普通の学生だった〜番外編。「吸血鬼」

かーにゅ

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柚琉くんのカトラリーの使い方 1

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柚琉視点

「ふぁぁ…!!」
「そんなに嬉しいの?」
ママのお部屋に行ったら…机いっぱいにおやつが置いてあった。
「厨房から柚用のおやつって預かったのよ。せっかくだからアフタヌーンティー様に飾り付けさせてもらったわ」
「たべる!!」
ケーキがいっぱいだぁ!!
3段のやつにはミニケーキとクッキー、スコーンが。
お皿にはタルトとパイが。
小さめのカップにはキラキラのゼリー。
「のせて!!はやく!!はやくのせて!!」
僕はママに向かって手を伸ばした。
「はいはい。落ち着いて食べるのよ?」
僕のお椅子(クッション3個重ね)に座らされた。
「はーやーくー!!」
「柚?今日はフォークの使い方も覚えましょうね」
「ふぇ?」
「今日のケーキにはクリームもあるからいつものようにおててで食べると汚れてしまうでしょう?」
おてて…ダメ?
「ほら、これを使うのよ」
むー。
ママが持っているのはいつもご飯の時に一緒に置かれているねこちゃんのフォークとわんちゃんのスプーン。
使わなきゃダメ?
にぃにならおててで食べても何も言わないのに…(それはいつもが出来うる限り汚れないように計算された食事だからです)。
「食べたいでしょう?」
いつものようにお口を開けてみた。
「…可愛いけれど今日はダメなの。ごめんなさいね…」
ママが食べさせてくれない!?
ふにゅぅ…。
「…がんばる…」
フォークを握って…刺してみた。
「…できた?」
「えぇ。でも大きいままよ?」
…ほんとだ。
お皿に乗せられた桃のタルトに刺してみたけど…おっきいまま。
いつもの食べさせてくれるのと全然違う。
「にゅ…」
「そこまではまだ難しいものね。ちゃんと握れているようだしそこまでにしましょうか」
ママが刺さっていたのを抜いて小さく切り分けてくれた。
ひとぞくって変なことするんだね。
僕ずーっとあーんってするもん。
僕できないもん。
「まま、あっちも!!」
「はいはい。あなた達も食べましょう?」
「「「「はい」」」」
メイドさん達も一緒にもぐもぐした。
美味しいのはみんなで食べるともっと美味しくなるの。
…でも…。
「たべたいのに…おなかいっぱいなっちゃった…」
「…また作ってもらいましょうね」
…桃いっぱいだったのに。
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