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決意
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「コージー……」
ルークとオルジェスは丘の上にひっそりと佇むコージーの墓に白い花を手向け、心を込めて彼の冥福を祈った。
薄暗くなったサーリックの村には人影もまばらで、二人は誰とも出会うことなく行動することが出来た。
「見事になくなっちまったんだな…」
丘の上から、ランディの屋敷のあった場所を見下ろしながら、オルジェスがぽつりと呟く。
精霊の炎によって何もかもが焼き尽されたその場所は、二人の目にはすでに手を入れられ更地になっているように映った。
「……おまえがやったと思われてるってことは、放火だったのかな?」
「まさか。
この村に、放火をするような奴はいないよ。」
「……そうだよな…
じゃあ、何が原因だったんだろう?」
「……さぁな。
あの家では誰も煙草は吸わないし、火の取り扱いについてはおじいちゃんがうるさかったから、めったなことでは火事なんて起きないと思うんだけどな。
それに、コージーは機敏だった。
僕なんかとは比べ物にはならないくらい運動神経は良かったし、ぼーっとしてるような子じゃなかったのに、なんであいつだけが……」
そう言ってルークは言葉を詰まらせた。
「……オルジェス…まさか、この火事はベルナールがやったんじゃないよね?」
「ば、馬鹿な!
ベルナールはそんなことはしない。
ランディにはすでに罰を与えたし、もう相手にもしてない筈だ。
それに、ベルナールは俺にはなんだって話してくれる!」
「でも……」
「おまえ、ベルナールを疑ってるのか!?」
オルジェスの声に気迫がこもり、眉間には深い皺が刻まれた。
「そういうわけじゃないよ…
ただ…なんでこんなことになったのかちょっと気になっただけ…」
「……それならちょっと調べてみよう。」
「でも、誰かが君のことを覚えていたら…」
「もちろん、そこんとこは考えてある。
どこかで下っ端の悪魔をみつけて、そいつに調べさせよう。」
オルジェスはルークの手を掴み、その場所から姿を消した。
「コージー……」
ルークとオルジェスは丘の上にひっそりと佇むコージーの墓に白い花を手向け、心を込めて彼の冥福を祈った。
薄暗くなったサーリックの村には人影もまばらで、二人は誰とも出会うことなく行動することが出来た。
「見事になくなっちまったんだな…」
丘の上から、ランディの屋敷のあった場所を見下ろしながら、オルジェスがぽつりと呟く。
精霊の炎によって何もかもが焼き尽されたその場所は、二人の目にはすでに手を入れられ更地になっているように映った。
「……おまえがやったと思われてるってことは、放火だったのかな?」
「まさか。
この村に、放火をするような奴はいないよ。」
「……そうだよな…
じゃあ、何が原因だったんだろう?」
「……さぁな。
あの家では誰も煙草は吸わないし、火の取り扱いについてはおじいちゃんがうるさかったから、めったなことでは火事なんて起きないと思うんだけどな。
それに、コージーは機敏だった。
僕なんかとは比べ物にはならないくらい運動神経は良かったし、ぼーっとしてるような子じゃなかったのに、なんであいつだけが……」
そう言ってルークは言葉を詰まらせた。
「……オルジェス…まさか、この火事はベルナールがやったんじゃないよね?」
「ば、馬鹿な!
ベルナールはそんなことはしない。
ランディにはすでに罰を与えたし、もう相手にもしてない筈だ。
それに、ベルナールは俺にはなんだって話してくれる!」
「でも……」
「おまえ、ベルナールを疑ってるのか!?」
オルジェスの声に気迫がこもり、眉間には深い皺が刻まれた。
「そういうわけじゃないよ…
ただ…なんでこんなことになったのかちょっと気になっただけ…」
「……それならちょっと調べてみよう。」
「でも、誰かが君のことを覚えていたら…」
「もちろん、そこんとこは考えてある。
どこかで下っ端の悪魔をみつけて、そいつに調べさせよう。」
オルジェスはルークの手を掴み、その場所から姿を消した。
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