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キリーの店のチョコレート
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「そうなんだ。しかも、この試写会、僕も当たったんだよ。
なかなか来ないから今回ははずれたと思ってたら、昨日2通も届いたからびっくりして…
もう日にちもないから、もし間に合わなかったらいけないと思って持って来たんです。」
「そうだったんですか!
私もこれはもうはずれたと思ってました。
こんなにギリギリになって届くなんて…」
「本当だね。でも、間に合って良かった。
それにちゃんと手渡せて良かったです。
じゃ、僕はこれで…」
「あ…ありがとうございました!」
(うわ~!これ、競争率が高いから絶対はずれたんだと思ってた。
しかも、あの人…わざわざ持って来てくれるなんて、なんて親切なんだろう?
それに、けっこうかっこ良かったよね。
あ、近くでお茶くらいご馳走すれば良かったかな?
あんな簡単なお礼しか言えなかった…
試写会でまた会えるかな?
なぁ~んて、無理よね…
何千人も入るホールだもん。
会えるわけないよね…)
次の日、昨日の約束通り、マリエはミチルに晩御飯をご馳走になった。
「えーーーーっ!いいなぁ…
私もそれ、見たかったんだぁ、私も連れてってよ!」
「ペア招待券だったら言われなくてもとっくに誘ってるってば。
今回は1枚で1人しか入れないんだ。」
「なぁ~んだ…残念…」
「公開されたら、剣ちゃんと一緒に見に行けば~?
私は、一人寂しく見て来るから。」
「あはは、そっか~
剣ちゃんと見にいく時に、私だけもう見てたら一緒に楽しめないもんね。」
(ミチルったら、剣ちゃんの名前が出ただけで、すぐに鼻の下が伸びるんだから…!)
そんな事で、多少、気分を害しながらも、食事はおいしかった。
(ま、いいや。
私は純粋に映画を楽しみに行くんだから、一人だって寂しくないし…)
次の日、帰り際に言いつけられた雑用のせいで、予定よりも少し遅くなってしまったマリエは試写会の行われるホールに向かって走っていた。
(チキショー、あのハゲ部長のせいで…!)
でも、ずっと走って来た甲斐あってどうにか間に合いそうだ。
やっと、会場に着いて招待券をバッグから出していると、そこにマリエ同様、息を切らして駆け込んで来る男性の姿があった。
「あ…!!あなたは…!!」
「あ!!藤木さん!」
なかなか来ないから今回ははずれたと思ってたら、昨日2通も届いたからびっくりして…
もう日にちもないから、もし間に合わなかったらいけないと思って持って来たんです。」
「そうだったんですか!
私もこれはもうはずれたと思ってました。
こんなにギリギリになって届くなんて…」
「本当だね。でも、間に合って良かった。
それにちゃんと手渡せて良かったです。
じゃ、僕はこれで…」
「あ…ありがとうございました!」
(うわ~!これ、競争率が高いから絶対はずれたんだと思ってた。
しかも、あの人…わざわざ持って来てくれるなんて、なんて親切なんだろう?
それに、けっこうかっこ良かったよね。
あ、近くでお茶くらいご馳走すれば良かったかな?
あんな簡単なお礼しか言えなかった…
試写会でまた会えるかな?
なぁ~んて、無理よね…
何千人も入るホールだもん。
会えるわけないよね…)
次の日、昨日の約束通り、マリエはミチルに晩御飯をご馳走になった。
「えーーーーっ!いいなぁ…
私もそれ、見たかったんだぁ、私も連れてってよ!」
「ペア招待券だったら言われなくてもとっくに誘ってるってば。
今回は1枚で1人しか入れないんだ。」
「なぁ~んだ…残念…」
「公開されたら、剣ちゃんと一緒に見に行けば~?
私は、一人寂しく見て来るから。」
「あはは、そっか~
剣ちゃんと見にいく時に、私だけもう見てたら一緒に楽しめないもんね。」
(ミチルったら、剣ちゃんの名前が出ただけで、すぐに鼻の下が伸びるんだから…!)
そんな事で、多少、気分を害しながらも、食事はおいしかった。
(ま、いいや。
私は純粋に映画を楽しみに行くんだから、一人だって寂しくないし…)
次の日、帰り際に言いつけられた雑用のせいで、予定よりも少し遅くなってしまったマリエは試写会の行われるホールに向かって走っていた。
(チキショー、あのハゲ部長のせいで…!)
でも、ずっと走って来た甲斐あってどうにか間に合いそうだ。
やっと、会場に着いて招待券をバッグから出していると、そこにマリエ同様、息を切らして駆け込んで来る男性の姿があった。
「あ…!!あなたは…!!」
「あ!!藤木さん!」
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