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本編

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「…やはりお前か。ヒスピア」

ひす…ぴあ?

「モウ。眠レナイ時ハ、僕ガイツモ、助ケテタンダカラ、大目ニ見テヨネ、イシシ」
「…何も関係のない人族の子供ではお前の力に耐えられないだろう」
「ンー?夢ノ中デ走リ回ッテ楽シソウダヨ?」
「…書き換えたな」
「悪夢ヲ見ナクシタンダ。感謝シテ欲シイヨネ」

…この…小さな…子供が何なのか僕だけがさっぱり分からない。でも…眠ってる男の子…ちょっとだけ顔色が良くなった気がする。

「…どうした?リオ」
「…なんでもありません」
「リオー?噂ノ番クンカー。眠レナイ時ハ呼ンデナ。イツデモ手伝ッテヤル」
「はい。よろしく…お願いします…ひすぴあ…さま」
「ハハッ。オイラニ『様』は必要ナイゼ」
「…ひすぴあ…さん?」
「…竜王。コノ子オカシイヨ」
「お前が言うな」

…僕おかしい?おかしいの…?

「さて、もう治療は終わったんだ。帰ろうか」
「はい」

サトに近づこうとすると…後ろにくんっと少しだけ引かれた。

「あの…っ…」
「…水…」

水飲ませないと!!…僕も同じことあった。喉が枯れているのに無理矢理声を出すと喉がひきつって痛いの。

「リオ?」
「…ごめん…なさい」

そうだ。僕帰らないといけないんだった。

「…あり…ぅ…」
「どういたしまして…」

ふわりと笑ったその男の子は…とても綺麗だった。

僕も…僕もあんな綺麗な子だったらな。サトに全部あげられるような…綺麗な子でいたかったな。

「リオ。平気か?」
「はい…」
「…挨拶…はいいか。もうこのまま転移してしまおう」
「てん…い?」
「しっかり捕まっていろよ」

そう言いながらサトは僕の腰に手を回し、自分の方に引き寄せた。
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