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都会っ子
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「わぁ…もしかして、これっておたまじゃくし!?」
そう言って、田んぼの中をのぞきこんで顔を綻ばせているのは、最近、この町に引っ越して来た裕二君。
裕二君の手には、このあたりではまず見ることのない春日傘。
「おたまじゃくし…見たことないの?」
「うん、初めて見たよ!」
「へぇ…」
おたまじゃくしを初めて見たなんて、信じられない。
でも、裕二君は都会生まれ。
きっと、都会にはおたまじゃくしはいなかったんだろうね。
裕二君は喘息が酷くなって、それで、おばあちゃんのいるこの町に来たらしい。
僕の家はそのおばあちゃんの隣の家で、僕と裕二君が同じ年で同じクラスになってしまったから、自然と仲良くなったんだけど、でも、やっぱり戸惑うことは多い。
今まで、日傘をさす男の子なんて見たことなかったし…
「ねぇ、裕二君…
どうして傘さしてるの?」
僕はつい気になって、ストレートに聞いてしまった。
「あぁ、これ?
おばあちゃんが持っていけって言うから。
僕、日差しにも軽いアレルギーがあるんだ。」
「日差しのアレルギー?」
そんなのも初耳だった。
日に焼けて、皮がめくれて痛い想いをしたことはあるけど、日差しのアレルギーってどんな風になるんだろう?
「呆れるでしょ?
体弱くて、僕自身もいやになっちゃうよ。」
そう言って、裕二君は苦笑いを浮かべた。
なんだか可哀想だよね…
裕二君が悪いわけじゃないのに…
「う、ううん。なかなか似合ってるよ、その日傘。」
「似合うって…」
裕二君は、また苦笑いを浮かべた。
似合ってるなんて言って、却って失礼だったかな?
「ねぇ、裕二君…神社に行ってみない?」
「神社?」
「うん、裕二君の体が元気になるように、神様に一緒にお願いしようよ。」
「……淳君、ありがとう!」
僕達は、ふたり並んで神社を目指した。
初夏の熱い太陽も、日傘越しだとどこか優しい。
日傘を持つ裕二君は、本当にあか抜けてて、都会の子って感じだ。
男の子が日傘を持つのも悪くないなと…僕はそんな風に思えるようになった。
そう言って、田んぼの中をのぞきこんで顔を綻ばせているのは、最近、この町に引っ越して来た裕二君。
裕二君の手には、このあたりではまず見ることのない春日傘。
「おたまじゃくし…見たことないの?」
「うん、初めて見たよ!」
「へぇ…」
おたまじゃくしを初めて見たなんて、信じられない。
でも、裕二君は都会生まれ。
きっと、都会にはおたまじゃくしはいなかったんだろうね。
裕二君は喘息が酷くなって、それで、おばあちゃんのいるこの町に来たらしい。
僕の家はそのおばあちゃんの隣の家で、僕と裕二君が同じ年で同じクラスになってしまったから、自然と仲良くなったんだけど、でも、やっぱり戸惑うことは多い。
今まで、日傘をさす男の子なんて見たことなかったし…
「ねぇ、裕二君…
どうして傘さしてるの?」
僕はつい気になって、ストレートに聞いてしまった。
「あぁ、これ?
おばあちゃんが持っていけって言うから。
僕、日差しにも軽いアレルギーがあるんだ。」
「日差しのアレルギー?」
そんなのも初耳だった。
日に焼けて、皮がめくれて痛い想いをしたことはあるけど、日差しのアレルギーってどんな風になるんだろう?
「呆れるでしょ?
体弱くて、僕自身もいやになっちゃうよ。」
そう言って、裕二君は苦笑いを浮かべた。
なんだか可哀想だよね…
裕二君が悪いわけじゃないのに…
「う、ううん。なかなか似合ってるよ、その日傘。」
「似合うって…」
裕二君は、また苦笑いを浮かべた。
似合ってるなんて言って、却って失礼だったかな?
「ねぇ、裕二君…神社に行ってみない?」
「神社?」
「うん、裕二君の体が元気になるように、神様に一緒にお願いしようよ。」
「……淳君、ありがとう!」
僕達は、ふたり並んで神社を目指した。
初夏の熱い太陽も、日傘越しだとどこか優しい。
日傘を持つ裕二君は、本当にあか抜けてて、都会の子って感じだ。
男の子が日傘を持つのも悪くないなと…僕はそんな風に思えるようになった。
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