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おねがい 2

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柊二視点

「全くこの子は…」
「にゅー?」
撫でてと言わんばかりに手に頭を擦り付けてきた。
洋服は仕立て直すしかないか…これ元に戻るのかな。
勝手に言霊使って胸作って…。
「柚は男の子なんだよ?」
「そうだよー?」
「男の子はふにふにないんだよ?」
「ぼくあるよー」
「勝手に作っちゃったんでしょ…」
「ぱぱがままのふにふにくれないもん」
僕のせいだと!?
…いやでも雫の胸は元々僕ので…。
「男性体で胸ある淫魔って…」
「ぼくいんまちがうーきゅーけつきっ!!」
「今はね」
元淫魔でも…いややっぱりおかしい。
「めー?」
「めっだよ」
「なんでー?」
「…なんでって言われると困るな…珍しいからだよ」
「めずらしいのだめー?」
「連れていかれちゃうよ?」
「ふぇ?」
もうそれで通そう。
本当は言霊の方がかなりレアだけど。
「珍しい子は欲しくなっちゃう人がいーっぱいいるから連れていかれちゃうんだよ?もうおうちに帰って来れなくなるよ?」
「やだ…」
「じゃあ戻せる?」
「わかんないの…ふぇ…ぼくめずらしいなっちゃった…つれてかれちゃう…やぁ!!」
「…パパが何とかしてあげるから泣かないで。もう勝手なことしちゃダメだよ?珍しいなるの嫌でしょ?」
「や…」
ぎゅーっと抱きついてきたが今までと違って柔らかいものが…って違う。
相手は息子だ息子…娘じゃない。

























「…柚?」
「なぁに?」
すっかり女の子になってるんだけど。
メイドの仕業か?
胸が膨らんだからって女児用の服を着せなくても…。
「ぼくかわいい?」
「可愛いよ」
「かわいいのすきっ!!」
変な方向に教育されなければいいか…。
僕達がずっと注意してあげられるわけじゃないし向こうにも使用人残して来ちゃったからな…。
「そろそろ帰らないとまずいか…」
「にゅ?ぱぱおでかけするのー?ぼくもいくっ!!」
「柚も?とっても遠いんだよ?」
「とおいー?」
「ねんねしてもまだつかないくらいには」
「にゅー…おうちいる」
「うん、待ってて」
向こうの荷物まとめてこっちに引っ越すか。
影渡りを使えば1日で引っ越し出来るはず。
「柚、使用人増えるからね」
「ほんと!?いっぱいかわいいしてくれる!?」
メイドっ!!
本当にうちの息子に何やってるんだ!!
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