250 / 345
アイスケーキ 2
しおりを挟む
夏羽視点
「…え」
そろそろ起きるかなって思って隣にいた柚を見たら…。
…指をちゅぱちゅぱと吸っていた。
「…父さん」
「ん?」
「柚が指吸いしてる…」
「え?」
父さんもこっちに来て柚を覗き込んだが…やっぱり指は吸われたまま。
「柚は胎児で生まれたわけじゃないし…その習慣は無いはずなんだけどな…」
「人間の赤子は口が寂しくて指吸いするっていうけど…柚の場合何かな」
「不安になったり…とかそういう時にもするって聞いたことあるけど…悪い夢見てたわけじゃないんでしょ?」
「うん」
うなされることはなかったよ。
柚の寝言は分かりやすいから。
通常の状態だとね、うにゃうにゃ言ってるの。
で、たまに夢に出てくる人だったり物の名前が出てくるかな。
でも悪夢を見てる時はうーって唸るか、泣き出すかなの。
「夏のしっぽも吸われることあるの」
「なん…あ」
「なんか気づいたの?」
「いや…柚も去年までは哺乳瓶で血液与えてたんでしょ?もしかして夢の中でその頃と同じようにご飯食べてるのかなって」
「あ、そうだった」
ほんとはね、最初の1ヶ月か2ヶ月くらいでちゃんと飲めるようになってたの。
だけどね、可愛くてやめさせられなかったんだ。
1人で持たせて吸わせると何故か下向いたまま吸っちゃって上手く飲めないからいつも誰かが抱っこしたり支えてあげるの。
もうそれが可愛くて可愛くて。
「…夏達の気持ちもわかるけどね」
「でしょ!?柚可愛いんだもん」
今でも体調の悪い時は時々哺乳瓶が登場するし。
「…っ…にゃ…」
「起こしちゃった?ごめんね」
「にぃ…」
もぞもぞと動き出すと夏の胸に頭を置いた。
「にぃにの…ぉと」
「聞こえるの?」
「…ふへ…」
「起きたならアイス食べる?」
「たべりゅ!!」
「うげっ」
柚がいきなり飛び起きるから…お腹に置かれてた手がぐって…。
苦し…。
「柚…夏の上から退いてあげようね」
「ふにゃ?」
「と…父さんありがと…」
いくら柚が軽くても…あれは苦しかった…。
「…え」
そろそろ起きるかなって思って隣にいた柚を見たら…。
…指をちゅぱちゅぱと吸っていた。
「…父さん」
「ん?」
「柚が指吸いしてる…」
「え?」
父さんもこっちに来て柚を覗き込んだが…やっぱり指は吸われたまま。
「柚は胎児で生まれたわけじゃないし…その習慣は無いはずなんだけどな…」
「人間の赤子は口が寂しくて指吸いするっていうけど…柚の場合何かな」
「不安になったり…とかそういう時にもするって聞いたことあるけど…悪い夢見てたわけじゃないんでしょ?」
「うん」
うなされることはなかったよ。
柚の寝言は分かりやすいから。
通常の状態だとね、うにゃうにゃ言ってるの。
で、たまに夢に出てくる人だったり物の名前が出てくるかな。
でも悪夢を見てる時はうーって唸るか、泣き出すかなの。
「夏のしっぽも吸われることあるの」
「なん…あ」
「なんか気づいたの?」
「いや…柚も去年までは哺乳瓶で血液与えてたんでしょ?もしかして夢の中でその頃と同じようにご飯食べてるのかなって」
「あ、そうだった」
ほんとはね、最初の1ヶ月か2ヶ月くらいでちゃんと飲めるようになってたの。
だけどね、可愛くてやめさせられなかったんだ。
1人で持たせて吸わせると何故か下向いたまま吸っちゃって上手く飲めないからいつも誰かが抱っこしたり支えてあげるの。
もうそれが可愛くて可愛くて。
「…夏達の気持ちもわかるけどね」
「でしょ!?柚可愛いんだもん」
今でも体調の悪い時は時々哺乳瓶が登場するし。
「…っ…にゃ…」
「起こしちゃった?ごめんね」
「にぃ…」
もぞもぞと動き出すと夏の胸に頭を置いた。
「にぃにの…ぉと」
「聞こえるの?」
「…ふへ…」
「起きたならアイス食べる?」
「たべりゅ!!」
「うげっ」
柚がいきなり飛び起きるから…お腹に置かれてた手がぐって…。
苦し…。
「柚…夏の上から退いてあげようね」
「ふにゃ?」
「と…父さんありがと…」
いくら柚が軽くても…あれは苦しかった…。
0
あなたにおすすめの小説
ルームメイトが釣り系男子だった件について
perari
BL
ネット小説家として活動している僕には、誰にも言えない秘密がある。
それは——クールで無愛想なルームメイトが、僕の小説の主人公だということ。
ずっと隠してきた。
彼にバレないように、こっそり彼を観察しながら執筆してきた。
でも、ある日——
彼は偶然、僕の小説を読んでしまったらしい。
真っ赤な目で僕を見つめながら、彼は震える声でこう言った。
「……じゃあ、お前が俺に優しくしてたのって……好きだからじゃなくて、ネタにするためだったのか?」
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
一日だけの魔法
うりぼう
BL
一日だけの魔法をかけた。
彼が自分を好きになってくれる魔法。
禁忌とされている、たった一日しか持たない魔法。
彼は魔法にかかり、自分に夢中になってくれた。
俺の名を呼び、俺に微笑みかけ、俺だけを好きだと言ってくれる。
嬉しいはずなのに、これを望んでいたはずなのに……
※いきなり始まりいきなり終わる
※エセファンタジー
※エセ魔法
※二重人格もどき
※細かいツッコミはなしで
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる