148 / 345
詳細 2
しおりを挟む
雫視点
眠ってしまった柚を夏が抱き抱えて連れていった。
「人魚の城に…あったにしては濡れてないのね」
「人魚って言ってもずっと水の中にいるわけじゃないし昔ほど地上も危険視されてないから城の半分くらいは地上と同じようになってんだよ。そこに書庫があるんだ」
「行ってみたいわね」
「そうだね。今度旅行で行こうか」
「まぁ嬉しい」
「…誰かからの紹介とかないと入れねーけど?」
「凛がいるからって事じゃない?」
「俺かよ」
それにしても…この本に書いてあるのは見た目もバラバラなのね。
エルフに猫人にこれは…。
「人魚だよ。絶世の美女って言われてた……俺のひいひいひいひいひいひいばっさま。ひいひい…もういいやめんどい。夫が死んだ後あとを追うように亡くなったんだ」
「まぁ…」
…凛さんがいるということはその時お子さんもいたのよね?
子供を残して逝くだなんて…辛いわ。
「…じっさまの話では特定の伴侶を持ったその種族のやつは伴侶が亡くなると後を追うらしい。…なんか愛されるって言っても他者からの愛を受け付けなくなるのかどんどん痩せていくんだってよ」
柚に伴侶を作ってはダメね。
そんな悲しい死に方…させたくないもの。
「…伴侶…後追い……まだ先のことだと思うけど…夏が退室してある意味良かったかもね」
「夏は柚のこと番にしたいってずっと言ってたもんね。自分が柚の寿命を決めることになるって知ったら…」
「さすがに可哀想だよな…」
「でも知らせないと怒るのよね」
「そうだね。『柚の事なのになんでにぃにである夏が知らないの!!』って。前に学校にいるからって呼ばなかった時も怒られたし」
…柚が居ない時に話しましょうか。
今は…多分柚を寝かしつけているから離れられないわよね。
柚ったら夏と一緒に寝る時は全身で夏にくっついてしっぽを咥えて離さないって言ってたもの。
「…雫?そのエルフが気になるの?そのページでずっと止まってるけど…」
「いいえ。ちょっと考え事をしていただけよ」
…私は柚が生涯の伴侶にしたいと思った人を連れてきた時どのような選択をとるのかしら。
柚の愛?
それとも…柚の命をとるの?
眠ってしまった柚を夏が抱き抱えて連れていった。
「人魚の城に…あったにしては濡れてないのね」
「人魚って言ってもずっと水の中にいるわけじゃないし昔ほど地上も危険視されてないから城の半分くらいは地上と同じようになってんだよ。そこに書庫があるんだ」
「行ってみたいわね」
「そうだね。今度旅行で行こうか」
「まぁ嬉しい」
「…誰かからの紹介とかないと入れねーけど?」
「凛がいるからって事じゃない?」
「俺かよ」
それにしても…この本に書いてあるのは見た目もバラバラなのね。
エルフに猫人にこれは…。
「人魚だよ。絶世の美女って言われてた……俺のひいひいひいひいひいひいばっさま。ひいひい…もういいやめんどい。夫が死んだ後あとを追うように亡くなったんだ」
「まぁ…」
…凛さんがいるということはその時お子さんもいたのよね?
子供を残して逝くだなんて…辛いわ。
「…じっさまの話では特定の伴侶を持ったその種族のやつは伴侶が亡くなると後を追うらしい。…なんか愛されるって言っても他者からの愛を受け付けなくなるのかどんどん痩せていくんだってよ」
柚に伴侶を作ってはダメね。
そんな悲しい死に方…させたくないもの。
「…伴侶…後追い……まだ先のことだと思うけど…夏が退室してある意味良かったかもね」
「夏は柚のこと番にしたいってずっと言ってたもんね。自分が柚の寿命を決めることになるって知ったら…」
「さすがに可哀想だよな…」
「でも知らせないと怒るのよね」
「そうだね。『柚の事なのになんでにぃにである夏が知らないの!!』って。前に学校にいるからって呼ばなかった時も怒られたし」
…柚が居ない時に話しましょうか。
今は…多分柚を寝かしつけているから離れられないわよね。
柚ったら夏と一緒に寝る時は全身で夏にくっついてしっぽを咥えて離さないって言ってたもの。
「…雫?そのエルフが気になるの?そのページでずっと止まってるけど…」
「いいえ。ちょっと考え事をしていただけよ」
…私は柚が生涯の伴侶にしたいと思った人を連れてきた時どのような選択をとるのかしら。
柚の愛?
それとも…柚の命をとるの?
2
あなたにおすすめの小説
ルームメイトが釣り系男子だった件について
perari
BL
ネット小説家として活動している僕には、誰にも言えない秘密がある。
それは——クールで無愛想なルームメイトが、僕の小説の主人公だということ。
ずっと隠してきた。
彼にバレないように、こっそり彼を観察しながら執筆してきた。
でも、ある日——
彼は偶然、僕の小説を読んでしまったらしい。
真っ赤な目で僕を見つめながら、彼は震える声でこう言った。
「……じゃあ、お前が俺に優しくしてたのって……好きだからじゃなくて、ネタにするためだったのか?」
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
一日だけの魔法
うりぼう
BL
一日だけの魔法をかけた。
彼が自分を好きになってくれる魔法。
禁忌とされている、たった一日しか持たない魔法。
彼は魔法にかかり、自分に夢中になってくれた。
俺の名を呼び、俺に微笑みかけ、俺だけを好きだと言ってくれる。
嬉しいはずなのに、これを望んでいたはずなのに……
※いきなり始まりいきなり終わる
※エセファンタジー
※エセ魔法
※二重人格もどき
※細かいツッコミはなしで
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる