普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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番外編

ちょーだい攻撃

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使用人視点

「ちょーらい」
「ぐっ…」
それは突然始まった…。







「おかちちょーらい」
今までは厨房だけだった柚琉様のオネダリが何故か俺たちにまで来た。
「…えっと…お菓子…ですか?」
「うゆ。くらはい」
「…今…飴玉ぐらいしか持ってないんですけど…」
「ありあと!!」
天使の笑顔を見せてくれたあとすぐに去っていった。
何をしてるんだ…?















その後…

「やーん」
「かえちてー!!」
どうやら夏羽様と柚琉様で共謀してお菓子を集め、旦那様や翔様、直人様の寝かしつけで眠ったふりをして、皆さんが出ていった後にお菓子パーティーを開いていたらしい。
…俺たちから集めたお菓子を使って。
「やーやー!!」
「全く…柚が虫歯なんておかしいと思ったら」
「ちあうもん!!むちばちあう!!」
「嘘つけ。今日の昼もほとんど食べてなかっただろ。…ずっと頬を押さえていたし」
「やー!!はーびょーいんやー!!」
「歯医者ね。あー…あの病院って確か歯科もあったっけ。ついでに昨日転んで痛めたところも診てもらおうね」
「ひゃぁぁぁぁ!!」


すぐさま病院に連れていかれた。














のだが、まだちょーだい攻撃は続いていた。
「ちょーらい」
「柚琉様…今度は何するんですか」
「ないちょ!!」
「ダメですよ、旦那様に禁止されてるんです」
「らめ…?」
可愛らしいちょーだいからの泣き落としときた。
しかも…テクがプロ。
涙を貯めてこてんと首を傾げて拳を口元に当てて…くっそ可愛い。
「ぐっ……」
だめだめだめだめ!!
誘惑に負けたら来月の写真配布貰えなくなる!!
「しょっかぁ…」
幻覚の耳としっぽが眉毛と一緒にめっちゃ下がった。
「おかち…くれにゃいの…ぐすん…」
とぼとぼと…歩いていく姿が…なんか…すごく…罪悪感に駆られる!!
「あーもう分かりました!!内緒ですからね!?」
「ありあと!!」
















今度はお菓子…ではなく、包み紙が必要だったらしい。
それならばおやつのものを使えば?とも思ったのだがそもそもお二人のおやつのお菓子は手作りで包装紙なんて一切無しの出来たて。
…対して俺たちのはその辺で売ってるやつをおふたり用に一応持ってる…ただの市販のやつ。
「えへへかわいー?」
「可愛いよ。よくこんなにいっぱい作れたね」
「がんばっちゃ!!」
ネットサーフィン中に見つけたお菓子の袋などで物を作るという…それを2人でやり遂げていた。(実際には手先の器用な使用人も加わって)
「あにょね、これね…ぷれれんと」
「ごめんにゃしゃいの…ぷれれんと」
「…もう怒ってないからいいんだよ」
御三方に手渡されたのはキャンディーやガムの包み紙を切っては貼ってと繰り返したちぎり絵。
「でも使用人からお菓子集めたんだよね?…その分どっかで返さなきゃな…」
「いえこちらが勝手に買ったものですから」
なんか口が出た。
「…でも」
「おすそ分けって事でどうです?自分たちで食べたくて買ったけど多すぎて余ってたものをおふたりにあげた、という事で」
「…そこまでしたいの?」
「はい」
というかお菓子あげるのまで本格的に禁止されたら俺たちの天使の笑顔が間近で見られなくなる。
「はぁ…でも一応こっちで用意したのも置いておくから…柚達も変なイタズラ考えないの」
「「あい」」
「わかってない返事だなこれは」
「ちゃんとわかってる時は可愛い笑顔ではぁいって言うもんね」
「あしょぶ」
「ぶ」
「もう興味うつってるし…」

天使の笑顔は守られたり。
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