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魔王 2
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翔視点
「翔、柚に飲ませてあげて」
「ふにー…」
「もう吸う力も残ってなさそうだな。今日だけ練習無しな」
適当にその辺にあったコップに腕を切って出てきた血液を入れ、柚の口元に当てた。
「これで飲めるか?」
「んくっ」
喉を鳴らして上手に飲み込んでいった。
「ぷはぁ」
「お腹いっぱいになったか?」
「うん!!」
柚は少食なのかコップ一杯で満足してしまう。
その後おやつなのか色んな人にオネダリすることはあってもそのオネダリも一日2回程度。
「お…俺のコップ…」
「悪い、弟の食事用に借りた」
隣の席のやつだったらしい。
まぁいいか。
「弟…?」
「うゅ?はじめましてー」
にこにこ笑顔で対応する柚。
可愛いけどそんなに愛嬌を振りまくんじゃない。
「柚帰るぞ」
「はぁい」
「紹介は!?俺コップ使われただけ!?」
「知るか」
柚が眠くなる前に家に帰らないといけないんだ。
あのベッドに寝かせなければ…。
俺達の家は吸血鬼族の中でも特殊。
それ故に狙われることも多い。
柚は…言い方は悪いが我が家の弱点だ。
まだ吸血鬼になったばかりの赤ん坊に等しい存在。
誘拐も容易く素直に信じてしまう性格の柚は騙されてしまうかもしれない。
「ふぁぁ…」
「眠いか?家に帰るまで頑張れるか?」
「んぅ~…」
無理だな。
抱えたまま寝かせるか。
「母さん、何かあったら頼む」
「えぇ。任せてちょうだい」
実は魔法の腕は母さんの方が上だったりする。
母さんは失われたはずの古代魔法から禁術魔法まで使えるからな。
「どこまでやっていいのかしら?お掃除は誰がやるの?」
「その辺は考えなくてもいい。追ってこないようにしてもらえればそれで」
「分かったわ。木っ端微塵にしておくわね」
そうは言ってない。
一々物騒なのが我が家の考えなのか?
…確かに俺も柚に手を出されたら理性など残らない。
「すぅ…くぅ…」
「あらあら。お兄ちゃんにしがみついて寝ちゃうだなんて」
「ぬいぐるみ落としそうだな…母さん取ってやってくれ」
「…あら?」
思ったより力強く握っていた。
「そんなに離したくないの?」
「ぬいぐるみは柚のお気に入りだからな。それだけは毎日大切にしているぞ」
「んー」
母さんにお揃いの服を作ってもらってから更に気に入った気がするがな。
ぬいぐるみの数増えてたし。
「んー…」
「ふふ、可愛いわ。何時間でも見ていられる…」
俺の上着を離さなくなり布団の代わりに上着を掛けた。
「うー…ゅっ…ふぅ…」
適当に漏れ出る声が…可愛い。
「翔、柚に飲ませてあげて」
「ふにー…」
「もう吸う力も残ってなさそうだな。今日だけ練習無しな」
適当にその辺にあったコップに腕を切って出てきた血液を入れ、柚の口元に当てた。
「これで飲めるか?」
「んくっ」
喉を鳴らして上手に飲み込んでいった。
「ぷはぁ」
「お腹いっぱいになったか?」
「うん!!」
柚は少食なのかコップ一杯で満足してしまう。
その後おやつなのか色んな人にオネダリすることはあってもそのオネダリも一日2回程度。
「お…俺のコップ…」
「悪い、弟の食事用に借りた」
隣の席のやつだったらしい。
まぁいいか。
「弟…?」
「うゅ?はじめましてー」
にこにこ笑顔で対応する柚。
可愛いけどそんなに愛嬌を振りまくんじゃない。
「柚帰るぞ」
「はぁい」
「紹介は!?俺コップ使われただけ!?」
「知るか」
柚が眠くなる前に家に帰らないといけないんだ。
あのベッドに寝かせなければ…。
俺達の家は吸血鬼族の中でも特殊。
それ故に狙われることも多い。
柚は…言い方は悪いが我が家の弱点だ。
まだ吸血鬼になったばかりの赤ん坊に等しい存在。
誘拐も容易く素直に信じてしまう性格の柚は騙されてしまうかもしれない。
「ふぁぁ…」
「眠いか?家に帰るまで頑張れるか?」
「んぅ~…」
無理だな。
抱えたまま寝かせるか。
「母さん、何かあったら頼む」
「えぇ。任せてちょうだい」
実は魔法の腕は母さんの方が上だったりする。
母さんは失われたはずの古代魔法から禁術魔法まで使えるからな。
「どこまでやっていいのかしら?お掃除は誰がやるの?」
「その辺は考えなくてもいい。追ってこないようにしてもらえればそれで」
「分かったわ。木っ端微塵にしておくわね」
そうは言ってない。
一々物騒なのが我が家の考えなのか?
…確かに俺も柚に手を出されたら理性など残らない。
「すぅ…くぅ…」
「あらあら。お兄ちゃんにしがみついて寝ちゃうだなんて」
「ぬいぐるみ落としそうだな…母さん取ってやってくれ」
「…あら?」
思ったより力強く握っていた。
「そんなに離したくないの?」
「ぬいぐるみは柚のお気に入りだからな。それだけは毎日大切にしているぞ」
「んー」
母さんにお揃いの服を作ってもらってから更に気に入った気がするがな。
ぬいぐるみの数増えてたし。
「んー…」
「ふふ、可愛いわ。何時間でも見ていられる…」
俺の上着を離さなくなり布団の代わりに上着を掛けた。
「うー…ゅっ…ふぅ…」
適当に漏れ出る声が…可愛い。
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