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第3章:魔導国家編 ①
第3話 魔塔を目指して
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魔塔を目指す道中で都市の住人が煌びやかな魔導服を身に着け、ふわふわと浮遊する魔法書を片手に往来している。
見晴らしのいい広場の前では、魔法の杖を携えた子供たちが空中に小さな火花を灯して遊んでいる。
「いかにも魔法の国って感じの光景だねぇ」
レイノルドが微笑みながら温かな視線を町人たちに向けている。
「……!あれは……」
自動で動く馬車が石畳の通りを走行し、一行の横を通り過ぎる。
(馬がいなければ完全に自動車……だよね、アレ)
シエルは驚いた顔で魔導馬車を見つめ、苦笑いを浮かべている。
「へぇ、御者のいない馬車か……どうやって制御しているんだろうねぇ」
レイノルドは仕組みが気になるようで碧い瞳がキラキラと輝いている。
「お前たち……気を緩めるな。魔塔に到着だ。」
魔塔に到着した騎士団一行は入口の前で足を止める。
「うわ~っ!すごく高いね、この塔……」
都市の中でも一際目立つ鋭角の塔は、まるで天空を支える柱のように高くそびえ立っている。
塔の外壁には薄紫色の魔法陣が刻まれ、淡い光がゆっくりと脈打つ。
「王都から古代魔法の調査任務で派遣された国王直属の騎士団、ブラックウィングだ。魔塔の協力を要請したいんだが……頼めるだろうか」
ノクターンは入口を警備している魔法兵にそっと歩み寄り、調査書類を見せる。
魔法兵は鋭い目つきで一行を見据え、静かに調査書類へ目を移す。
「他国の騎士団か……そこでお待ちを。」
魔法兵は書類を持ったまま魔塔の中に消えていった。
「なんていうか……この国の人たち、ものすごく態度が悪くない?」
(……嫌な記憶が蘇るわ)
シエルの脳裏には、前世の叔父夫婦が放つ冷たい声と暗い部屋の光景がよぎった。
思わず顔をしかめ、深い息をつく。
「昨日も言ったでしょ?この国では魔力のある者は優遇され、それ以外は冷遇されているってね。」
レイノルドがシエルのつぶやきに反応して答える。
「シエルさんは魔導師だから、そこまでひどい扱いをされることは無いと思うけど――僕らは魔法を使えないから……ねぇ?」
続けてレイノルドはどこか含みのある笑みをシエルに向けて言葉を濁す。
しばらくして駆け足で戻ってきた魔法兵が調査書類を返却し、一行の入場を許可した。
「お待たせしました。魔塔主様のもとへ案内するので、こちらへどうぞ」
そう言って魔法兵がゆっくりと歩き出す。
「俺たちもさっさと中に入るぞ」
騎士団一行も番人の後に続いて魔塔の中に入っていく。
この中で事件が待ち受けているということに気付いた者は、誰一人としていなかった――。
見晴らしのいい広場の前では、魔法の杖を携えた子供たちが空中に小さな火花を灯して遊んでいる。
「いかにも魔法の国って感じの光景だねぇ」
レイノルドが微笑みながら温かな視線を町人たちに向けている。
「……!あれは……」
自動で動く馬車が石畳の通りを走行し、一行の横を通り過ぎる。
(馬がいなければ完全に自動車……だよね、アレ)
シエルは驚いた顔で魔導馬車を見つめ、苦笑いを浮かべている。
「へぇ、御者のいない馬車か……どうやって制御しているんだろうねぇ」
レイノルドは仕組みが気になるようで碧い瞳がキラキラと輝いている。
「お前たち……気を緩めるな。魔塔に到着だ。」
魔塔に到着した騎士団一行は入口の前で足を止める。
「うわ~っ!すごく高いね、この塔……」
都市の中でも一際目立つ鋭角の塔は、まるで天空を支える柱のように高くそびえ立っている。
塔の外壁には薄紫色の魔法陣が刻まれ、淡い光がゆっくりと脈打つ。
「王都から古代魔法の調査任務で派遣された国王直属の騎士団、ブラックウィングだ。魔塔の協力を要請したいんだが……頼めるだろうか」
ノクターンは入口を警備している魔法兵にそっと歩み寄り、調査書類を見せる。
魔法兵は鋭い目つきで一行を見据え、静かに調査書類へ目を移す。
「他国の騎士団か……そこでお待ちを。」
魔法兵は書類を持ったまま魔塔の中に消えていった。
「なんていうか……この国の人たち、ものすごく態度が悪くない?」
(……嫌な記憶が蘇るわ)
シエルの脳裏には、前世の叔父夫婦が放つ冷たい声と暗い部屋の光景がよぎった。
思わず顔をしかめ、深い息をつく。
「昨日も言ったでしょ?この国では魔力のある者は優遇され、それ以外は冷遇されているってね。」
レイノルドがシエルのつぶやきに反応して答える。
「シエルさんは魔導師だから、そこまでひどい扱いをされることは無いと思うけど――僕らは魔法を使えないから……ねぇ?」
続けてレイノルドはどこか含みのある笑みをシエルに向けて言葉を濁す。
しばらくして駆け足で戻ってきた魔法兵が調査書類を返却し、一行の入場を許可した。
「お待たせしました。魔塔主様のもとへ案内するので、こちらへどうぞ」
そう言って魔法兵がゆっくりと歩き出す。
「俺たちもさっさと中に入るぞ」
騎士団一行も番人の後に続いて魔塔の中に入っていく。
この中で事件が待ち受けているということに気付いた者は、誰一人としていなかった――。
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