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第二章
第20話(2) 自己紹介からの衝突
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「さて……では、それぞれ自己紹介をしてもらうか」
御剣が呼びかける。千景は口を開く。
「アタシは上杉山隊の特攻隊長、樫崎千景だ!」
「特攻隊長? そんな肩書があったのですか?」
「いいや、別にそんなものはない」
愁の問いに御剣が首を振る。哀が小声で呟く。
「なんだ、ただの脳筋か……」
「ああん⁉ 聞こえたぞ、黒髪のてめえ!」
声を荒げる千景に万夜が呆れる。
「ちょっと黙っていて下さる? わたくしは上杉山隊の副隊長、苦竹万夜です」
「副隊長さんですか……正直初耳です」
「それはこちらの台詞です。まさか別働隊がいるだなんて……」
「重要事項を知らされていない方が副隊長さんですか?」
「……なにか?」
「いいえ、別に」
万夜が睨みつけるが、愁は全く気圧されない。
「次は拙者ですな……赤目億葉、この隊の技術開発研究主任を請け負っております」
「なんとなくですが噂は聞いております」
「ほお、それは光栄ですな!」
「第五管区随一のエキセントリックなマッドサイエンティストだとか……」
「いやあ、そんな……照れるでありますな~」
「褒めてねえと思うぞ……」
後頭部を掻く億葉に千景が呆れる。御剣が促す。
「続いてはそちらだ」
「豊園寺哀。双子の姉です」
「お前が姉かよ。あんまり姉っぽくねえな」
「どうしてです?」
千景に対し、哀が問いかける。千景はニヤッと笑って答える。
「なんていうか……賢そうじゃねえっていうか……」
「は⁉」
「それについては同感です」
「っておい!」
哀が愁に突っ込む。愁は気にせずに続ける。
「豊園寺愁。双子の妹です」
「……思い出しました! 人気動画配信者の『豊園寺姉妹』ですな!」
「おや、ご存じでしたか」
「チャンネル登録しております!」
「それはどうもありがとうございます」
億葉に対し、愁が丁寧に頭を下げる。万夜が呟く。
「わたくしもなんだか見たことがある気がありますわ。しかし、良いのかしら?」
「何がでしょうか?」
「仮にも妖絶士がそのように目立つ真似をするとは……心構えが足りないのではなくて?」
「……何がおっしゃりたいのですか?」
「いいえ、別に。別働隊の方々に多くは求めるというのは酷というものです……」
万夜が笑みを浮かべながら首を静かに振る。哀が口を開く。
「別働隊、別働隊って言いますけど……隊長?」
「なんだ?」
「この人たちが上杉山隊の本隊ってことですか?」
「まあ、そうなるな」
「その割には……頼りなさそうですね」
「あん?」
「……今、なんとおっしゃいました?」
千景と万夜が哀を睨む。哀は笑いながら答える。
「隊長と共に任務をこなすには役不足に見えるって言ったんですよ」
「! い、言ってくれますわね……」
万夜がひきつった笑顔を浮かべる。千景が指の骨をポキポキと鳴らす。
「これはこれは……指導が必要なようだな……」
「指導? 出来るものならやってみて下さいよ」
「てめえ……良い度胸しているじゃねえか」
哀が前に進み出て、千景と顔をぐっと近づける。愁が口を開く。
「哀……」
「なんだよ、愁。まさかビビったんじゃねえだろうな?」
「……この程度の方々など恐るるに足りません」
「! あ、貴女もなかなか良い度胸をなさっていますわね……」
「双子ですから」
「隊長、教育的指導をさせて頂けませんか?」
万夜が御剣に尋ねる。御剣はやや間をおいてから答える。
「……隊内での揉め事は困るな」
「揉め事ではありません。交流の一環です」
「言い方を変えただけだろう……副隊長ならばもう少し冷静になれ」
「……この状況を招いたそもそもの原因として、両隊の存在を互いに知らせることを怠った隊長に責任があるのでは?」
「ふむ……」
「それとも隊長が何らかの形で責任を取ってくれるのですか?」
万夜が御剣に鋭い視線を向ける。
「……分かった。交流を認めよう」
「そうこなくては!」
御剣の言葉に万夜が笑みを浮かべる。
「では億千万トリオと哀愁ツインズの模擬戦を行うとするか」
「ええっ⁉ 拙者もですか⁉」
億葉が驚く。御剣が首を傾げる。
「なんだ? 本隊の隊員であるという気概を示す気がないのか?」
「ぶ、ぶっちゃけ、どっちでも良いというか……」
「棄権するということか? それで本隊が負けたらどうなると思う?」
「え?」
「貴様らが別働隊扱いということとなり、研究予算が減ることになるぞ?」
「わ、分かりました!」
「参加するということだな?」
「時は来た。それだけであります!」
「うむ、その意気や良し!」
億葉の半ばやけくそ気味な返答に御剣は満足そうに頷く。愛が口を開く。
「た、隊長!」
「どうした、愛?」
「これでは3対2ですよ!」
「それは見れば分かる」
「哀さんたちが不利ではないですか⁉」
愛の言葉に哀が笑う。
「はっ、ちょうど良いハンデですよ」
「言ってくれるじゃねえか……」
千景が顔をひくつかせる。御剣が顎に手を当てて考えてから答える。
「……数を揃えた方が良さそうだな。愛、お前はツインズの方に加われ」
「はい⁉」
「これで3対3だな、よし十分後に始めるぞ。双方準備をしろ」
