95 / 839
番外編
初めてのスーパーマーケット
しおりを挟む
直人視点
「柚、兄さんとちゃんとおてて繋げる?」
「あい!!」
「勝手に走って行っちゃダメだよ?ダメだと思ったら抱っこするからね?」
「はやきゅいこぉー?」
「…まぁ…大丈夫…だよね…?」
目立たないよう普通の乗用車でスーパーマーケットの駐車場に停めてもらい、運転手にはそのまま待ってもらった。
「はやきゅ!!はやきゅ!!」
「ゆーず。駐車場は危ないから、ほら」
柚に向かって両手を広げ、こちらに来るように…抱っこされるようにしてみた。
「うー…」
とぼとぼと戻ってくると大人しく抱かれた。
「柚どれがいいの?」
「いっぱ」
「いっぱい?柚が食べたいの選ばないとダメだよ?」
…スーパーに来て一直線にレトルトコーナーに行く子も珍しいと思うけど。
柚の好きな教育番組がなんかコラボ商品出したみたいでそれ見てから欲しい食べたいって何回も言うし(喘息の発作が起こるほど必死に)、毎日のように泣くし(そして再び発作が)…。
もう安全のためにって許可したはいいけど…栄養面心配だな。
「かりぇー」
「それだけ?」
「はやちらいしゅ。ちゃーは。ぎゅー」
「これでいいの?」
「うゆ」
と言いながらも更に追加された。
…何日レトルト食べる気だろ。
1日1個しか食べちゃダメとか制限かけようかな。
「いっぱ!!」
「じゃあ買いに行こうね」
と言ったのにレジ横の量り売りのお菓子コーナーで更に買わされた。
「ちょこ」
「どれがいいの?」
「あー」
1番上の丸い形のチョコを指さされた。
一旦カゴを下に置いて柚を抱き上げて自分でやらせる。
…というか自分でやらせないと怒るの。
「たくさん取ってるね。夏の分?」
「あい!!いっぱ、ちゃべゆ?」
「兄さんはいらないよ」
「うー…」
しょんぼりとしていたがどうやら満足したらしい。
「かりぇー」
その日から毎日のように厨房に忍び込んでは自分のご飯をレトルトの物にしろと催促する柚の姿があった。
「柚琉様?お昼ご飯に食べたじゃないですか。旦那様との約束で1日1回とあったでしょう?」
「やー!!」
「柚が欲しいのは空き箱の方でしょ?応募券はもう取ってあるから」
「やーやー!!」
「…柚琉様…今日の晩御飯はカレーにしますから」
「ほんちょ!?」
「はい」
料理人と目配せをして、レトルト…のように見えるカレーを作るように依頼をしておいた。
市販のものより栄養満点で。
「かきゅ」
「お絵描きするの?今紙もってくるね」
「かきゅ」
クレヨンを持った柚は応募用のハガキに何かを描き始めた。
「…柚…?それが良かったの?」
「にゃーちゃ」
「上手だね」
柚が描いていたのは教育番組のイメージキャラクターのにゃんちゃん。
もう1人わんちゃんもいるけど柚のおててじゃ大きくしかかけないみたいでハガキいっぱいの大きさににゃんちゃんが描かれていた。
「かきゅ、ちて」
「はいはい」
僕がハガキに応募要項を書いていくと柚はその横でぴょこぴょこしながら見守っていた。
「かきゅ、ちた?」
「書けたよ。じゃあこれはポストに入れてもらおうね」
沢山買ったからか応募券は5口分あった。
1口1枚のハガキを使わないといけないから柚のにゃんちゃんとわんちゃんが量産された。
…これ送る前にコピーしよう。
「はやきゅ!!はやきゅ!!」
「はいはい」
使用人にハガキを渡すと柚はててて、と走ってテレビの前に座り込んだ。
「にゃーちゃ、みりゅ」
「録画かDVDどっちがいいの?」
「こりぇ」
DVDを差し出された…3本。
お昼寝せずに見る気なのかな?この子は…。
その後のハガキ…
「え…」
「どうした?」
「藤沢直人って……うちの…大スポンサーでしたよね…?」
「そうだ。あの方には粗相をするなよ?」
「…応募ハガキ届いたんすけど…なんか平仮名の名前も連名で」
「…は」
その後、ハガキを確認していた2人は大スポンサーを落とすべきかめちゃくちゃ悩んだらしい。
「にゃーちゃ!!わんちゃ!!」
「良かったね」
藤沢宅には賞品のにゃんちゃんわんちゃん特大ぬいぐるみが郵便で届いた。
「柚、兄さんとちゃんとおてて繋げる?」
「あい!!」
「勝手に走って行っちゃダメだよ?ダメだと思ったら抱っこするからね?」
「はやきゅいこぉー?」
「…まぁ…大丈夫…だよね…?」
目立たないよう普通の乗用車でスーパーマーケットの駐車場に停めてもらい、運転手にはそのまま待ってもらった。
「はやきゅ!!はやきゅ!!」
「ゆーず。駐車場は危ないから、ほら」
