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嗣春編
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ベッドルームに移ると、薄暗い明かりの下で尊はベッドの端に腰掛け、少し恥ずかしそうにゆっくりと着ていた上着を脱ぐ。ぼんやりと浮かび上がる真っ白な肌。
その絹のように滑らかな肌を見下ろしながら、嗣春も自身の服を脱いでゆく。
二人とも緊張しているかのように、押し黙ったままだった。
一体、なぜこんな状況になったのか…
嗣春にはまったく想像もつかなかった。
あの日、俺の手で激しく陵辱された尊は、その悍ましい行為に心底、震え、怯えきっていた。快楽なんてものは何一つ感じていなかった筈だ。
なのに、今日また自分に抱かれたいと言い出す。一体、どんな企みがそこにあるのか?
尊は俺に全てを差し出した。その上、自分の体まで差し出して、一体、尊が得られるものは何なのか?
考えても答えが出ない以上、こんな行為はやめるべきだと分かっているのに、尊の艶めかしい肌から視線を外す事は出来なかった。
やがて、尊はズボンのポケットにそっと手を入れると、小さなボトルを取り出し、枕の下に滑らせる。
あの中身は恐らくローションなのだろう。
ついこの間まで男同士の性交の知識など無いに等しかった尊が、どんな事を想像しながらあれを用意したのかと考えると、嗣春のペニスははちきれそうになり、もう我慢が出来なかった。
まだ服を脱いでいる途中の尊の身体を荒々しくベッドに押し倒す。
「あ!」
驚いて小さく悲鳴をあげた尊の唇を、今度は嗣春が塞ぐ。
急くような嗣春の熱い舌は尊の唇をこじ開けると、ぬちゅりと深く奥までそれを差し込み、まるで生き物のように動き回って尊の柔らかい舌先を捕らえ、思い切り吸い上げる。
「あ、ああっ……」
艶やかな喘ぎ声が尊の小さな唇から漏れ、嗣春はその華奢な身体を力一杯に抱きしめると、尊もおずおずと細い腕を嗣春の首に回した。
初々しくぎこちない尊の動作が余計に嗣春を燃え立たせる。
唇を重ね、甘い蜜を啜りながら、嗣春の指先は下へ下へと伸び、尊のズボンへと到達すると、器用にベルトを外し、引き剥がすようにして、尊の身体から取り払うと、自分の衣服も急いで脱いで、再び尊と肌を重ねる。
ガラス細工のように華奢な尊の身体を押し潰して壊さないように気遣いながら、吸い尽くような真っ白な肌を夢中で撫で回し、唇を寄せ、反応を確かめる。
さっきまで緊張していた尊も、うっとりとした表情を見せ、強請るように、腰を嗣春に押し付けてきていた。
それを見て、もう直ぐにでも尊の中へと入りたかったが、堪えて慎重に尊の身体を解しにかかる。
中指を優しくそっと後孔に差し込むと、この間の痛みを思い出したのか、ビクッと一瞬、尊の瞳が怯える。
「すまない。今日は怖い思いをさせない」
嗣春は安心させるように、尊の唇にキスを与えると、一度、指を抜き、既にやんわりと立っていた尊のペニスを握り締める。
「今夜は快楽だけを与えてやる」
耳元でそう囁くと、手のひらの中の尊のペニスを優しく扱いてやる。
「っあ……あぁ……」
艶めかしい音色が尊の唇から零れ、ゆらゆらと腰が淫らに揺れる。
「お前の身体はどこもかしこも綺麗だな」
感嘆しながらそう囁くと、尊は恥ずかしそうに嗣春にしがみつき、喘ぎながら夢中で腰を揺らし続ける。
性にまだ未熟で、僅かの刺激だけでも反応してしまう尊は、あっという間に高みへと登る。
「もう……出…そ…う……」
泣きそうな声で尊は訴えると、嗣春の手から逃れようとする。
「遠慮するな。俺の手の中で出していい」
嗣春は逃げようとする尊を押さえるように抱えながら、強くペニスを擦ると、ひくんひくんと尊の身体は震え出して、先端に蜜がじんわりと溢れ出す。
「気持ち…いい…… いきそ…う…っ。あぁっ…… 父…さ…ん……あぁ……もっと……し…て……」
思わず尊の口からこぼれ落ちた思いがけない言葉に、一瞬、嗣春の手が止まる。
「尊、今何て言った……?」
嗣春の問いに、しまった!といった表情を見せて、尊は思わず手で自分の口を塞ぐ。
「お前、親父とそういう関係だったのかよ……」
不審そうな嗣春の視線に、尊は目一杯に首を横に振る。
「ち、違う! 僕が一方的に慕っていただけです!父さんは決してそんな人じゃない!」
「お前は俺に抱かれたいんじゃなくて、本当は親父の血が入った人間なら誰でも良かったんじゃないのか?」
カマをかけたつもりだったが、どうやら図星だったらしく、尊の顔はみるみると青ざめる。
やっと、尊が俺に抱かれたい理由が分かった。けれど、その真実は知りたくは無かった。
結局、尊の視界には俺なんて端から入っていなかったのだ。
嗣春はため息をつくと、尊の上から降り、ゴロンと横になる。
「義…兄さん……?」
「全く、興醒めだ。セックスの最中に他の男の名前を呼ぶ人間を抱く趣味はない。いいからもう寝ろ」
そう言うと、嗣春は鼾をかいてさっさと寝てしまった。
その絹のように滑らかな肌を見下ろしながら、嗣春も自身の服を脱いでゆく。
二人とも緊張しているかのように、押し黙ったままだった。
一体、なぜこんな状況になったのか…
嗣春にはまったく想像もつかなかった。
あの日、俺の手で激しく陵辱された尊は、その悍ましい行為に心底、震え、怯えきっていた。快楽なんてものは何一つ感じていなかった筈だ。
なのに、今日また自分に抱かれたいと言い出す。一体、どんな企みがそこにあるのか?
