと口から出し入れすると、やがてそれは硬く起き上がってきた。
「美雨……」
涙を流しながら、一生懸命に口で扱いていると、やがて先輩の雄芯は熱をもってパンパンに膨れ上がる。弾けそうになる寸前で口から出すと、先輩の上に跨いで、芯の根元を押さえ、自分の蕾のところへと導いて押し込もうと試みる。
「っうう、先輩… 」
まだ固く閉じているそこは、先輩の雄芯を弾いて頑なに通さなかった。
ひっくひっくと泣きじゃくりながら、先輩のペニスを握りしめてへたり込む美雨を見て、先輩が体を起こすと、
「先輩、行っちゃ、やだ!」
美雨は必死でしがみつく。
「美雨」
よしよし、と先輩は宥めるように美雨の頭を撫で、美雨の体を抱きしめたまま、体勢を入れ替えて、自分の腕の下に組み敷く。
「全く困った子だね。せっかく我慢してたのに、また美雨を抱きたくなっちゃうじゃないか」
そう言って、ブラウンのサラサラの髪の毛を、色っぽくかきあげると、涙でぐしゃぐしゃになった美雨の顔に、優しくキスをする。
先輩の、最高にハンサムで整った顔に見つめられて、美雨の体の奥が、きゅんと疼く。
「先輩、僕を抱いて…… 」
「美雨のワガママには永遠に敵わないな」
先輩は再び美雨の唇にキスを落とすと、美雨の両脚の間に入り込んで、その真っ白な肌を押し開いた。
先輩のいない空のベッドを眺めていると、次々と涙があふれて来る。
どうやったら、先輩と過ごした、あの楽しかった日々に戻れるのか、考えても考えても答えは出なかった。
あんな酷い事をされても、先輩の事はキライになれなかった。
ーー「美雨」と優しく僕の名前を呼ぶ先輩の声は、まだ僕の心の中で甘く響いてる……
その日も先輩は部屋に帰って来なかった。まるで見捨てられた捨て猫のように惨めな気分で、先輩が隣りにいないベッドは、悲しくて、冷たくて……
いっそのこと、荷物をまとめて自室に戻ろうかと、そう考えもしたけれど、それをしたら、先輩とは永遠にお別れになってしまう気がして、美雨はぐずぐずと先輩の部屋にしがみつくように居座った。
結局、あの日から三日経って、ようやく先輩は部屋に戻ってきた。
部屋にいた美雨の顔を見ると、先輩はとても驚いたような顔をしたから、(やっぱり出て行った方が良かったのかな… )と美雨は少し後悔したけれど、"出ていけ" と言われるまで居座ってやる!と急に気を大きくして、何事も無かったように、先輩の前で振る舞った。
机の上にいつものように勉強道具を広げると、
「美雨、今日は勉強は自分でしなさい。解らないところがあれば、教えてあげるから」
そう言って、先輩は美雨から少し離れたところに座って本を読み始める。
『美雨とはもう距離を置く』
視線すら合わせない先輩の全身が、そう物語っていた。
「はい……」
涙が出そうだったけれど、それでも先輩と同じ空間にいられるだけでも幸せだと、自分に言い聞かせて、勉強を始める。
夜、寝るときは、同じ部屋の別々のベッドに分かれて眠った。
勇気を出して、
「先輩、お休みなさい」
と部屋の向こう側のベッドにいる先輩の背中に声をかけると、
「お休み、美雨」
昔みたいに優しい先輩の声が返ってきて、その声を聞くと、美雨は胸がいっぱいになって、
タオルケットを頭から被って声も出さずに泣いた。
先輩の体はすぐ近くにあるのに、今は心は遠く離れてる。でも、まだどこかに希望の欠片があるような気がして、美雨は手探りでそれを必死に探り求めた。
次の日の夕方、図書館と本館の間の渡り廊下を歩いていた美雨は、中庭の奥の林に、ふと、見覚えのある人影を見つけた。
窓から目を凝らすと、それは先輩と、寮長の篠山先輩……?
二人は何やら真剣な顔で話し合っていたけど、やがて先輩は少し怒ったような顔をして、篠山先輩の顔に手を伸ばし、顔を寄せてキスをした。
「!!!!!!」
それを見ていた美雨は驚いて駆け出す。
あの二人はカップルで、僕はお邪魔虫だったんだ!
全てを悟った気がした。
部屋に駆け込むと、美雨はタオルケットを被ってベッドの上でシクシクと泣き出す。
もう何もかもが元に戻らない……
先輩の気持ちなんて、最初から僕には無かったんだ!
探し求めていた希望の欠片は粉々に砕け散って、何処かへと飛んでいって、消えた。
気がつくと、いつの間にか、泣きつかれて眠ってしまっていたらしい。
夜に帰ってきた先輩が部屋のドアをバタンと開ける音で、美雨は目を覚ました。
先輩はシャワーを浴びると、トランクス一枚で向こうのベッドに横になる。
月の光に照らされた部屋には、先輩がいつも使うシャワージェルのシトラスの大人の香りで満ちた。
「美雨、起きてる?」
「……はい」
「明日、自分の部屋に帰りなさい」
その言葉を聞いた瞬間、
「やだ!」
と大きな声で美雨は叫んでいた。
「やだ! やだ! 先輩と離れるのはやだ!」
泣きながら、先輩のベッドに駆け寄ると、
ガバッと先輩の体の上に覆い被さる。
「美雨?! こら、降りなさい!」
「やだ!」
美雨は叫ぶと、先輩のトランクスをずり落ろして、大きな陰茎を引きずり出すと、口のなかにパクリと咥えこむ。
「美雨! 何してるんだ!」
先輩の抗議など耳に入れずに、じゅぶっじゅぶっと口から出し入れすると、やがてそれは硬く起き上がってきた。
「美雨……」
涙を流しながら、一生懸命に口で扱いていると、やがて先輩の雄芯は熱をもってパンパンに膨れ上がる。弾けそうになる寸前で口から出すと、先輩の上に跨いで、芯の根元を押さえ、自分の蕾のところへと導いて押し込もうと試みる。
「っうう、先輩… 」
まだ固く閉じているそこは、先輩の雄芯を弾いて頑なに通さなかった。
ひっくひっくと泣きじゃくりながら、先輩のペニスを握りしめてへたり込む美雨を見て、先輩が体を起こすと、
「先輩、行っちゃ、やだ!」
美雨は必死でしがみつく。
「美雨」
よしよし、と先輩は宥めるように美雨の頭を撫で、美雨の体を抱きしめたまま、体勢を入れ替えて、自分の腕の下に組み敷く。
「全く困った子だね。せっかく我慢してたのに、また美雨を抱きたくなっちゃうじゃないか」
そう言って、ブラウンのサラサラの髪の毛を、色っぽくかきあげると、涙でぐしゃぐしゃになった美雨の顔に、優しくキスをする。
先輩の、最高にハンサムで整った顔に見つめられて、美雨の体の奥が、きゅんと疼く。
「先輩、僕を抱いて…… 」
「美雨のワガママには永遠に敵わないな」
先輩は再び美雨の唇にキスを落とすと、美雨の両脚の間に入り込んで、その真っ白な肌を押し開いた。
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