夢幻の騎士と片翼の王女

ルカ(聖夜月ルカ)

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木々は、山肌をなめ尽くすように次々と燃え広がり、私はいつの間にか火の海に取り囲まれていた。
 赤い炎がめらめらと燃え、白い煙をもうもうと舞い上げていた。
その光景は、怖いけれど、今までに見たことのないほど綺麗なもので、私はその炎に見とれた…



(お母さん……ごめんなさい……)



なぜだか涙が止まらなくなった。
 今にして思えば、私はあの時、幼いながらも「死」というものを覚悟したのかもしれない。
 目の前で母を亡くしたことで、心が壊れてしまっていたのかもしれない。
 逃げようと思えば、私はいくらでも逃げることが出来たのに、私はそうしなかったのだ。



あたりはいつの間にか、真夏のような暑さになっていた。
なんとなく息苦しい…
私は湖のほとりに身を横たえ、そっと目を閉じた。



 (お母さん…お父さん……)



 私の頭の中には、まだ優しかった頃の両親の顔が浮かんでいた。
 二人は、とても穏やかな顔で微笑んでいて…私は、胸が熱くなり、閉じた瞼から涙が一筋溢れ出た。

 
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