深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

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復讐の連鎖

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「もう止せ。
 今、そんなことを言い合っても仕方がなかろう。
……そんなことよりも……」

 不意にアズラエルの眉間に深い皺が刻まれ、言いかけた言葉を飲みこんだ。




 「……どうかしたのか、アズラエル?」

 「いや……」

 「なんだよ、何かあるのなら言えよ。」

 「すまん…
今、不意に思い浮かんだのだが……
二人が次に行くとしたら……もしかしたらランディの家ではないかと……」

アズラエルの低い囁きにランディの歩みが止まった。



 「まさか……
だって、あいつらはサマンサにあんな酷い事をして、その上、ローリーにまであんなことを…
それなのに、まだなにかをやらかすっていうのか?
アズラエル、いくらなんでもルークはそんな悪人じゃないぜ!
もちろん、オルジェスだって…」

 「……そうだな…つまらないことを言ってすまなかった。」

アズラエルは、息を抜きふっと微笑んだ。



 「いや……ランディ、ありえないことではないぞ。
……そうだ…なぜ、気付かなかったんだろう…

次に狙うとしたら、俺の家かランディの家以外いないんじゃないか?
だが、俺の家には誰もいない…それを知ったら、奴らはきっと…」

 「ば…馬鹿な…!」

ランディは、拳を堅く握り締め込みあがる感情を押さえ込んだ。



 「何もなければそれで良い。
 私が今から見に行ってこよう。」

アズラエルは、嫌な胸騒ぎが大きくなるのを感じていた。
 事実を確認しなければ落ちつけない程に大きく…



「待ってくれ!
それなら俺も一緒に連れて行ってくれ!」

ランディは、アズラエルの腕にすがりついた。
 三人の不安はもはや押さえきれないほど、大きなものに変わっていた。




 「わかった。
では、トレル、行って来る。
 何もなければずぐに戻るからな。」

トレルが頷くと同時に、二人の姿は彼の目の前からかき消えた。



 (まさかとは思うが、な……)

トレルは、その場に立ち止まり、ポケットから取り出した煙草に火をつけた。
 不安な気持ちをおさえるようにゆっくりと煙を吐き出す。



 (良い報告を待ってるぜ…)


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