深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

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復讐の連鎖

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「……ベルナール…今のはもしかして…?」

ベルナールは歩みを緩める事なく、さらにルークの方を見ることもなく頷いた。



 「これも、オルジェスには内緒だぞ。
だがな、さっきは暗かったとはいえ完全に顔を見られている。
この町には様々な人間が始終出入リしているからすぐにおまえだとはわからんだろうが、目を付けられると今後の仕事がやりにくくなる。
 今、おまえがここにいるということでおまえへの疑惑は消える。
あの場所から遠くはないとしてもこんなに早く来られる筈はないのだからな。
 良いか、ルーク。
 決して悟られるな。
 出来るだけ、愚かで間抜けな人間を演じるのだ。
……抵抗があるかもしれんが、真の馬鹿には愚か者の真似は出来ない。
すなわち、愚かなふりが出来るのは愚か者ではないという証明になるというわけだ。
おまえは喧嘩をしたこともなければ、力も弱く、何の取り柄もない人間を装うのだ。
その演技がうまければうまいほど、おまえの仕事はこれからやりやすくなる。
この町でどれだけさっきのような事件が起ころうと、それとおまえを結びつけて考える人間はいなくなる程に愚か者を演じるのだ…良いな……」

ベルナールは先程と同じく、周りの人間には二人が会話をしているとはわからないように、ただ前を向いて歩きながら話し続けた。
ルークはベルナールの言葉にしばらく俯いたまま何の動作も示さなかったが、やがて、ゆっくりと頷いた。



 「わかったよ。
 僕は、弱くて馬鹿で意気地のない人間のふりをする…」

 「その意気だ、ルーク!
おまえが本当はそんな男でないことは、私がよくわかっている。
さっきの戦いぶりはたいしたものだったぞ。
おまえがあそこまでやれるとは、正直言って思ってはいなかった。」

 「本当…!?」

ルークは立ち止まり、嬉しそうに顔を輝かせベルナールの腕を両手で握り締めた。
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