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穏やかな村
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「すっごい!僕達にもこんなことが出来るんだね!」
「そうじゃ、皆で力を合わせて頑張れば出来ないことなんてない。」
「以前の人間の村にそっくりだ!」
「よくぞここまで頑張った。」
彼らは、出来上がった村を見渡し、皆、誇らしげな表情を浮かべました。
「だけど……ここには人間がいないよ。」
皆の中でも一際小さな魔物が言ったその一言に、皆の顔が暗く沈みました。
「そ、そうだ…かかしでも作ったらどうかな?
かかしをあちこちに立てたら……」
誰かの提案は、沈黙に打ち消されました。
「……そうじゃな。
村だけが出来たって、それだけじゃ、だめなんじゃ。
村には、人間がおらねば……」
「でも、村長…この村の人間は皆死んじまった。
女も男も、老人も子供も、皆、死んじまったじゃないか……」
「そんなことはわかっておる。
じゃから、ここには新たな人間を住まわせるんじゃ。」
「新たなって…どこからそんな人間を……」
その時、村長の姿が人間の老人の姿に変わりました。
「え?…あ…そういうことか!!」
皆は、村長の言おうとしていることを悟りました。
そして、各自が思い思いに人間の姿に変身したのです。
ある者は、若く美しい女性に、また、ある者はやんちゃそうな子供の姿に…
「これからわしらは人間の姿のままで、この村に住むことにしよう。
この村の人間達がしていたように働き、この村で暮らしていくのじゃ。」
それは、ただの好奇心だったのかもしれませんし、魔物が人間達にしたことへの罪滅ぼしのようなものだったのかもしれません。
人間の姿が加わったことで、村はさらに活気付きました。
まさに、彼らの好きだったあの村のようです。
彼らには人間の名前も付けられました。
以前の人間と同じように働き、会話し、遊びました。
最初はどこか照れていた彼らも、やがて、人間の姿が板につきすぎて、自分たちがもとは魔物だということを忘れてしまう程になりました。
ですが、やっぱり、エディのようにまだ慣れない者もいます。
「いいね。
もっと、しっかりと尻尾を封じること。
わかったね!」
「……わかったよ。
僕、頑張るよ。」
エディは、大婆様に約束しました。
横目で、ライアンのにやけ顔を疎ましげにみつめながら……
~fin.
「そうじゃ、皆で力を合わせて頑張れば出来ないことなんてない。」
「以前の人間の村にそっくりだ!」
「よくぞここまで頑張った。」
彼らは、出来上がった村を見渡し、皆、誇らしげな表情を浮かべました。
「だけど……ここには人間がいないよ。」
皆の中でも一際小さな魔物が言ったその一言に、皆の顔が暗く沈みました。
「そ、そうだ…かかしでも作ったらどうかな?
かかしをあちこちに立てたら……」
誰かの提案は、沈黙に打ち消されました。
「……そうじゃな。
村だけが出来たって、それだけじゃ、だめなんじゃ。
村には、人間がおらねば……」
「でも、村長…この村の人間は皆死んじまった。
女も男も、老人も子供も、皆、死んじまったじゃないか……」
「そんなことはわかっておる。
じゃから、ここには新たな人間を住まわせるんじゃ。」
「新たなって…どこからそんな人間を……」
その時、村長の姿が人間の老人の姿に変わりました。
「え?…あ…そういうことか!!」
皆は、村長の言おうとしていることを悟りました。
そして、各自が思い思いに人間の姿に変身したのです。
ある者は、若く美しい女性に、また、ある者はやんちゃそうな子供の姿に…
「これからわしらは人間の姿のままで、この村に住むことにしよう。
この村の人間達がしていたように働き、この村で暮らしていくのじゃ。」
それは、ただの好奇心だったのかもしれませんし、魔物が人間達にしたことへの罪滅ぼしのようなものだったのかもしれません。
人間の姿が加わったことで、村はさらに活気付きました。
まさに、彼らの好きだったあの村のようです。
彼らには人間の名前も付けられました。
以前の人間と同じように働き、会話し、遊びました。
最初はどこか照れていた彼らも、やがて、人間の姿が板につきすぎて、自分たちがもとは魔物だということを忘れてしまう程になりました。
ですが、やっぱり、エディのようにまだ慣れない者もいます。
「いいね。
もっと、しっかりと尻尾を封じること。
わかったね!」
「……わかったよ。
僕、頑張るよ。」
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