普通の学生だった〜番外編。「吸血鬼」

かーにゅ

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幼稚園 2

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雫視点

「柚、先生に挨拶できる?」
「あなたがゆずちゃん?園長の、みどりです。今日は体験だけど…大丈夫?」
「うにゅ。ぼくいきたいいったの」
「じゃあ柚、ママは他の先生とお話しなきゃいけないから」
「え…」
足にしがみついていた柚を剥がすとそのまま固まった。
「ままいっしょ…」
「ママは幼稚園行けないもの」
「いっしょない…なの…?」
「えぇ」
昨日伝えたはずよね…?
「ゃ…」
「え?」
「やぁや!!ままいっしょ!!いっしょなの!!」
「柚…?」
抱っこしてみるとぎゅっとしたまま泣き始めてしまった。
「…ごめんなさいね。説明はしたのだけれど」
「いえ…でもこのままではゆずちゃんに登園は難しいと思います…」
「…そうよね」
泣きながらしゃっくりまで出るようになってしまった柚を何とか泣き止ませようとメイド達が後ろで何かやっているようだ。
「ごめんなさい。入園の話は無かったことにしてもらえる?」
「え」
「寄付したものについてはそのままあげるわ」
柚に合うように作ってあるものだけれど小さい子なら使えるでしょう?
「帰るわよ」
「ぐすん…」
「柚琉様、お鼻をすすってはいけませんよ」
「お耳が痛い痛いしちゃいますよ」
「うにゅぅ…」
泣いて眠って……起きたらおやつかしら。
本能のままに動いてる柚に特定の場所に通うなんてやっぱり無理だったのよ。
あ。
そんなに幼稚園に行きたいなら逆に幼稚園の先生をうちで雇えばいいじゃない。
それでいいわよね?
…個人で雇うとなるとベビーシッターになるのかしら?
私達以外の人と触れ合うのも大切よね。
今度探してみましょうか。
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