魔法のパイ屋さん

ルカ(聖夜月ルカ)

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魔法のパイ屋さん

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後ろを振り返って見ても、魔女が追って来る気配はない。



(やった。
チョロいもんだぜ!
後は、このかぼちゃを繰り抜くだけだが…そうだ!
カパエルにやらせよう!)

ルディは勝手なことを考えながら、パーティ会場に向かって走った。







「すんごい可愛い~!
まるで本物のかっぱさんみたいだわ!」

「ハロウィンにカッパなんて、発想がユニークだわ!
きっと、素顔も素敵な人なのね。」

魔女やゴースト、フェアリーの仮装をした若い女の子達に囲まれ、カパエルが楽しく談笑している所へ、柵の外から彼を呼ぶ声が聞こえた。



「あ、ルディだ。
僕、ちょっと行って来るね!」

ルディは、カパエルの名を呼びながら大きく手を振っている。



「ルディ~!」

カパエルが柵の所へ走って行くと、そのまま外へ連れ出された。
ルディは、説明もせずカパエルを人気のない場所へ連れて行く。



「ルディ、なんで仮装してないの?
こんな所で何をするつもりなの?」

ルディは、尋ねるカパエルの前に、鋭い短刀を差し出した。



「ひーーーーーっ!!
ぼ、僕だけ料理を食べたから、こ、殺すつもりなの!?」

「馬鹿か、そんなことで殺すわけないだろ。
いいか、カパエル。
皆が持ってるかぼちゃのランタンがあるだろう?
これであれと同じようなものを作るんだ。
目は三角で、口はぎざぎざだぞ。
頭がすっぽり入るように中は綺麗に繰り抜くんだぞ。
俺はそれをかぶって、かぼちゃ男の仮装をするんだ。
時間がない!
さぁ、大急ぎで頼むぞ!」

「あぁ、びっくりした…
それなら、僕、出来るよ。待っててね!」

カパエルは、ほっと胸を撫で下ろし、短刀を握り締めると信じられないスピードで、中の身を繰り出し始めた。



(す…すげぇ…
いつもはただの馬鹿なのに、何かをさせるとこいつは異常な程すごい技を見せてくれるぜ…)

カパエルの超人技に、ルディはあんぐりと口を開けたまま見つめ続けた。
その間にも、かぼちゃの中身は空洞になり、やがて、前面にはどこか芸術的な表情をした顔が彫り込まれた。



「出来たよ!
これで良い?」

カパエルは、出来あがったばかりのかぼちゃの頭を差し出した。



「よし!バッチリだ!」

ルディは、差し出されたかぼちゃの頭をすっぽりとかぶる。
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