普通の学生だった〜番外編。「吸血鬼」

かーにゅ

文字の大きさ
108 / 345

ちーずふぉんでゅ 1

しおりを挟む
柚琉視点

「ふぁぁ!!」
「柚ちゃんと座っているのよ?」
「ちょんちょんするのはにぃにと一緒にやろうね」
「はやく!!はやく!!」
目の前には小さなお鍋。
とろとろのチーズがいっぱい入ってるの!!
「柚は最初何がいいかな」
「ういんな!!」
「じゃあやるよ」
長い棒に刺さったウインナーをチーズに入れた。
「柚?もう離していいんだよ?」
「や。いっぱい」
「…全部つけるの?」
「ん!!」
チーズの中にウインナーが隠れた。
「ふーふーして食べようね」
夏にぃにが棒からウインナーを外してちょっとカットして僕にフォークを持たせた。
「ふー、ふー!!」
「柚は猫舌だもの。この料理は不向きだったかもしれないわね」
「チョコフォンデュは冷えてるんだっけ」
「ふー!!」
「柚、にぃにがふーふーするね。柚はトマトでも食べて待ってて」
「おやさいやっ」
「…トマトも嫌いだっけ?」
「生がダメなのよ。加工してあれば大丈夫みたい」
「そうなの?…はい。こっちの冷めたからこれ食べててね」
「うん!!」
「…アレ出してあげて。確か作ってたはずよね?」
「はい」
ママはメイドさんに何か言ってた。
ういんなーおいちー。
「柚はこっちにしましょうね」
「う?」
ママは僕の前に何かを置いた。
「…ミニサイズの鍋?なんかマグカップぐらいの大きさしかないけど」
「下のコンロは保温程度しか温度が上がらないようになっているの。上の鍋の中身の温度を常に柚が食べられる熱さに保つために柊二と作ってたのよ」
「子供用の鍋ってこと?」
「正しくは柚用ね」
…これ僕の?
チーズない…。
「こっちの鍋から少し移すからちょうどいい温度になるまで待っててちょうだいね」
「これ鍋用の台?」
「コンロに手が触れないようにするためよ。熱で溶けない素材で出来ているし触っても火傷しないのよ。鍋の縁まで覆うように作ったし火傷の心配はないわ」
「柚だけでも出来るようになってるんだね。これいいね」
「にゅ?」
これ僕のお鍋?
猫ちゃんのお鍋…。
(カバーの柄が猫ちゃんなのである。鍋の縁の辺りのカバーに手足が描かれておりコンロを隠すカバーと組み合わせるとまるで鍋を猫が抱えているような見た目になるのだ)
「ままありがと!!」
「ふふ。どういたしまして」
いっぱいちーずふぉんでゅ食べる!!
「お野菜も食べてね?」
「やっ」
しおりを挟む
感想 195

あなたにおすすめの小説

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

ヴァレンツィア家だけ、形勢が逆転している

狼蝶
BL
美醜逆転世界で”悪食伯爵”と呼ばれる男の話。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

一日だけの魔法

うりぼう
BL
一日だけの魔法をかけた。 彼が自分を好きになってくれる魔法。 禁忌とされている、たった一日しか持たない魔法。 彼は魔法にかかり、自分に夢中になってくれた。 俺の名を呼び、俺に微笑みかけ、俺だけを好きだと言ってくれる。 嬉しいはずなのに、これを望んでいたはずなのに…… ※いきなり始まりいきなり終わる ※エセファンタジー ※エセ魔法 ※二重人格もどき ※細かいツッコミはなしで

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

処理中です...