深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

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復讐の連鎖

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「……あぁ、本当だとも。
 知らないうちに随分と腕を上げたのだな。
……だがな、ルーク。
 最初から武器を持て。
それと、正面から出て行く必要はない。
さっきも、背後から近付き、武器を使っていれば、もっと簡単に…そして顔を見られることもなくやれたはずだ。」

 「……そうだね…君の言う通りだ。
これからはそうするよ。」



やがて、二人は宿の主人に教えられた店に着いた。
 店の中でも傷付いたルークの顔は目をひき、その好奇の視線に応えるようにベルナールは自ら周りに向かってルークが町のはずれで若い男に襲われたことを強調して話した。
いつしか二人の周りには、大勢の客達が群がっていた。



 「それで、そいつはどんな男だったんだ?」

 「まだ若い男だと思う…顔は隠していたが、雰囲気からしてきっとこいつと同じくらいだと思う。
 背格好もこいつと同じくらいだが、髪が黒かったな。」

 「金は取られなかったのか?」

 「あぁ、それは大丈夫だった。
 元々、こいつにはほんの小遣い程度しかもたせてなかったんだ。

だが、それで余計に腹が立ってこれほどまでに痛め付けられたのかもしれん。
もっと大金を持っていれば、すぐに立ち去ったかもしれないな。」

 「よう、兄ちゃん、なんだよ、全部こっちの兄ちゃんに話させて…
しっかりしろよ!!」

 男は、少し酔っているのかほんのりと赤い顔をしながらルークの肩を景気良く叩く。



 「こいつは、あまり話すのがうまくなくてな…人見知りな性分なんだ。
 私の遠縁にあたるのだが、少し世間を見させてやってほしいとこいつの両親に頼まれて、それで一緒に旅をしてるんだ。」

 「なるほどな。
いかにもそんな感じだな。
 大事にされて育ったんだろうな。
もしかしたら一人っ子か?」

 「あぁ、そうだ。」

ベルナールの嘘に、男は納得したように一人頷く。



 「おい、男は喧嘩の一つくらい出来なきゃ駄目だぞ!」

 「なんなら俺が鍛えてやろうか?」

 男達は、あからさまにルークを馬鹿にした口調でそう言うと、どっと笑う。
ルークは、何を言われても俯いたまま全く口を開かなかった。
その様子が傍目にはいかにも意気地のない男に見えた。
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