幸せの花が咲く町で

ルカ(聖夜月ルカ)

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 「まぁ……なんて、素敵なお家なんだろう……
こんな所に住ませていただけるなんて、夢みたいです。」

お母さんは部屋のあちこちを眺め、感心したりびっくりしていた。



 「もし、お二人で暮らすのが気詰まりでしたら、篠宮さんは…あ、香織さんは、二階の部屋を使っていただいても良いですよ。」

 「いえ、こちらで十分です。
こんなに広かったら、気詰まりなんてことありませんわ。
それに、日中は私は働いてますし、ここでは寝るだけですから。」

 篠宮さん親子は、ほとんどの荷物を処分して、衣類や身の周りのちょっとしたものだけを持って来ていた。



 「衣類等はここに入れて下さいね。」

 「大きな収納ですね。これだけあれば私と母のものを入れてもまだまだ余りそうです。」

 「おやまぁ……なんて素敵な景色なんだろう……
香織、ほら、見てごらんよ。」

お母さんは、窓から顔を出して、庭の様子を微笑みながらずっと眺めていた。



 「堤さん…本当にどうもありがとうございます。
 前のアパートと比べたら、ここは天国ですよ。」

お母さんは、この部屋をとても気に入ってくれたようで…その笑顔に僕はどこか安堵した。



 「何か足りないものとか不自由なことがあったら、おっしゃって下さいね。」

 「ありがとうございます。
あの……堤さん……ご両親はどちらですか?
ご挨拶したいんですが……」

 「あ…こっちです。」



お母さんは、足をひきずるものの、杖がなくともゆっくりなら歩けるようだった。
だけど、その足取りはおぼつかない。



 (リビングまで、壁に手すりを付けた方が良いかな……)



そう思いながら、僕はお母さんの身体を後ろからそっと支えた。
お母さんは驚いたような表情を浮かべ、そして小さく頭を下げられた。



 「ここです。」

 僕は仏壇の所に、お母さんを案内した。



 「すみません。立ったままで失礼します。」

 仏壇の前に篠宮さんが座り、線香に火を付けた。
その隣にお母さんが立って、けっこう長い間、二人は仏壇に手を合わせてくれた。
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