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むかしーらんど
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「あっ!見て!
あそこになんかあるよ。」
「えっ!あ、本当だ。」
その日、僕と順子は旅行に来ていた。
ネットでみつけた格安の旅行だ。
安い割には、旅館も綺麗だったし、食事も美味しかった。
昨日は海に行き、子供時代に戻って、二人で思いっきり泳いだ。
今日は帰る前にちょっと時間があったので、近くを散策していた。
そんな時、僕らはそこをみつけたんだ。
近付いてみると、木の看板にかすれた文字で何やら書いてあった。
「何なに?む、かしーうんど?」
「違うよ、きっと、むかしーらんどだよ。」
「何?むかしーらんどって?」
「さぁ…??」
「ようこそ、むかしーらんどに!」
「わっ!」
振り向くと…
「うわっ!」
そこには、サングラスをかけ、ビキニを着たつるっぱげの爺さんがいた。
これはやばい!
逃げようとしたら、爺さんが僕の腕をがしっと掴んだ。
「さぁさ、こちらへ。
むかしーらんど特製のゼットコースターへどうぞ。」
「す、すごいですね。ジェットコースターなんてあるんですね。」
「あるよ、あるよ。わしの手作りじゃよ!ここのあとらくしょんは、全部わしが作ったんじゃ。」
えーっ!
手作りー!?
大丈夫なのか~!
着いたら、そこにはみかん箱みたいな粗末な乗り物があった。
「さぁ、乗んなさい。」
「は、はい。」
嫌と言えないのが、僕達の悪いところだ。
僕らは、みかん箱に並んで座った。
「ミュージックスタート!」
爺さんは古めかしい蓄音機を動かした。
間延びした音楽が流れ、箱が坂をゆっくりと登りだした。
まさか、ぶつかって大破することなんてないよな?
不安でドキドキは最高潮だ。
ある意味、無茶苦茶、怖い!
坂はそう高くはなかったけど、妙に怖い。
「うわぁ~!」
僕と彼女は抱き合い、大声を上げた。
「……ん?」
「はいっ、お疲れさん!」
ゆるゆると箱が落ちた。
滑り台程度のものだった。
(どこが、ジェットコースターだ!)
心の中では愚痴を言いながらも、実際には何も言えない。
僕らは次々にへんてこなしょーもない遊具に乗せられ…
帰り際には、ひとり5000円という料金を取られた。
「酷い目にあったね。」
「うん、でも、まぁ、これも夏の思い出だよ。
カズ君と一緒だと、どんなことも楽しいよ。」
「順子……」
あぁ、僕はなんて素敵な彼女を持ったんだろう?
本当に幸せだ!
むかしーらんどのおかげで、僕はそのことを再認識した。
あそこになんかあるよ。」
「えっ!あ、本当だ。」
その日、僕と順子は旅行に来ていた。
ネットでみつけた格安の旅行だ。
安い割には、旅館も綺麗だったし、食事も美味しかった。
昨日は海に行き、子供時代に戻って、二人で思いっきり泳いだ。
今日は帰る前にちょっと時間があったので、近くを散策していた。
そんな時、僕らはそこをみつけたんだ。
近付いてみると、木の看板にかすれた文字で何やら書いてあった。
「何なに?む、かしーうんど?」
「違うよ、きっと、むかしーらんどだよ。」
「何?むかしーらんどって?」
「さぁ…??」
「ようこそ、むかしーらんどに!」
「わっ!」
振り向くと…
「うわっ!」
そこには、サングラスをかけ、ビキニを着たつるっぱげの爺さんがいた。
これはやばい!
逃げようとしたら、爺さんが僕の腕をがしっと掴んだ。
「さぁさ、こちらへ。
むかしーらんど特製のゼットコースターへどうぞ。」
「す、すごいですね。ジェットコースターなんてあるんですね。」
「あるよ、あるよ。わしの手作りじゃよ!ここのあとらくしょんは、全部わしが作ったんじゃ。」
えーっ!
手作りー!?
大丈夫なのか~!
着いたら、そこにはみかん箱みたいな粗末な乗り物があった。
「さぁ、乗んなさい。」
「は、はい。」
嫌と言えないのが、僕達の悪いところだ。
僕らは、みかん箱に並んで座った。
「ミュージックスタート!」
爺さんは古めかしい蓄音機を動かした。
間延びした音楽が流れ、箱が坂をゆっくりと登りだした。
まさか、ぶつかって大破することなんてないよな?
不安でドキドキは最高潮だ。
ある意味、無茶苦茶、怖い!
坂はそう高くはなかったけど、妙に怖い。
「うわぁ~!」
僕と彼女は抱き合い、大声を上げた。
「……ん?」
「はいっ、お疲れさん!」
ゆるゆると箱が落ちた。
滑り台程度のものだった。
(どこが、ジェットコースターだ!)
心の中では愚痴を言いながらも、実際には何も言えない。
僕らは次々にへんてこなしょーもない遊具に乗せられ…
帰り際には、ひとり5000円という料金を取られた。
「酷い目にあったね。」
「うん、でも、まぁ、これも夏の思い出だよ。
カズ君と一緒だと、どんなことも楽しいよ。」
「順子……」
あぁ、僕はなんて素敵な彼女を持ったんだろう?
本当に幸せだ!
むかしーらんどのおかげで、僕はそのことを再認識した。
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