深淵に眠る十字架

ルカ(聖夜月ルカ)

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 「あっ、あつっ!!
な、な、なんだい!これは?
やけに、話がうまいと思ったら…いたずらだったんだね!
酷いじゃないか!馬鹿野郎!!
あんたなんか、向こうへお行きっっ!!」

露店の女は、右手をさすりながら、ルシファーに向かって大きな声で怒鳴りつけた。



「畜生!」



ルシファーは、地面を拳で叩きつけ、女に背を向け通りを歩き出した。



(アズラエルの奴…
そう簡単に、これははずせないってことか。
どこまでもオレの邪魔をするつもりだな…!!)



アズラエルに架けられたロザリオのせいで、ルシファーの力の大半は封じこまれていた。
自分でははずせない…
だが、人間にならはずせると甘く考えていたが、どうやらそうではなかったらしい。



(忌々しい奴め…!!
…とにかく、何か、別の手を考えねばならんな…)



ルシファーは騒がしい通りを抜け、畑のあぜ道を一人、歩く…
遅い時間のせいなのか、あたりに人影はない。
あぜ道を抜け、拓けた場所で寝転ぶと、空には流星の雨が降り続いている。



(なんてことだ…
今頃、スィーク・レノへの入口が開いている頃だろうに…この忌々しいロザリオのせいで…
とにかく、これをなんとかしなければ…)


漆黒の闇の中…ルシファーは、一心に想いを巡らす…
今の状況を打破する手立ては、何かあるはず…


(そうだ…!!思い出したぞ。
ロザリオをはずしてくれる者がいた…!)



肩を震わせ、ルシファーは笑いを噛み殺す…



(奴のことをすっかり忘れていたとは…我ながら愚かなことだ…)



次の瞬間、ルシファーの身体は真っ黒な鷹の姿に変わり、星の流れる空高く飛び去った…
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