普通の学生だった〜番外編｡「吸血鬼」

お昼寝… 1

柚琉視点

｢うにゃ…うぅ…にゃぅ…｣
｢…ん…柚…どうしたの…？怖い夢でも見た…？｣
｢にぃ…｣
僕は隣にいた夏にぃにに抱きついた｡
｢あのね…おばけさんいたの…｣
｢お化け？柚の夢に出てきたの？｣
｢うん…とってもこわいだったの…｣
｢…結界どっか壊れたかな？兄さんに見直すように頼んでおくね｡にぃに達と一緒にいればおばけさん来ないから大丈夫だよ｣
｢ほんと…？｣
｢ほんと｣
でも夢の中では来たよ？
僕のこと食べちゃうぞって｡
いっぱい走って逃げたけどお化けさんずっと近くにいたの｡
｢…寝汗かいちゃったね｡お着替えしようか｣
｢…にゅ｣
｢まだ眠い？｣
｢でも…おばけさん…｣
｢にぃにが結界張っててあげる｡お化けさん来たらにぃにがえいえいって倒してあげるから大丈夫｣
にぃには僕を自分の体の上に乗せると背中をぽんぽん優しく叩いてくれた｡
だんだんと目が閉じちゃう…｡
やだよ…お化けさん来るのやだ…｡
にぃに助けてくれるの？
お化けさんえいえいしてくれる？
｢…ぅ…｣
｢おやすみ｡もっと楽しい夢が見られるといいね｣
楽しいの…｡
にぃにといっぱい遊ぶ夢がいいな…｡
それでね…おやつも一緒に食べるの…｡
…くぅ｡