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本編

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「番様?」
「…いえ」

僕は床に座り込んだ。

「なかなか上手くいきませんね…飛行訓練」
「…もう…無理です」

背中の小さな羽を動かすのは難しいし少し浮くことが出来ても自分の重さですぐ落ちてしまう。

「わたくし共の飛び方とは違いますし…」
「…ふぃおなの…はね…」
「はい。…見せてもいいのですがここでは無理ですね。狭すぎます」

え?…この部屋は十分広いと思うけど…。

「番様。竜体になりますとこの部屋の3倍は必要ですよ?」
「…さんばい…」

…大きい…。僕…サトのしか見たことないけど…全体は見たことないからあまり大きさは考えたことなかった…。

「今日はもうここまでにしましょう。無理は禁物ですから」
「…はい」

僕は立ち上がろうとしてあることを思い出した。

なんでフィオナは僕にいつも無理は禁物って言うんだろう。

「…なんで…?」
「なんのことでしょうか?」
「無理は…禁物って…何…?」
「…あぁ。すみません。…ついつい番様だと跡継ぎがとか考えて口に出てしまうんですよね」
「…あとつぎ…?」
「番様が天使族ということなら100年は猶予があるでしょうから焦る必要は無いんですけどねぇ…癖なんですかね…」

あとつぎ…ってなんだろう。…100年はゆうよがって…なんのこと?

「長命で有名な天使族だなんて…ふふふふ。何十年番様磨きに費やせるのでしょう…あぁ妖精族の鱗粉パウダーも手に入れなくては。羽のお手入れもしないといけませんね…ふふふふ」

やっぱりフィオナが怖いです。羽のお手入れって…僕の羽まで触るの?羽…僕も触ったことないのに。

「……やさしく…してください」
「っ!?番様!!それ他の方の前で言わないでくださいね!!分かりましたか!?」
「は…はい…」

僕…フィオナに怒られるようなことしちゃったのかな…おっきな声で怒られた…。

「あぁそんな落ち込まないでください。番様は何も悪くありません。…あ、見惚れたやつからわたくしが消せば問題ないですね。番様、すみませんでした。わたくしがなんとか致しますのでどうかそのままで」
「…ふぇ?」
「…そのお可愛らしい呟きも…聞いたものから消さなければなりませんかねぇ…かなりの数の竜族消えそうですけど…」
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