柚に向かって両手を広げ、こちらに来るように…抱っこされるようにしてみた。
「うー…」
とぼとぼと戻ってくると大人しく抱かれた。
「柚どれがいいの?」
「いっぱ」
「いっぱい?柚が食べたいの選ばないとダメだよ?」
…スーパーに来て一直線にレトルトコーナーに行く子も珍しいと思うけど。
柚の好きな教育番組がなんかコラボ商品出したみたいでそれ見てから欲しい食べたいって何回も言うし(喘息の発作が起こるほど必死に)、毎日のように泣くし(そして再び発作が)…。
もう安全のためにって許可したはいいけど…栄養面心配だな。
「かりぇー」
「それだけ?」
「はやちらいしゅ。ちゃーは。ぎゅー」
「これでいいの?」
「うゆ」
と言いながらも更に追加された。
…何日レトルト食べる気だろ。
1日1個しか食べちゃダメとか制限かけようかな。
「いっぱ!!」
「じゃあ買いに行こうね」
と言ったのにレジ横の量り売りのお菓子コーナーで更に買わされた。
「ちょこ」
「どれがいいの?」
「あー」
1番上の丸い形のチョコを指さされた。
一旦カゴを下に置いて柚を抱き上げて自分でやらせる。
…というか自分でやらせないと怒るの。
「たくさん取ってるね。夏の分?」
「あい!!いっぱ、ちゃべゆ?」
「兄さんはいらないよ」
「うー…」
しょんぼりとしていたがどうやら満足したらしい。
「かりぇー」
その日から毎日のように厨房に忍び込んでは自分のご飯をレトルトの物にしろと催促する柚の姿があった。
「柚琉様?お昼ご飯に食べたじゃないですか。旦那様との約束で1日1回とあったでしょう?」
「やー!!」
「柚が欲しいのは空き箱の方でしょ?応募券はもう取ってあるから」
「やーやー!!」
「…柚琉様…今日の晩御飯はカレーにしますから」
「ほんちょ!?」
「はい」
料理人と目配せをして、レトルト…のように見えるカレーを作るように依頼をしておいた。
市販のものより栄養満点で。
「かきゅ」
「お絵描きするの?今紙もってくるね」
「かきゅ」
クレヨンを持った柚は応募用のハガキに何かを描き始めた。
「…柚…?それが良かったの?」
「にゃーちゃ」
「上手だね」
柚が描いていたのは教育番組のイメージキャラクターのにゃんちゃん。
もう1人わんちゃんもいるけど柚のおててじゃ大きくしかかけないみたいでハガキいっぱいの大きさににゃんちゃんが描かれていた。
「かきゅ、ちて」
「はいはい」
僕がハガキに応募要項を書いていくと柚はその横でぴょこぴょこしながら見守っていた。
「かきゅ、ちた?」
「書けたよ。じゃあこれはポストに入れてもらおうね」
沢山買ったからか応募券は5口分あった。
1口1枚のハガキを使わないといけないから柚のにゃんちゃんとわんちゃんが量産された。
…これ送る前にコピーしよう。
「はやきゅ!!はやきゅ!!」
「はいはい」
使用人にハガキを渡すと柚はててて、と走ってテレビの前に座り込んだ。
「にゃーちゃ、みりゅ」
「録画かDVDどっちがいいの?」
「こりぇ」
DVDを差し出された…3本。
お昼寝せずに見る気なのかな?この子は…。
その後のハガキ…
「え…」
「どうした?」
「藤沢直人って……うちの…大スポンサーでしたよね…?」
「そうだ。あの方には粗相をするなよ?」
「…応募ハガキ届いたんすけど…なんか平仮名の名前も連名で」
「…は」
その後、ハガキを確認していた2人は大スポンサーを落とすべきかめちゃくちゃ悩んだらしい。
「にゃーちゃ!!わんちゃ!!」
「良かったね」
藤沢宅には賞品のにゃんちゃんわんちゃん特大ぬいぐるみが郵便で届いた。
2
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢モノのバカ王子に転生してしまったんだが、なぜかヒーローがイチャラブを求めてくる
路地裏乃猫
BL
ひょんなことから悪役令嬢モノと思しき異世界に転生した〝俺〟。それも、よりにもよって破滅が確定した〝バカ王子〟にだと?説明しよう。ここで言うバカ王子とは、いわゆる悪役令嬢モノで冒頭から理不尽な婚約破棄を主人公に告げ、最後はざまぁ要素によって何やかんやと破滅させられる例のアンポンタンのことであり――とにかく、俺はこの異世界でそのバカ王子として生き延びにゃならんのだ。つーわけで、脱☆バカ王子!を目指し、真っ当な王子としての道を歩き始めた俺だが、そんな俺になぜか、この世界ではヒロインとイチャコラをキメるはずのヒーローがぐいぐい迫ってくる!一方、俺の命を狙う謎の暗殺集団!果たして俺は、この破滅ルート満載の世界で生き延びることができるのか?
