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幼稚園 1

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柚琉視点

「たもつくんちっちゃぁい」
「そりゃそうだろ。ゆずくらいの時なんだから」
「ぼく…?たもつくんいっさいなの?」
「あ…そうだったな。この写真は3歳の時。幼稚園の遠足で撮ったんだ」
「あら親子遠足の写真?懐かしいわね」
「柚もアルバム見たいの?柚のならママ今持ってるわよ」
「ほんと!?」
「えぇ」
ママの前の机にどさどさっと5冊くらいご本が置かれた。
「これでもまだ1部なのよね…」
「「これで!?」」
「もう柚が可愛くて…写真もたくさん撮ったけどやっぱり選べないのよ。気がついたらひと月に1冊は作ってたわね~」
「まま、ようちえんってなぁに?」
「柚みたいなちっちゃい子が行くところよ。そういえば魔族には幼稚園なんて無かったわね」
「ぼくもいきたい。えんそくいく!!」
「遠足ならママたちが連れて行ってあげるわよ?」
「やーや!!ようちえん!!」
「ゆずちゃん。幼稚園はね、入りたいって言って入れるものじゃないのよ。…これからだと…来年になっちゃうわね」
「やぁや!!」
僕も幼稚園行くの!!
遠足いくー!!
やだやだってバタバタしてたらママが抱っこしてくれた。
「仕方ないわねぇ…」
「まま…?」
「私立の幼稚園に空きがないか探してみるわね。…でも柚のことだから何ヶ月も通ってられないと思うわよ?」
「ままありがと!!」
僕も幼稚園行ける?
行けるの?
「ゆずちゃんママ。幼稚園なら入園準備があるのよ?」
「…入園準備?」
「子供の布団カバーとか持ち物全てに名前書いたりとか…」
「…物なら揃えられるし人手もあるから大丈夫よ」
「そう…?分からなかったらいつでも言ってちょうだいね」
「まぁ助かるわ」
ようちえんー!!
「ゆずが行けるのか…?」
「いけるもん!!ぼくもようちえんいくの!!たもつくんといっしょなの!!」
「幼稚園だと勉強の時間があるんだぜ?」
ほぇ?
「おべん…きょー?」
「最近の柚はサボってるもの。出来るかしらね」
「できる!!ぼくがんばるもん!!」
「本当に?」
「う……がんばるもん!!」
お勉強苦手だけどがんばるもん!!
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