64 / 289
叶わない想い
13
しおりを挟む
「ギディオン、本当のことを言って!
私のことが嫌いになったの?
それとも、他に好きな人が出来たの?」
「……そうじゃないんだ、キャロル。
実はね、この所、ある準備に終われていた。」
「準備って…何の?」
「……ここを抜け出す準備だ。」
「えっ!!」
キャロラインは驚き、ギディオンの顔をじっとみつめる。
「……私は決めた。
君とここを出て行く。
ここを出て、君と人間の世界で暮らすんだ。」
「ギディオン…!
本気なの!?
本気でそんなことを…!?」
「あぁ、本気だとも。
酷く急だが、明日、決行だ。」
「で、でも、ここを離れたら、あなたは人間の姿を保てないんじゃ…」
キャロラインは、以前、ディランに聞いた話を思い出していた。
この森には目には見えない不思議な力があり、ここにいることで魔物達は常にその力を供給されている。
しかし、ここを離れてしまえばその力の供給が停まり、だんだんと力を失い、最後にはごく普通の魔物と変わらなくなってしまうのだと…
「キャロル、私を誰だと思ってるんだ。
森の守護者だぞ。
そうならないための魔法や薬を作るために今まで奔走していたんだ。」
「そうだったの!
ギディオン!ありがとう!
私、嬉しくてたまらないわ!」
キャロラインは、ギディオンに抱きつき、ギディオンはその身体をさらに強く抱き締めた。
(おまえのこんな嬉しそうな顔は初めてだ…
やはり、帰りたかったのだな…)
一生出られないと思っていたこの場所から明日出られるという信じられない程の喜びに、キャロラインは眠れない夜を過ごした。
私のことが嫌いになったの?
それとも、他に好きな人が出来たの?」
「……そうじゃないんだ、キャロル。
実はね、この所、ある準備に終われていた。」
「準備って…何の?」
「……ここを抜け出す準備だ。」
「えっ!!」
キャロラインは驚き、ギディオンの顔をじっとみつめる。
「……私は決めた。
君とここを出て行く。
ここを出て、君と人間の世界で暮らすんだ。」
「ギディオン…!
本気なの!?
本気でそんなことを…!?」
「あぁ、本気だとも。
酷く急だが、明日、決行だ。」
「で、でも、ここを離れたら、あなたは人間の姿を保てないんじゃ…」
キャロラインは、以前、ディランに聞いた話を思い出していた。
この森には目には見えない不思議な力があり、ここにいることで魔物達は常にその力を供給されている。
しかし、ここを離れてしまえばその力の供給が停まり、だんだんと力を失い、最後にはごく普通の魔物と変わらなくなってしまうのだと…
「キャロル、私を誰だと思ってるんだ。
森の守護者だぞ。
そうならないための魔法や薬を作るために今まで奔走していたんだ。」
「そうだったの!
ギディオン!ありがとう!
私、嬉しくてたまらないわ!」
キャロラインは、ギディオンに抱きつき、ギディオンはその身体をさらに強く抱き締めた。
(おまえのこんな嬉しそうな顔は初めてだ…
やはり、帰りたかったのだな…)
一生出られないと思っていたこの場所から明日出られるという信じられない程の喜びに、キャロラインは眠れない夜を過ごした。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる