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36日目
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「すみませーん」
「…また何か?」
「今度さつまいも作るんでそれでパンケーキかクッキー作ってください。柚琉様が使用人にも行き渡るようにしたいらしいんで」
「…使用人全員にって…」
「まぁ無茶ですよね」
俺が覚えてる限りで50人はいたからな…。
奥様付きが5人だっけ?
「実るまで時間かかるんでそれまでに準備お願いします」
「…まぁ頑張りますよ。柚琉様の頼みですし」
おぉ…柚琉様つおい。
戻ろうとするとなんだか畑の方が騒がしいことに気がついた。
「…ん?」
「戻ってきたか。対処してやれよ」
「何が?」
「柚琉様がずっこけて川の中入って石で額切ったんだよ。んで持ってた籠の野菜ぶちまけて大泣き」
「…野菜何が入ってた?」
「きゅうりだから別に落ちても洗えばいいだろ?」
崩れてないならな。
…さっきトマト受け取ってよかった。
「んじゃ回収してくるわ」
俺は落ちていた籠を拾い、きゅうりを乗せて川で軽く洗った。
「この川の石そんな危険なのかよ」
…普通の石に見えるけどな。
「俺も切ったことあるなぁ…」
小さい時ふざけて川のそばで遊んでたら転んで尖った石で切ったんだよな。
あれ痛かった…。
「ひっく…えぐっ…」
「もう手当ては終わりましたから」
「違うもん…おやしゃ…おとしちゃった…」
………あ。
野菜落としたって言ったのか。
おやしゃってなんだよって思っちゃったじゃないか。
「もう拾って洗いましたから大丈夫ですよ」
「ひっく…ほんと…?」
「はい」
トマトだったら大惨事だったけど。
「割れたら割れたで漬物にでもすればいいですし」
「…おつけもの…」
あ、食べたいって顔してる。
「では頼んでおきましょうか」
「うんっ!!」
普段全然和食食べないのにな。
コース料理だと柚琉様が固くなるからって言って家庭料理の本を買って厨房の人達で毎日回し読みしてるの知ってんだぞ。
羨ましいけどな。
「…あ…でも」
「なんでしょうか?」
「急に言うと迷惑になっちゃう…」
「柚琉様…」
「大丈夫ですよ。今日がダメなら明日、明日がダメなら明後日と移していけばいいんです」
「安藤さんっ!!」
…え?
俺この人が厨房から出てるの見るの初めてなんだけど…?
「…日焼けしちゃうよ?だいじょーぶ?」
「それは柚琉様も同じでしょう?ほら帽子取れてますから」
「はぁい」
柚琉様は帽子を被ると安藤さんに抱きついた。
「いい匂い…」
「さっきまでフルーツ切ってたからその匂いですかね」
「今日のおやつ!?」
「はい。パウンドケーキですよ」
「やったぁ!!10時?それとも3時?」
「3時のおやつにと思いましたが…食べたいですか?」
「うんっ!!」
「ですが今から焼くと間に合いませんね。焼きたてになってしまうので」
え?
焼きたてのがいいんじゃねぇの?
「パウンドケーキは少し冷ましておいた方が美味しくなるんですよ」
え!?
俺声出てた?
「…驚いたろ。この屋敷の人間俺らみたいな下の人間以外大体読心術持ってるから」
…えっと…ここはチートの世界ですか?
「…また何か?」
「今度さつまいも作るんでそれでパンケーキかクッキー作ってください。柚琉様が使用人にも行き渡るようにしたいらしいんで」
「…使用人全員にって…」
「まぁ無茶ですよね」
俺が覚えてる限りで50人はいたからな…。
奥様付きが5人だっけ?
「実るまで時間かかるんでそれまでに準備お願いします」
「…まぁ頑張りますよ。柚琉様の頼みですし」
おぉ…柚琉様つおい。
戻ろうとするとなんだか畑の方が騒がしいことに気がついた。
「…ん?」
「戻ってきたか。対処してやれよ」
「何が?」
「柚琉様がずっこけて川の中入って石で額切ったんだよ。んで持ってた籠の野菜ぶちまけて大泣き」
「…野菜何が入ってた?」
「きゅうりだから別に落ちても洗えばいいだろ?」
崩れてないならな。
…さっきトマト受け取ってよかった。
「んじゃ回収してくるわ」
俺は落ちていた籠を拾い、きゅうりを乗せて川で軽く洗った。
「この川の石そんな危険なのかよ」
…普通の石に見えるけどな。
「俺も切ったことあるなぁ…」
小さい時ふざけて川のそばで遊んでたら転んで尖った石で切ったんだよな。
あれ痛かった…。
「ひっく…えぐっ…」
「もう手当ては終わりましたから」
「違うもん…おやしゃ…おとしちゃった…」
………あ。
野菜落としたって言ったのか。
おやしゃってなんだよって思っちゃったじゃないか。
「もう拾って洗いましたから大丈夫ですよ」
「ひっく…ほんと…?」
「はい」
トマトだったら大惨事だったけど。
「割れたら割れたで漬物にでもすればいいですし」
「…おつけもの…」
あ、食べたいって顔してる。
「では頼んでおきましょうか」
「うんっ!!」
普段全然和食食べないのにな。
コース料理だと柚琉様が固くなるからって言って家庭料理の本を買って厨房の人達で毎日回し読みしてるの知ってんだぞ。
羨ましいけどな。
「…あ…でも」
「なんでしょうか?」
「急に言うと迷惑になっちゃう…」
「柚琉様…」
「大丈夫ですよ。今日がダメなら明日、明日がダメなら明後日と移していけばいいんです」
「安藤さんっ!!」
…え?
俺この人が厨房から出てるの見るの初めてなんだけど…?
「…日焼けしちゃうよ?だいじょーぶ?」
「それは柚琉様も同じでしょう?ほら帽子取れてますから」
「はぁい」
柚琉様は帽子を被ると安藤さんに抱きついた。
「いい匂い…」
「さっきまでフルーツ切ってたからその匂いですかね」
「今日のおやつ!?」
「はい。パウンドケーキですよ」
「やったぁ!!10時?それとも3時?」
「3時のおやつにと思いましたが…食べたいですか?」
「うんっ!!」
「ですが今から焼くと間に合いませんね。焼きたてになってしまうので」
え?
焼きたてのがいいんじゃねぇの?
「パウンドケーキは少し冷ましておいた方が美味しくなるんですよ」
え!?
俺声出てた?
「…驚いたろ。この屋敷の人間俺らみたいな下の人間以外大体読心術持ってるから」
…えっと…ここはチートの世界ですか?
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