尊は俺に全てを差し出した。その上、自分の体まで差し出して、一体、尊が得られるものは何なのか?
考えても答えが出ない以上、こんな行為はやめるべきだと分かっているのに、尊の艶めかしい肌から視線を外す事は出来なかった。
やがて、尊はズボンのポケットにそっと手を入れると、小さなボトルを取り出し、枕の下に滑らせる。
あの中身は恐らくローションなのだろう。
ついこの間まで男同士の性交の知識など無いに等しかった尊が、どんな事を想像しながらあれを用意したのかと考えると、嗣春のペニスははちきれそうになり、もう我慢が出来なかった。
まだ服を脱いでいる途中の尊の身体を荒々しくベッドに押し倒す。
「あ!」
驚いて小さく悲鳴をあげた尊の唇を、今度は嗣春が塞ぐ。
急くような嗣春の熱い舌は尊の唇をこじ開けると、ぬちゅりと深く奥までそれを差し込み、まるで生き物のように動き回って尊の柔らかい舌先を捕らえ、思い切り吸い上げる。
「あ、ああっ……」
艶やかな喘ぎ声が尊の小さな唇から漏れ、嗣春はその華奢な身体を力一杯に抱きしめると、尊もおずおずと細い腕を嗣春の首に回した。
初々しくぎこちない尊の動作が余計に嗣春を燃え立たせる。
唇を重ね、甘い蜜を啜りながら、嗣春の指先は下へ下へと伸び、尊のズボンへと到達すると、器用にベルトを外し、引き剥がすようにして、尊の身体から取り払うと、自分の衣服も急いで脱いで、再び尊と肌を重ねる。
ガラス細工のように華奢な尊の身体を押し潰して壊さないように気遣いながら、吸い尽くような真っ白な肌を夢中で撫で回し、唇を寄せ、反応を確かめる。
さっきまで緊張していた尊も、うっとりとした表情を見せ、強請るように、腰を嗣春に押し付けてきていた。
それを見て、もう直ぐにでも尊の中へと入りたかったが、堪えて慎重に尊の身体を解しにかかる。
中指を優しくそっと後孔に差し込むと、この間の痛みを思い出したのか、ビクッと一瞬、尊の瞳が怯える。
「すまない。今日は怖い思いをさせない」
嗣春は安心させるように、尊の唇にキスを与えると、一度、指を抜き、既にやんわりと立っていた尊のペニスを握り締める。
「今夜は快楽だけを与えてやる」
耳元でそう囁くと、手のひらの中の尊のペニスを優しく扱いてやる。
「っあ……あぁ……」
艶めかしい音色が尊の唇から零れ、ゆらゆらと腰が淫らに揺れる。
「お前の身体はどこもかしこも綺麗だな」
感嘆しながらそう囁くと、尊は恥ずかしそうに嗣春にしがみつき、喘ぎながら夢中で腰を揺らし続ける。
性にまだ未熟で、僅かの刺激だけでも反応してしまう尊は、あっという間に高みへと登る。
「もう……出…そ…う……」
泣きそうな声で尊は訴えると、嗣春の手から逃れようとする。
「遠慮するな。俺の手の中で出していい」
嗣春は逃げようとする尊を押さえるように抱えながら、強くペニスを擦ると、ひくんひくんと尊の身体は震え出して、先端に蜜がじんわりと溢れ出す。
「気持ち…いい…… いきそ…う…っ。あぁっ…… 父…さ…ん……あぁ……もっと……し…て……」
思わず尊の口からこぼれ落ちた思いがけない言葉に、一瞬、嗣春の手が止まる。
「尊、今何て言った……?」
嗣春の問いに、しまった!といった表情を見せて、尊は思わず手で自分の口を塞ぐ。
「お前、親父とそういう関係だったのかよ……」
不審そうな嗣春の視線に、尊は目一杯に首を横に振る。
「ち、違う! 僕が一方的に慕っていただけです!父さんは決してそんな人じゃない!」
「お前は俺に抱かれたいんじゃなくて、本当は親父の血が入った人間なら誰でも良かったんじゃないのか?」
カマをかけたつもりだったが、どうやら図星だったらしく、尊の顔はみるみると青ざめる。
やっと、尊が俺に抱かれたい理由が分かった。けれど、その真実は知りたくは無かった。
結局、尊の視界には俺なんて端から入っていなかったのだ。
嗣春はため息をつくと、尊の上から降り、ゴロンと横になる。
「義…兄さん……?」
「全く、興醒めだ。セックスの最中に他の男の名前を呼ぶ人間を抱く趣味はない。いいからもう寝ろ」
そう言うと、嗣春は鼾をかいてさっさと寝てしまった。
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