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旅立ちの日
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俺は、衝動的に持っていた金を燃え残る炎の中に投げ捨てた。
そして、剣を引き抜き、その鋭い刃を両手で握り締めた。
俺の剣が…剣をふるったこの手が無性に憎かった。
生ぬるい血の感触が刃先を伝い、俺の腕に流れたが、不思議と痛みは感じない。
こんな手など、もう使い物にならなければ良いと思った。
その時、頭上で小さな羽音が響き、見上げた空には黄色い小鳥がいた。
(リリア!?)
それは、アイラがこの村に来てしばらくした時に飼った鳥の名だった。
羽を痛め、飛べなくなったその小鳥はこのあたりでは見た事もないレモンのような鮮やかな黄色い色をしていた。
その小鳥をアイラは保護し、リリアと名付けて可愛がった。
しかし、リリアはもう何年も前に死んだ。
それと時を同じくしてマギーの妊娠がわかり、アイラはリリアの生まれ変わりかもしれないと…そして、自分も今度生まれ変わる時にはこんな可愛い小鳥が良いと言って笑った。
死など欠片さえも考えていない頃だから、俺もその言葉を深く考えることはなかった。
「アイラ……君なのか…?
……アイラーーーー!」
小鳥は俺が涙を拭ったほんの一瞬の隙に姿を消した。
「アイラ…アイラ…!どこにいるんだ!?」
小鳥はもうどこにもいなかった。
きっと、あの小鳥はアイラだったんだ…
俺の馬鹿な行為を止めようとしたのだろう。
アイラは死んでもなお俺のことを案じていてくれてるのだと思うと、俺はたまらない気持ちになった。
急にずきずきと脈打ち、痛みを感じた両手を俺は手当てをして、そして、その場で狂ったように泣き喚いた。
亡くなった者達が感じたであろう恐怖や無念さを想うと、心が粉々に砕けてしまいそうで…その辛さが涙と喚き声に変わった。
そして、剣を引き抜き、その鋭い刃を両手で握り締めた。
俺の剣が…剣をふるったこの手が無性に憎かった。
生ぬるい血の感触が刃先を伝い、俺の腕に流れたが、不思議と痛みは感じない。
こんな手など、もう使い物にならなければ良いと思った。
その時、頭上で小さな羽音が響き、見上げた空には黄色い小鳥がいた。
(リリア!?)
それは、アイラがこの村に来てしばらくした時に飼った鳥の名だった。
羽を痛め、飛べなくなったその小鳥はこのあたりでは見た事もないレモンのような鮮やかな黄色い色をしていた。
その小鳥をアイラは保護し、リリアと名付けて可愛がった。
しかし、リリアはもう何年も前に死んだ。
それと時を同じくしてマギーの妊娠がわかり、アイラはリリアの生まれ変わりかもしれないと…そして、自分も今度生まれ変わる時にはこんな可愛い小鳥が良いと言って笑った。
死など欠片さえも考えていない頃だから、俺もその言葉を深く考えることはなかった。
「アイラ……君なのか…?
……アイラーーーー!」
小鳥は俺が涙を拭ったほんの一瞬の隙に姿を消した。
「アイラ…アイラ…!どこにいるんだ!?」
小鳥はもうどこにもいなかった。
きっと、あの小鳥はアイラだったんだ…
俺の馬鹿な行為を止めようとしたのだろう。
アイラは死んでもなお俺のことを案じていてくれてるのだと思うと、俺はたまらない気持ちになった。
急にずきずきと脈打ち、痛みを感じた両手を俺は手当てをして、そして、その場で狂ったように泣き喚いた。
亡くなった者達が感じたであろう恐怖や無念さを想うと、心が粉々に砕けてしまいそうで…その辛さが涙と喚き声に変わった。
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