Gift

ルカ(聖夜月ルカ)

文字の大きさ
38 / 697
006. 喧嘩

しおりを挟む
「はい、お待ち遠様。」

「あ…ありがとうなのねん。」

老女が運んで来た料理を口に運びながらも、メリーの視線はテレビから離れなかった。







「おはよう、メリー」

「………」

「どうかしたのか?」

「真澄さんのばかーーー!」

メリーの突然のパンチを、真澄さんは舞うような華麗な動きでかわす。



「な、なんなんだ?!」

さらに襲いかかって来るパンチを俊敏な動きでよけながら、真澄さんはメリーの元を去った。



「一体、どうなってるんだ?あいつ…」







その日の放課後、真澄さんの召集により、アヤと世夜はいつもの喫茶店に来ていた。



「真澄さん、話って何なの?」

「実は、今日おかしなことがあったんだ。」

「……それって、もしかしてメリーのことじゃないだろうな?」

「えっ?メリーのことって、まさか、メリーは二人にも…」

三人は思わず顔を見合わせた。



「じゃあ、なにか?
メリーは俺達全員に殴りかかってきたってことか?」

「そのようだな…」

「どうして?
なんでそんなことするの?
世夜、なにか思い当たる事はないの?」

「…ない。」

三人は、頭をひねったまま黙りこむ。




「……昨日まではなにもなかったよな?」

「そうね、昨日まではいつもと変わりなかったわ。」

「じゃあ、何かあったとしたら昨日だな。
昨日…なにかあったっけ?」

三人は再び頭をひねる。



「特に、なにもなかったと思うわ。
だって、私、昨日はメリーと遊んでないもの。」

「俺もだ。
俺もすぐに家に帰ったからな。」

「……もしかしたら…」

アヤと世夜は、もったいぶった真澄さんの次の言葉を待つ。



「昨日、遊んでやらなかったから怒ってるんじゃないだろうか?」

「ええーーーーっっ!」

世夜の低い声とアヤの澄んだ声が綺麗にハモる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

10秒で読めるちょっと怖い話。

絢郷水沙
ホラー
 ほんのりと不条理な『ギャグ』が香るホラーテイスト・ショートショートです。意味怖的要素も含んでおりますので、意味怖好きならぜひ読んでみてください。(毎日昼頃1話更新中!)

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。

Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。 そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。 そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。 これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。 (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

処理中です...