魔法のパイ屋さん

ルカ(聖夜月ルカ)

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(うっ、かぼちゃくせぇ!
……ま、いいか、これで飲み食いがタダになるなら、我慢のし甲斐もあるってもんだ!
首もとは……あれれ?)

頭が入る程度に繰り抜いてあるのだから、首もとがガバガバするかと思いきや、まるで自分の頭のようにぴったりとおさまっていることをルディは少し不思議に感じながらも、先程からずっと鳴き続けている腹の虫のおさめるために、ルディはパーティ会場に向かって駆け出した。



「ルディ、待ってよ~!」

「早くしろ!カパエル!
急がないと料理がなくなっちまうぞ!」



今回は、ルディもすんなりと中に入れてもらえることが出来た。
普段、あまり口にすることが出来ないような号かな料理や酒が食べ放題・飲み放題というこの状況に、ルディは小躍りしながら次から次へと料理をたいらげていった。
しかも、パーティ会場にはルディの大好きなかわい子ちゃんがたくさん詰めかけていた。
いつもならおっさんと間違えられて相手にもされない所だが、かぼちゃ頭で素顔が隠れているため楽しく会話をすることが出来、ルディは久しぶりに天国のような幸せな時間を満喫していた。



「ねぇ、このかぼちゃの頭、本当のかぼちゃで作ってるんでしょう?
中はどうなってるの?」

「え…?どうって何が?」

「いや~ね、誤魔化して。
だって、目や口の中から本当の顔が全く見えないんですもの。
とってもうまく作ってあるわね。
まるで本当の頭みたい。」

「ハハハ、俺は昔から手先だけは器用だからな!」

ルディは、カパエルの作ったかぼちゃ頭の出来映えに満足していた。
それは、皆が同様にそのようなことを言ってくれたからだった。
ルディの方からは、外の状態がよく見えるし、食べ物を食べる時にもまるで不自由はない。
なのに、外側からルディの素顔が見えにくい構造になってるのは、ひとえにカパエルの技術のためだとルディは密かに感心していた。

やがて、楽しいパーティの時間はあっという間に過ぎ去り、0時になるとこの時間には不似合いな鐘の音が町中に響き渡った。



「さて、本日の仮装大会の優勝者の発表です!
優勝者は……カパエルさんです~~!」

カパエルの周りで若い女性の歓声が上がり、カパエルは少し照れながらおずおずと壇上へ上って行く。



「おめでとう、カパエルさん!
ハッピーハロウィン!!」

皆の拍手に囲まれながら、カパエルは賞金を受け取った。
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