81 / 123
第二章
第20話(3) 白熱の模擬戦
しおりを挟む
「さてと……」
「あの三人のことだけど……」
準備を終えた哀たちに愛が話しかける。愁が首を振る。
「ああ、それでしたら大丈夫です」
「え? で、でもどんな戦い方をするか知っておいた方が……」
「向こうも知らないでしょう。その方が公平です」
「出来るだけフェアな条件で倒す!」
「ええ……ま、まあ、あまり無理はしないでね」
意気込む哀に愛は優しく声をかける。そして、互いの隊が顔を合わせる。
「準備は良いな? それでは……始め!」
「はあっ!」
御剣の掛け声と同時に哀が億葉に飛びかかる。億葉が面食らう。
「こ、こっちに来た!」
「そんな馬鹿でかいリュックを背負って、まともに動けるんですか⁉」
「ふん!」
哀の攻撃を千景が受け止める。哀が舌打ちする。
「ちっ!」
「狙いを億葉に定めるのは読めていたぜ!」
「腕を止めたくらいで良い気になるな!」
「むっ⁉」
棒から飛んだ玉が弧を描いて千景を狙う。
「『一億個の発明! その9! ロングレンジマジックハンド!』」
「なにっ⁉」
億葉の繰り出したマジックハンドが玉を弾く。千景が笑う。
「ナイスだ、億葉! そらっ!」
「くっ!」
千景の振り下ろしたパンチを哀が後方に飛んでかわす。千景が感心する。
「へえ、よくかわしたじゃねえか……それにしてもけん玉か、なかなかトリッキーだな」
「はっ!」
「なんの!」
「なっ⁉」
万夜に向かってヨーヨー攻撃を繰り出した愁だったが、万夜の振るう鞭に弾かれる。
「妹さんはヨーヨーですか!」
「鞭とは!」
万夜と愁はお互いの武器を確認し、一旦距離を取る。万夜は愁と哀を見て考えを巡らす。
(けん玉とヨーヨーとは……少々意表を突かれましたが、分かってしまえばそれほどの脅威ではありません。トリッキーな軌道にさえ気を付ければ大丈夫でしょう。どちらもリーチが精々中距離くらい……わたくしの鞭や億葉さんの珍妙な発明品ならば、そちらの面でも優位に立てそうですね……)
「おらおらっ!」
万夜の考えている横から千景が果敢に飛びかかる。万夜が驚く。
「な、なにを! わざわざ飛び込むなど!」
「意表を突くんだよ!」
「~~! 仕方ありませんわね!」
千景に万夜が続く。哀たちが身構える横で愛が叫ぶ。
「……お貸し給へ!」
「ん⁉」
「こ、これは……⁉」
千景たちが驚いて足を止める。千景と万夜の式神が二体ずつ立ちはだかったからである。
「ご自分を攻撃するのは抵抗があるでしょう⁉」
「ちっ、愛め……」
「た、確かにあまり良い気分はしませんわね……」
「『一億個の発明! その579! 強化フレイムスプレー!』」
「はい⁉」
億葉がスプレーを使い、そこから噴き出した火が式神をあっという間に燃やす。
「ふっふっふ! 形代を用いる愛殿の術には火が有効! 対策はバッチリであります!」
胸を張る億葉に対し、千景と万夜が振り返って声を上げる。
「あります!じゃねえよ! 億葉!」
「す、少しは躊躇うということが無いのですか⁉」
「お二人とも! そんなことより突破口が開けましたぞ!」
「ちっ! おらあ!」
「億葉さん! 後で覚えてらっしゃい!」
「来るか! そら!」
「せい!」
「甘えよ!」
「むっ!」
「なんのこれしき!」
「むう!」
哀と愁の繰り出した攻撃は鋭さがあったが、千景と万夜はそれをあっさりとかわし、二人の懐に入る。愛が心の中で舌打ちをする。
(二人の攻撃スピードやセンスは決して悪くない! ただ、トリッキーな手の内がバレてしまうと分が悪い! やはり経験では千景さんたちが勝る!)
「もらった!」
「お終いです!」
千景たちが拳と鞭を振りかざす。愁がふっと笑う。
「……それで勝ったおつもりですか?」
「なっ⁉」
「そらそら!」
「お覚悟!」
哀がマシンガンを、愁がバズーカを取り出し、発射する。
「どわっ⁉」
「きゃっ⁉」
銃撃を喰らった千景と万夜が倒れ込む。愛が唖然とする。
「マ、マシンガンとバズーカ……?」
「アタシらゲーム配信もやっているんで」
「もちろん、模擬戦用にゴム弾に変えてあります。とはいえ、かなり痛いと思いますが……」
哀と愁が振り返って笑顔を浮かべる。
「ち、ちっくしょう……」
「ほう……まだ動けるとは、流石ですね。とどめといかせて頂きます……」
愁と哀が銃口を起き上がろうとする千景たちに向ける。哀が叫ぶ。
「これでアタシらが本隊だ!」
「『一億個の発明! その182! ぶっぱなしボム!』」
「うおっ⁉」
億葉が双方の間に爆弾を投げ込むと、爆風が発生して哀たちの銃撃を阻止する。
「『一億個の発明! その9! ロングレンジマジックハンド!』」
億葉がマジックハンドを伸ばして、千景と万夜を回収する。千景が呟く。
「た、助かったぜ、億葉……反撃といこうか」
「はっ、そんなボロボロで大丈夫ですか?」
「ちょうどいいハンデだよ……」
「強がりを!」
千景の言葉に哀が銃を向ける。突如として御剣が声を上げる。
「盛り上がってきたな! 気が変わった! 私も混ぜてもらおう!」
「⁉」
全員が驚きの表情で御剣を見つめる。
「ど、どういうことですか?」
「言葉の通りだ、私たちが全員まとめて相手をしてやる」
愛の問いに御剣が答える。万夜が訝しげに口を開く。
「まさか六人をお一人で相手するつもりですか?」
「私たちと言っただろう? 又左と勇次、黒駆も一緒だ」
「にゃ⁉」
「マジで⁉」
「わ、忘れられてなくて良かった……じゃなくて! た、隊長⁉」
「お前らも隊員なのだから、演習に参加しない手はないだろう? 又左、変化しろ」
「ご、強引だにゃ!」
又左が戸惑い気味に巨大化し、御剣がそれにまたがる。
「さあ、かかってこい」
「な、なめやがって! 愛、治癒してくれ!」
「は、はい!」
愛が駆け寄り、千景と万夜を回復する。千景が叫ぶ。
「うっし、回復! おい、哀愁ツインズ! 一時休戦だ! ここは共闘と行くぜ!」
「ははっ! 分かりました!」
「覚悟しな、姐御!」
千景たちが御剣の方に向き直る。御剣が静かに睨みつける。
「ほう……私に勝てるつもりか?」
「……まずは野郎二人を潰す!」
「ええっ⁉」
御剣の迫力に圧されたのか、千景たちが勇次たちに襲いかかる。
「うおりゃあ!」
「「ぐああっ!」」
千景たちの猛攻に勇次と三尋があっという間に倒されてしまう。御剣が感心する。
「ふむ……突然の共闘だが、意外と連携が取れているな……」
「こ、今度こそ姉様、お覚悟を! わたくしの声で動きを止めます!」
「ま、待て! 全員分の耳栓を準備してねえよ! 味方のことも考えろ!」
「巻き添えは御免であります!」
「……前言撤回。連携はまだまだこれからだな……上杉山流奥義『凍風』……」
「うおっ⁉」
刀をかざした御剣の周囲に冷気を帯びた強い風が吹き、トリオとツインズが凍り付く。
「……あ、危なかった……」
「お、愛、回避していたか。なかなかの危機察知能力だな」
「……初めからこれが狙いだったんですね?」
「あれこれと説明するよりは、直接戦った方が互いの理解が進むと思ってな」
「それでも文句が出そうですが……」
「まあ、ご機嫌取りは一応考えてあるさ……」
御剣は刀を納めて呟く。
「あの三人のことだけど……」
準備を終えた哀たちに愛が話しかける。愁が首を振る。
「ああ、それでしたら大丈夫です」
「え? で、でもどんな戦い方をするか知っておいた方が……」
「向こうも知らないでしょう。その方が公平です」
「出来るだけフェアな条件で倒す!」
「ええ……ま、まあ、あまり無理はしないでね」
意気込む哀に愛は優しく声をかける。そして、互いの隊が顔を合わせる。
「準備は良いな? それでは……始め!」
「はあっ!」
御剣の掛け声と同時に哀が億葉に飛びかかる。億葉が面食らう。
「こ、こっちに来た!」
「そんな馬鹿でかいリュックを背負って、まともに動けるんですか⁉」
「ふん!」
哀の攻撃を千景が受け止める。哀が舌打ちする。
「ちっ!」
「狙いを億葉に定めるのは読めていたぜ!」
「腕を止めたくらいで良い気になるな!」
「むっ⁉」
棒から飛んだ玉が弧を描いて千景を狙う。
「『一億個の発明! その9! ロングレンジマジックハンド!』」
「なにっ⁉」
億葉の繰り出したマジックハンドが玉を弾く。千景が笑う。
「ナイスだ、億葉! そらっ!」
「くっ!」
千景の振り下ろしたパンチを哀が後方に飛んでかわす。千景が感心する。
「へえ、よくかわしたじゃねえか……それにしてもけん玉か、なかなかトリッキーだな」
「はっ!」
「なんの!」
「なっ⁉」
万夜に向かってヨーヨー攻撃を繰り出した愁だったが、万夜の振るう鞭に弾かれる。
「妹さんはヨーヨーですか!」
「鞭とは!」
万夜と愁はお互いの武器を確認し、一旦距離を取る。万夜は愁と哀を見て考えを巡らす。
(けん玉とヨーヨーとは……少々意表を突かれましたが、分かってしまえばそれほどの脅威ではありません。トリッキーな軌道にさえ気を付ければ大丈夫でしょう。どちらもリーチが精々中距離くらい……わたくしの鞭や億葉さんの珍妙な発明品ならば、そちらの面でも優位に立てそうですね……)
「おらおらっ!」
万夜の考えている横から千景が果敢に飛びかかる。万夜が驚く。
「な、なにを! わざわざ飛び込むなど!」
「意表を突くんだよ!」
「~~! 仕方ありませんわね!」
千景に万夜が続く。哀たちが身構える横で愛が叫ぶ。
「……お貸し給へ!」
「ん⁉」
「こ、これは……⁉」
千景たちが驚いて足を止める。千景と万夜の式神が二体ずつ立ちはだかったからである。
「ご自分を攻撃するのは抵抗があるでしょう⁉」
「ちっ、愛め……」
「た、確かにあまり良い気分はしませんわね……」
「『一億個の発明! その579! 強化フレイムスプレー!』」
「はい⁉」
億葉がスプレーを使い、そこから噴き出した火が式神をあっという間に燃やす。
「ふっふっふ! 形代を用いる愛殿の術には火が有効! 対策はバッチリであります!」
胸を張る億葉に対し、千景と万夜が振り返って声を上げる。
「あります!じゃねえよ! 億葉!」
「す、少しは躊躇うということが無いのですか⁉」
「お二人とも! そんなことより突破口が開けましたぞ!」
「ちっ! おらあ!」
「億葉さん! 後で覚えてらっしゃい!」
「来るか! そら!」
「せい!」
「甘えよ!」
「むっ!」
「なんのこれしき!」
「むう!」
哀と愁の繰り出した攻撃は鋭さがあったが、千景と万夜はそれをあっさりとかわし、二人の懐に入る。愛が心の中で舌打ちをする。
(二人の攻撃スピードやセンスは決して悪くない! ただ、トリッキーな手の内がバレてしまうと分が悪い! やはり経験では千景さんたちが勝る!)
「もらった!」
「お終いです!」
千景たちが拳と鞭を振りかざす。愁がふっと笑う。
「……それで勝ったおつもりですか?」
「なっ⁉」
「そらそら!」
「お覚悟!」
哀がマシンガンを、愁がバズーカを取り出し、発射する。
「どわっ⁉」
「きゃっ⁉」
銃撃を喰らった千景と万夜が倒れ込む。愛が唖然とする。
「マ、マシンガンとバズーカ……?」
「アタシらゲーム配信もやっているんで」
「もちろん、模擬戦用にゴム弾に変えてあります。とはいえ、かなり痛いと思いますが……」
哀と愁が振り返って笑顔を浮かべる。
「ち、ちっくしょう……」
「ほう……まだ動けるとは、流石ですね。とどめといかせて頂きます……」
愁と哀が銃口を起き上がろうとする千景たちに向ける。哀が叫ぶ。
「これでアタシらが本隊だ!」
「『一億個の発明! その182! ぶっぱなしボム!』」
「うおっ⁉」
億葉が双方の間に爆弾を投げ込むと、爆風が発生して哀たちの銃撃を阻止する。
「『一億個の発明! その9! ロングレンジマジックハンド!』」
億葉がマジックハンドを伸ばして、千景と万夜を回収する。千景が呟く。
「た、助かったぜ、億葉……反撃といこうか」
「はっ、そんなボロボロで大丈夫ですか?」
「ちょうどいいハンデだよ……」
「強がりを!」
千景の言葉に哀が銃を向ける。突如として御剣が声を上げる。
「盛り上がってきたな! 気が変わった! 私も混ぜてもらおう!」
「⁉」
全員が驚きの表情で御剣を見つめる。
「ど、どういうことですか?」
「言葉の通りだ、私たちが全員まとめて相手をしてやる」
愛の問いに御剣が答える。万夜が訝しげに口を開く。
「まさか六人をお一人で相手するつもりですか?」
「私たちと言っただろう? 又左と勇次、黒駆も一緒だ」
「にゃ⁉」
「マジで⁉」
「わ、忘れられてなくて良かった……じゃなくて! た、隊長⁉」
「お前らも隊員なのだから、演習に参加しない手はないだろう? 又左、変化しろ」
「ご、強引だにゃ!」
又左が戸惑い気味に巨大化し、御剣がそれにまたがる。
「さあ、かかってこい」
「な、なめやがって! 愛、治癒してくれ!」
「は、はい!」
愛が駆け寄り、千景と万夜を回復する。千景が叫ぶ。
「うっし、回復! おい、哀愁ツインズ! 一時休戦だ! ここは共闘と行くぜ!」
「ははっ! 分かりました!」
「覚悟しな、姐御!」
千景たちが御剣の方に向き直る。御剣が静かに睨みつける。
「ほう……私に勝てるつもりか?」
「……まずは野郎二人を潰す!」
「ええっ⁉」
御剣の迫力に圧されたのか、千景たちが勇次たちに襲いかかる。
「うおりゃあ!」
「「ぐああっ!」」
千景たちの猛攻に勇次と三尋があっという間に倒されてしまう。御剣が感心する。
「ふむ……突然の共闘だが、意外と連携が取れているな……」
「こ、今度こそ姉様、お覚悟を! わたくしの声で動きを止めます!」
「ま、待て! 全員分の耳栓を準備してねえよ! 味方のことも考えろ!」
「巻き添えは御免であります!」
「……前言撤回。連携はまだまだこれからだな……上杉山流奥義『凍風』……」
「うおっ⁉」
刀をかざした御剣の周囲に冷気を帯びた強い風が吹き、トリオとツインズが凍り付く。
「……あ、危なかった……」
「お、愛、回避していたか。なかなかの危機察知能力だな」
「……初めからこれが狙いだったんですね?」
「あれこれと説明するよりは、直接戦った方が互いの理解が進むと思ってな」
「それでも文句が出そうですが……」
「まあ、ご機嫌取りは一応考えてあるさ……」
御剣は刀を納めて呟く。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
看病しに行ったら、当主の“眠り”になってしまった
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全36話⭐︎
倒れた当主を看病する役目を振られた使用人リィナは、彼の部屋へ通うことになる。
栄養、灯り、静かな時間、話し相手――“眠れる夜”を整えていく。そして、回復していく当主アレクシス。けれど彼は、ある夜そっと手を握り返し、低い声で囁く。
「責任、取って?」
噂が燃える屋敷で、ふたりが守るのは“枠(ルール)”。
手だけ、時間だけ、理由にしない――鍵はリィナが握ったまま。
けれど、守ろうとするほど情は育ち、合図の灯りはいつしか「帰る」ではなく「眠る」へ変わっていく。
看病から始まった優しい夜は、静かな執着に捕まっていく。
それでも、捕獲の鍵は彼ではなく――彼女の手にある。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
没落港の整備士男爵 ~「構造解析」スキルで古代設備を修理(レストア)したら、大陸一の物流拠点になり、王家も公爵家も頭が上がらなくなった件~
namisan
ファンタジー
大陸の南西端に位置するベルナ子爵領。
かつては貿易で栄えたこの港町も、今は見る影もない。
海底には土砂が堆積して大型船は入港できず、倉庫街は老朽化し、特産品もない。借金まみれの父と、諦めきった家臣たち。そこにあるのは、緩やかな「死」だけだった。
そんな没落寸前の領地の嫡男、アレン(16歳)に転生した主人公には、前世の記憶があった。
それは、日本で港湾管理者兼エンジニアとして働き、現場で散った「整備士」としての知識。
そして、彼にはもう一つ、この世界で目覚めた特異な能力があった。
対象の構造や欠陥、魔力の流れが設計図のように視えるスキル――【構造解析】。
「壊れているなら、直せばいい。詰まっているなら、通せばいい」
アレンは錆びついた古代の「浚渫(しゅんせつ)ゴーレム」を修理して港を深く掘り直し、魔導冷却庫を「熱交換の最適化」で復活させて、腐るだけだった魚を「最高級の輸出品」へと変えていく。
ドケチな家令ガルシアと予算を巡って戦い、荒くれ者の港湾長ゲンと共に泥にまみれ、没落商会の女主人メリッサと手を組んで販路を開拓する。
やがてその港には、陸・海・空の物流革命が巻き起こる。
揺れない「サスペンション馬車」が貴族の移動を変え、「鮮度抜群の魚介グルメ」が王族の胃袋を掴み、気性の荒いワイバーンを手懐けた「空輸便」が世界を結ぶ。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
さようなら、お別れしましょう
椿蛍
恋愛
「紹介しよう。新しい妻だ」――夫が『新しい妻』を連れてきた。
妻に新しいも古いもありますか?
愛人を通り越して、突然、夫が連れてきたのは『妻』!?
私に興味のない夫は、邪魔な私を遠ざけた。
――つまり、別居。
夫と父に命を握られた【契約】で縛られた政略結婚。
――あなたにお礼を言いますわ。
【契約】を無効にする方法を探し出し、夫と父から自由になってみせる!
※他サイトにも掲載しております。
※表紙はお借りしたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる