Angel's Ring

ルカ(聖夜月ルカ)

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07 知らない場所の生活

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 「う…う~ん…」

「気が付かれましたか!」

「……おまえは誰だ!!」

「あ…あやしいものではありません。
僕は、ウィンクル。
駆け出しの魔法使いです。
この町の近くであなたが倒れられていらっしゃったので、ここにお連れしたのです。」



『ギャブリエ様、この男の申していることは本当です。
お倒れになったあなたをこの者が発見し、ここまでお連れしたのです。』

瑠璃石がギャブリエに囁いた。



「そ…そうだったのですか。
それはどうもありがとうございました。」

「あ、そのままでいて下さい。
あなたは相当お疲れになっているようです。
ゆっくりお休み下さい。」

置きあがろうとしたギャブリエを制し、ウィンクルは優しい声でそう呟いた。



「あ…ありがとう…」

「あの…よろしければ、あなたのお名前を教えていただけますか?」

「私の名前はギャ…
……キャ…そう、キャリーです!」

「キャリーさん…?
良い名前だ…
それで、もしかしたらあなたは魔法使いなのですか?」

「そうですが、なぜそのことを…?」

「いでたちから推測したまでですが…そうですか…
魔法使い…うらやましいな。
では、なにか大きな魔力を遣われて体力を消耗されたのですね。」

「そういうことです。」

「僕はまだ体力を消耗するほどの魔法を知りません。
そうだ…!もし良かったら、僕をあなたの旅の仲間にしていただけませんか?
実は僕はこの町の仲間探しの酒場に行くつもりだったのです。
僕は魔法の腕はまだ全然だめですが、荷物を持ったり料理や洗濯の雑用…とにかくあなたのためにどんなお手伝いもしますから、僕に魔法を教えていただけないでしょうか?」

「私は…」

余計な者が同行していてはディディエを探す邪魔になるのではないかと思い断ろうとしたギャブリエだったが、答える直前に思い直した。



(そうだな…荷物持ちがいたら確かに助かる!)



「わかりました。
私は今、人探しの旅をしているのですが、それでも良ければあなたに魔法を教えてさしあげましょう。」

「本当ですか!
ありがとうございます!
それで、どなたをお探しなのですか?」

「どなた…って…
えっと…その…そう、弟を探しているのです。」

「弟さんを…?
それで手掛かりはあるのですか?
まず、弟さんのお名前と特徴を教えていただけますか?」



(この男、けっこうしっかりしているな。)



「弟はこの町に来たはずなのですが、特徴は…」

ギャブリエはディディエの特徴をウィンクルに詳しく教えた。

 
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