「はい!」
「了解しました」
万夜と愁が返事をして、双方が準備に入る。
「勇次君との二人きりの慰労旅行のはずが……どうしてこうなるのよ……」
愛は小声で呟き、がっくりと肩を落とす。
御剣が呼びかける。千景は口を開く。
「アタシは上杉山隊の特攻隊長、樫崎千景だ!」
「特攻隊長? そんな肩書があったのですか?」
「いいや、別にそんなものはない」
愁の問いに御剣が首を振る。哀が小声で呟く。
「なんだ、ただの脳筋か……」
「ああん⁉ 聞こえたぞ、黒髪のてめえ!」
声を荒げる千景に万夜が呆れる。
「ちょっと黙っていて下さる? わたくしは上杉山隊の副隊長、苦竹万夜です」
「副隊長さんですか……正直初耳です」
「それはこちらの台詞です。まさか別働隊がいるだなんて……」
「重要事項を知らされていない方が副隊長さんですか?」
「……なにか?」
「いいえ、別に」
万夜が睨みつけるが、愁は全く気圧されない。
「次は拙者ですな……赤目億葉、この隊の技術開発研究主任を請け負っております」
「なんとなくですが噂は聞いております」
「ほお、それは光栄ですな!」
「第五管区随一のエキセントリックなマッドサイエンティストだとか……」
「いやあ、そんな……照れるでありますな~」
「褒めてねえと思うぞ……」
後頭部を掻く億葉に千景が呆れる。御剣が促す。
「続いてはそちらだ」
「豊園寺哀。双子の姉です」
「お前が姉かよ。あんまり姉っぽくねえな」
「どうしてです?」
千景に対し、哀が問いかける。千景はニヤッと笑って答える。
「なんていうか……賢そうじゃねえっていうか……」
「は⁉」
「それについては同感です」
「っておい!」
哀が愁に突っ込む。愁は気にせずに続ける。
「豊園寺愁。双子の妹です」
「……思い出しました! 人気動画配信者の『豊園寺姉妹』ですな!」
「おや、ご存じでしたか」
「チャンネル登録しております!」
「それはどうもありがとうございます」
億葉に対し、愁が丁寧に頭を下げる。万夜が呟く。
「わたくしもなんだか見たことがある気がありますわ。しかし、良いのかしら?」
「何がでしょうか?」
「仮にも妖絶士がそのように目立つ真似をするとは……心構えが足りないのではなくて?」
「……何がおっしゃりたいのですか?」
「いいえ、別に。別働隊の方々に多くは求めるというのは酷というものです……」
万夜が笑みを浮かべながら首を静かに振る。哀が口を開く。
「別働隊、別働隊って言いますけど……隊長?」
「なんだ?」
「この人たちが上杉山隊の本隊ってことですか?」
「まあ、そうなるな」
「その割には……頼りなさそうですね」
「あん?」
「……今、なんとおっしゃいました?」
千景と万夜が哀を睨む。哀は笑いながら答える。
「隊長と共に任務をこなすには役不足に見えるって言ったんですよ」
「! い、言ってくれますわね……」
万夜がひきつった笑顔を浮かべる。千景が指の骨をポキポキと鳴らす。
「これはこれは……指導が必要なようだな……」
「指導? 出来るものならやってみて下さいよ」
「てめえ……良い度胸しているじゃねえか」
哀が前に進み出て、千景と顔をぐっと近づける。愁が口を開く。
「哀……」
「なんだよ、愁。まさかビビったんじゃねえだろうな?」
「……この程度の方々など恐るるに足りません」
「! あ、貴女もなかなか良い度胸をなさっていますわね……」
「双子ですから」
「隊長、教育的指導をさせて頂けませんか?」
万夜が御剣に尋ねる。御剣はやや間をおいてから答える。
「……隊内での揉め事は困るな」
「揉め事ではありません。交流の一環です」
「言い方を変えただけだろう……副隊長ならばもう少し冷静になれ」
「……この状況を招いたそもそもの原因として、両隊の存在を互いに知らせることを怠った隊長に責任があるのでは?」
「ふむ……」
「それとも隊長が何らかの形で責任を取ってくれるのですか?」
万夜が御剣に鋭い視線を向ける。
「……分かった。交流を認めよう」
「そうこなくては!」
御剣の言葉に万夜が笑みを浮かべる。
「では億千万トリオと哀愁ツインズの模擬戦を行うとするか」
「ええっ⁉ 拙者もですか⁉」
億葉が驚く。御剣が首を傾げる。
「なんだ? 本隊の隊員であるという気概を示す気がないのか?」
「ぶ、ぶっちゃけ、どっちでも良いというか……」
「棄権するということか? それで本隊が負けたらどうなると思う?」
「え?」
「貴様らが別働隊扱いということとなり、研究予算が減ることになるぞ?」
「わ、分かりました!」
「参加するということだな?」
「時は来た。それだけであります!」
「うむ、その意気や良し!」
億葉の半ばやけくそ気味な返答に御剣は満足そうに頷く。愛が口を開く。
「た、隊長!」
「どうした、愛?」
「これでは3対2ですよ!」
「それは見れば分かる」
「哀さんたちが不利ではないですか⁉」
愛の言葉に哀が笑う。
「はっ、ちょうど良いハンデですよ」
「言ってくれるじゃねえか……」
千景が顔をひくつかせる。御剣が顎に手を当てて考えてから答える。
「……数を揃えた方が良さそうだな。愛、お前はツインズの方に加われ」
「はい⁉」
「これで3対3だな、よし十分後に始めるぞ。双方準備をしろ」
「はい!」
「了解しました」
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