いや、その前に……何だって悪役令嬢モノの世界でバカ王子の俺がヒーローに惚れられてんだ?
2025年10月に全面改稿を行ないました。
2025年10月28日・BLランキング35位ありがとうございます。
2025年10月29日・BLランキング27位ありがとうございます。
2025年10月30日・BLランキング15位ありがとうございます。
2025年11月1日 ・BLランキング13位ありがとうございます。
ビッチです!誤解しないでください!
モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃
「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」
「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」
「大丈夫か?あんな噂気にするな」
「晃ほど清純な男はいないというのに」
「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」
噂じゃなくて事実ですけど!!!??
俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生……
魔性の男で申し訳ない笑
めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!
Q.親友のブラコン兄弟から敵意を向けられています。どうすれば助かりますか?
書鈴 夏(ショベルカー)
BL
平々凡々な高校生、茂部正人«もぶまさと»にはひとつの悩みがある。
それは、親友である八乙女楓真«やおとめふうま»の兄と弟から、尋常でない敵意を向けられることであった。ブラコンである彼らは、大切な彼と仲良くしている茂部を警戒しているのだ──そう考える茂部は悩みつつも、楓真と仲を深めていく。
友達関係を続けるため、たまに折れそうにもなるけど圧には負けない!!頑張れ、茂部!!
なお、兄弟は三人とも好意を茂部に向けているものとする。
7/28
一度完結しました。小ネタなど書けたら追加していきたいと思います。
モブらしいので目立たないよう逃げ続けます
餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。
まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。
モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。
「アルウィン、君が好きだ」
「え、お断りします」
「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」
目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。
ざまぁ要素あるかも………しれませんね
牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。
牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。
牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。
そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。
ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー
母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。
そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー
「え?僕のお乳が飲みたいの?」
「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」
「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」
そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー
昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」
*
総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。
いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><)
誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。
ひみつのモデルくん
おにぎり
BL
有名モデルであることを隠して、平凡に目立たず学校生活を送りたい男の子のお話。
高校一年生、この春からお金持ち高校、白玖龍学園に奨学生として入学することになった雨貝 翠。そんな彼にはある秘密があった。彼の正体は、今をときめく有名モデルの『シェル』。なんとか秘密がバレないように、黒髪ウィッグとカラコン、マスクで奮闘するが、学園にはくせもの揃いで⁉︎
主人公総受け、総愛され予定です。
思いつきで始めた物語なので展開も一切決まっておりません。感想でお好きなキャラを書いてくれたらそことの絡みが増えるかも…?作者は執筆初心者です。
後から編集することがあるかと思います。ご承知おきください。
聞いてた話と何か違う!
きのこのこのこ
BL
春、新しい出会いに胸が高鳴る中、千紘はすべてを思い出した。俺様生徒会長、腹黒副会長、チャラ男会計にワンコな書記、庶務は双子の愉快な生徒会メンバーと送るドキドキな日常――前世で大人気だったBLゲームを。そしてそのゲームの舞台こそ、千紘が今日入学した名門鷹耀学院であった。
生徒会メンバーは変態ばかり!?ゲームには登場しない人気グループ!?
聞いてた話と何か違うんですけど!
※主人公総受けで過激な描写もありますが、固定カプで着地します。
他のサイトにも投稿しています。
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる