普通の学生だった〜番外編｡「吸血鬼」

衣装合わせ 2

みかん視点

｢にゃっ…にゃぁ…｣
この服とっても手触りがいいにゃ｡
リボンやフリルもたくさんあるけど重たくないししっぽ用の穴も窮屈じゃない｡
｢…サイズは大丈夫そうかな？ごめんね､女の子なのに｡今日女性スタッフは連れて来れなくて…｣
｢大丈夫ですにゃ…これ高いやつじゃ｣
｢ん？うちの系列の服だよ｡大丈夫｡そこまで予算は高くはしてないし君達に請求する衣装代ももし手直しがあった分の数千円程度だから｣
｢え…でも…｣
｢ごめんね｡あの子手触りのいい服しか着れないからその事もあって結構拘ってるんだよ｡品質は高いけど値段はそこまで高くないから安心してね｣
靴も履いてみたけど一切キツくないのに動いても脱げることは無い｡
｢みかんちゃんは鈴がついてるんだよ｡しっぽ以外のは鳴らないからアピールする時はしっぽでね｣
｢ありがとうございます…にゃ｣
｢すみれちゃんはどうかな？｣
｢大丈夫です!!こんな…憧れの服を着られるなんて…｣
｢ほらほら泣かない｡すみれちゃんはセイレーンだったよね？海をイメージさせてるから他の2人よりかはふんわり広がるようになってるよ｡ターンとかした時はより目立つかもね｣
｢ありがとうございます…!!｣
ゆずちゃんはなんだか拗ねてるみたいだけど私達はこの服が嬉しい…!!
これでデビューできるんだ…これで夢のアイドルに…!!
｢…もうぱぱなんてしらない!!にぃにかえろ!!｣
｢…ほら父さん､柚拗ねちゃったよ｡まぁいいや､夏達先帰ってるね｣
｢えっ…｣
｢お土産でも買ってきて｡柚もその方が嬉しいよね｣
｢うん!!｣
もう機嫌直ったにゃ｡
｢ケーキ買って帰るね｣
柚ちゃん甘いもの好きなんだにゃ｡
今度おすすめのお菓子でも持ってくるにゃ｡