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帰還
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*
「オルジェス!
久しぶりじゃないか!
どうしたんだ!!」
ランディが畑から離れた隙をついて、オルジェスはルークに近付き耳打ちをした。
再会を懐かしむルークに、オルジェスはあたりを気にしながら手短に用件を話し、走り去った。
*
「ルークは、本当に一人で来るだろうか?
おまえと会ったことをランディ達に話さないだろうか?」
「大丈夫だ。
奴は、口が固いし、信用出来る奴なんだ。」
「それなら良いのだが…」
ちょうどその時、誰かが近づいてくる足音が聞こえ、ランプの明かりが二人の目に映った。
「オルジェス…どこだ?」
押し殺した声が響く…
「ルーク、ここだ!」
「オルジェス!!」
二人は、お互いの身体を強く抱き締め合った。
「オルジェス、何かあったのか?
このごろ、全然遊びに来てくれないし、この前、僕達が君の家に行った時には、君もトレルおじさんもいなかった。
それに、今日はこんな夜中に会うなんて…どうかしたのか?
あ…… 」
少し離れた所にいたベルナールに気付いたルークは、不意に話すのを止めた。
「ルーク…紹介するよ。
俺の兄さんのベルナールだ。」
「兄さん?!
君に兄さんなんていないだろう?」
「初めまして、ルーク。
君が驚くのは無理もない。
私は兄とはいっても義理の兄なんだ。」
「義理の…?」
「立ち話もなんだ。
あそこに座らないか?」
ベルナールはそう言いながら、大きな木の傍に歩きだした。
オルジェスとルークは黙ってその後に続き、三人は木の根元に腰を降ろした。
「ルーク、今夜は大切な話があるんだ。
辛い話だが…しっかりと聞いてくれ。」
オルジェスの表情から、ただならぬ雰囲気を感じたルークは黙って頷いた。
やがて、オルジェスはぽつりぽつりと話し始めた。
自分の母親が、人間ではなく悪魔だということをトレルから聞かされたこと…
そのことで、オルジェスはもう四年も前から家を出て、母親のことを調べていたこと…
そして、知ってしまった母親の哀れな最期と、トレルとイアンの本性のことを…
ルークは、青ざめた顔をしてオルジェスの話をただ黙って聞いていた。
「オルジェス!
久しぶりじゃないか!
どうしたんだ!!」
ランディが畑から離れた隙をついて、オルジェスはルークに近付き耳打ちをした。
再会を懐かしむルークに、オルジェスはあたりを気にしながら手短に用件を話し、走り去った。
*
「ルークは、本当に一人で来るだろうか?
おまえと会ったことをランディ達に話さないだろうか?」
「大丈夫だ。
奴は、口が固いし、信用出来る奴なんだ。」
「それなら良いのだが…」
ちょうどその時、誰かが近づいてくる足音が聞こえ、ランプの明かりが二人の目に映った。
「オルジェス…どこだ?」
押し殺した声が響く…
「ルーク、ここだ!」
「オルジェス!!」
二人は、お互いの身体を強く抱き締め合った。
「オルジェス、何かあったのか?
このごろ、全然遊びに来てくれないし、この前、僕達が君の家に行った時には、君もトレルおじさんもいなかった。
それに、今日はこんな夜中に会うなんて…どうかしたのか?
あ…… 」
少し離れた所にいたベルナールに気付いたルークは、不意に話すのを止めた。
「ルーク…紹介するよ。
俺の兄さんのベルナールだ。」
「兄さん?!
君に兄さんなんていないだろう?」
「初めまして、ルーク。
君が驚くのは無理もない。
私は兄とはいっても義理の兄なんだ。」
「義理の…?」
「立ち話もなんだ。
あそこに座らないか?」
ベルナールはそう言いながら、大きな木の傍に歩きだした。
オルジェスとルークは黙ってその後に続き、三人は木の根元に腰を降ろした。
「ルーク、今夜は大切な話があるんだ。
辛い話だが…しっかりと聞いてくれ。」
オルジェスの表情から、ただならぬ雰囲気を感じたルークは黙って頷いた。
やがて、オルジェスはぽつりぽつりと話し始めた。
自分の母親が、人間ではなく悪魔だということをトレルから聞かされたこと…
そのことで、オルジェスはもう四年も前から家を出て、母親のことを調べていたこと…
そして、知ってしまった母親の哀れな最期と、トレルとイアンの本性のことを…
ルークは、青ざめた顔をしてオルジェスの話をただ黙って聞いていた。
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